MOMOTA defeats rival from junior days as champion

Kento MOMOTA
Man with the pride of World Jr. Champ

シンガポールオープンSS2回戦、日本の男子シングルス2人、男子ダブルス3組、女子ダブルス2組が勝ち、準々決勝に進んだ。先陣を切って登場した男子シングルスの桃田賢斗選手は、予選勝ち上がりながら前日の1回戦で佐々木翔選手を破ったマレーシアのグ・カンロン選手を寄せ付けず、日本選手の中でベスト8一番乗りを果たした

桃田選手自ら「今回が3度目」と話す通り、2011年アジアジュニア(U19)選手権を含め、ジュニア時代に対戦経験のある相手だったが、試合後、BadPaL の取材に応じ、「勝てると思って試合に臨んだ」とはっきり語った。勝因に挙げたのは、フォア奥からのクロスカットに象徴される、相手のウィニングショットを抑えられたこと。久しぶりの対戦で、相手に自分の成長を見せられたかとの問いには、「気持ちの部分で、世界ジュニアチャンピオンとして、『俺の方が強い』という思いで試合に臨んだ」と力強く語った

次の準々決勝は、上田拓馬選手との日本人対決となるが、「先輩の胸を借りるつもりでいく。ただ、引いた感じになると一気に持っていかれてしまうと思うので、どんどん向かっていきたい」と意気込みを語った

Reika KAKIIWA-Miyuki MAEDA
A pair of Reika / Miyuki is still developing

女子ダブルスでは、前田美順・垣岩令佳組が、若いマレーシアペアに快勝した。ペアとして、これが国際大会4戦目。特に後衛で2人が重なる場面はまだ見られるものの、武器とする強烈なスマッシュだけでなく、守勢に回っても、強いドライブレシーブで圧倒。攻めの姿勢に徹したプレーでストレート勝ちを収めた

前田選手は試合後、BadPaL の取材に対し、「どういったローテンションがいいのかはまだ模索中。セオリー通りの基本的な動きから、さまざま対戦相手との異なる試合を通じて、バリエーションを作っていきたい」と述べた。またこの日見せた堅いレシーブについて、垣岩選手は「ともに強いロングのドライブレシーブを打てる」と強みを指摘。その上で、「2人とも元々後衛で、かつては互いのパートナーが前に詰めていたこともあり、今は相手を崩しても自分たちがどうしても後ろよりになってしまう。前をどのように詰めていくか、さらにショートのレシーブをどう使っていくか」をこれからの課題に挙げた

Takeshi KAMURA-Keigo SONODA
Not good match for Takeshi / Keigo but wins

男子ダブルスでは、1回戦を勝った日本ペア3組がいずれもインドネシアのペアを倒し、ベスト8のうち3枠を占めた。このうち、唯一、ファイナルゲームまでもつれた園田啓悟・嘉村健士組は試合後、BadPaL に対し、「シャトルを大きく上げないノーロブの試合になるのは想定していた。ただ、自分にミスが出てしまい、勝つのに手間取ってしまった」(園田選手)。「悪い内容で、良かったのは勝てたことだけ。力んで、得意とするドライブが浮いてしまった。油断したわけではないが、(世界ランクが)下の相手との試合への入り方を考えないと」(嘉村選手)と、反省点ばかりが並んだ。ただ最後は、集中力を保って勝利できたという

準々決勝の相手は中国カイ・ユン/フー・ハイファン組。園田選手は、「世界チャンピオンが相手なので思い切りいくだけ」。嘉村選手は、「前週のインドネシアオープンを見る限り本調子ではなかった。こちらが調整してノーロブの試合ができればおもしろい試合ができると思う。気合いを入れてがんばる」と抱負を語った

Ryota TAOHATA-Hiroyuki SAEKI
Ryota / Hiroyuki advanced to QF of SS for the first time

佐伯祐行・垰畑亮太組は、競り合いとなった第1ゲームを逆転で取ると、第2ゲームは主導権を握り終始リード。終盤、18-11から18-16まで追い上げられたが、振り切った

佐伯、垰畑両選手は BadPaL に対し、「昨年のジャパンオープンSSで一度勝っていたことが自信になっていた」と認めた。勝因としては、「我慢してラリーができたこと。ラリーに持ち込めば、雑なプレーがある相手がミスしてくれる。相手の惑わす球を決められると勢いづけてしまうので、つないでラリーにもっていった」と語った。第2ゲーム後半、追い上げられる場面があったが、「勝ちを意識して硬くなり、スピードが上げられなかった。第2ゲームに入ると相手も自分たちのプレーに慣れてくるが、攻撃パターンが限られていて動けなかった。この辺りは今後取り組むべき課題だと思う」と述べた

準々決勝では韓国ペアと対戦するが、「攻守揃った相手だと思うので、自分たちの攻めのバドミントンをして崩していければ」(佐伯選手)。「格上なので、向かっていきたい」(垰畑選手)と意気込みを示した

Kenichi HAYAKAWA-Hiroyuki ENDO
Kenichi / Hiroyuki to aim at revenge to Indonesia Open Champion in QF

早川賢一・遠藤大由組は、ベテラン、アルベン・ユリアント・チャンドラ/マルキス・キド組が相手で、苦戦が予想された。しかし開始早々、スタートダッシュに成功するとそのまま抜け出し第1ゲームに勝利。続く第2ゲームも中盤以降引き離し、意外にあっさりと勝ちを手にした。早川選手は試合後、「出だしが良く、自分たちのプレーができたことが勝ちにつながった」とコメント。遠藤選手は「相手には、前週の試合の疲れもあったのでは」と指摘した

世界ランク4位の早川・遠藤組は、前週の5大大会インドネシアオープンSSプレミアで、第4シードに入りながら、優勝した地元のヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン組に1回戦負け。悔しい気持ちを胸に今大会に乗り込んできている。早川選手は「相手が誰でも、シードで初戦敗退はだめ。少なくともベスト8には入らないと。ランキングポイントも減るので、今大会ではそれ(ベスト8)以上を狙っている」と明言した。遠藤選手は、「準々決勝でセティアワン/アーサン組と再戦するので、リベンジできれば」と語った

一方、この日は日本勢同士の対決2試合が組まれ、上田拓馬選手が坂井一将選手を、高橋礼華・松友美佐紀組が福万尚子・與猶くるみ組を下し、いずれも世界ランク上位が順当に勝ち上がった

WD : JPN v JPN
WD : Misaki/Ayaka (JPN) bt. Naoko/Kurumi (JPN)

高橋・松友組は試合後、BadPaL に対し、「国際大会での日本ペアとの対戦ではこれまで、自分たちが追いかける立場だったが、初めて追われる立場となり最初は不安な部分があった」(高橋選手)と明かした。その上で、「相手は失うものなく向かってくるので、それを受けるのではなく、自分たちのプレーをして押し切ろうと思った」(松友選手)という。準々決勝の相手は、前週のインドネシアオープンSSプレミアで優勝した、新たに結成された中国チェン・シュウ/バオ・イーシン組。「世界ランクは自分たちの方が上位ながら、向こうはSSプレミアで優勝しているので、負けられない、ではなく、勝ちたい、という気持ち」で臨む姿勢を示した

MS : JPN v JPN
MS : Takuma (JPN) bt. Kazumasa (JPN)

前日に続いて、この日も日本勢の中で最後にコートに立った上田選手は坂井選手にストレート勝ちした直後、BadPaL 取材に応じ、「前日の試合後、対戦が決まった時には、同じチームで日本人同士(の対戦)は嫌だった。ただ、試合前の準備の段階でそういうことは忘れて自分のプレーをしようと切り替えられた。試合には、世界ランク上位で負けられない、という強い気持ちで臨めた」と振り返った

準々決勝では再び日本の桃田賢斗選手とぶつかるが、「試合までに気持ちを切り替えたい」とした。今大会、トップ選手が不在で、さらに上も狙える状況にある点を問うと、「チャンスだと思う。この機会をものにして先に進みたい」と、静かな口調ながら闘志をのぞかせた

このほかの日本勢は、男子シングルスで田児賢一選手が世界ランク下位の英国ラジブ・ウーセフ選手からリードを奪うが、逆転され第1ゲームを失うと、第2ゲームも続けて落としストレート負けとなった。田児選手は試合後、「第1ゲームを取れなかったのがすべて」と短くコメントして、試合会場を後にした

女子シングルスでは、廣瀬栄理子選手が世界4位、インドのサイナ・ネワル選手から第1ゲームを奪うが、第2、3ゲームを取り返され逆転で敗れた。三谷美菜津選手は、世界ランクがほぼ同じ台湾の18歳、タイ・ツーイン選手に挑むも、第1ゲームの接戦を取れなかったのが響き、ストレート負け。今別府香里選手は、ランク上位のインドネシアのリンダウェニ・ファネトリ選手に第1ゲームを取られ、第2ゲーム、先にゲームポイントを握りながら勝ち切れず、2回戦で姿を消した

混合ダブルスで1回戦を勝ち上がった早川賢一・松友美佐紀組と垰畑亮太・福万尚子組はともにストレートで敗れ、女子シングルスに続いて、この種目でも日本選手がいなくなった

日本選手2回戦の結果

【男子シングルス】 田児賢一(世界5位)〈18-21,12-21〉ラジブ・ウーセフ(英国、世界27位)、上田拓馬(世界17位)〈21-13,21-14〉坂井一将(世界32位)、桃田賢斗(世界55位)〈21-17,21-12〉グ・カロン(香港、世界110位※予選勝ち上がり)

【女子シングルス】 タイ・ツーイン(台湾、世界8位)〈22-20,21-12〉三谷美菜津(世界9位)、サイナ・ネワル(インド、世界4位)〈16-21,21-16,21-9〉廣瀬栄理子(世界11位)、リンダウェニ・ファネトリ(インドネシア、世界13位)〈21-15,22-20〉今別府香里(世界34位)

【男子ダブルス】 早川賢一・遠藤大由(世界4位)〈21-15,21-16〉アルベン・ユリアント・チャンドラ/マルキス・キド(インドネシア、世界14位)、園田啓悟・嘉村健士(世界24位)〈17-21,21-16,21-16〉トリクスマ・ワルドハナ/クリストファー・ルスディアント(インドネシア、世界76位※予選勝ち上がり)、ヘンドラ・アプリダ・グナワン/ヨナサン・スルヤタマ・ダスキ(インドネシア、世界22位)〈19-21,18-21〉佐伯祐行・垰畑亮太(世界37位)

【女子ダブルス】 高橋礼華・松友美佐紀(世界2位)〈21-15,21-13〉福万尚子・與猶くるみ(世界48位)、リム・インルー/リー・メンイーン(マレーシア)〈15-21,11-21〉前田美順・垣岩令佳(世界74位※予選勝ち上がり)

【混合ダブルス】 早川賢一・松友美佐紀(世界17位)〈16-21,12-21〉クリス・アドコック/ガブリエル・ホワイト(英国、世界18位)、ムハンマド・リジャル/デビー・スサント(インドネシア、世界7位)〈21-13,21-13〉垰畑亮太・福万尚子(世界472位※予選勝ち上がり)

 

準々決勝の対戦カード

【男子シングルス】 グエン・ティエンミン(ベトナム、世界10位)対マーク・ツイブラー(ドイツ、世界14位)、トミー・スギアルト(インドネシア、世界13位)対ラジブ・ウーセフ(英国、世界27位)、上田拓馬(世界17位)対桃田賢斗(世界55位)、ブーンサック・ポンサナ(タイ、世界4位)対チョン・ウェイフェン(マレーシア、世界12位)

【女子シングルス】 リ・シュエリ(世界1位)対サプシリー・タエラッタナチャイ(世界20位)、タイ・ツーイン(台湾、世界8位)対スン・ユ(世界73位)、ワン・イーハン(世界5位)対ワン・シーシャン(世界10位)、サイナ・ネワル(インド、世界4位)対リンダウェニ・ファネトリ(インドネシア、世界13位)

【男子ダブルス】 イ・ヨンデ/コ・ソンヒョン(韓国、世界1位)対マニーポン・ジョンジット/ニピトポン・プアンプアペク(タイ、世界28位)、ユ・ヨンソン/シン・ベクチョル(韓国、世界16位)対佐伯祐行・垰畑亮太(世界37位)、カイ・ユン/フー・ハイファン(中国、世界8位)対園田啓悟・嘉村健士(世界24位)、早川賢一・遠藤大由(世界4位)対ヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン(インドネシア、世界7位)

【女子ダブルス】 ツァオ・ユンレイ/ティエン・チン(中国、世界12位)対前田美順・垣岩令佳(世界74位※予選勝ち上がり)、キム・ハナ/チョン・ギョンウン(韓国、世界11位)対グレイシア・ポリー/ニトヤ・クリシンダ・マヘスワリ(インドネシア、世界75位)、マー・ジン/タン・ジンフア(中国、世界3位)対ピア・ゼバディア・ベルナデス/リズキ・アメリア・プラディプタ(インドネシア、世界7位)、高橋礼華・松友美佐紀(世界2位)対チェン・シュウ/バオ・イーシン(中国、世界94位)

【混合ダブルス】 ムハンマド・リジャル/デビー・スサント(インドネシア、世界7位)対プラビーン・ジョーダン/ビタ・マリッサ(インドネシア、世界27位)、タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル(インドネシア、世界3位)対クリス・アドコック/ガブリエル・ホワイト(英国、世界18位)、シン・ベクチョル/チャン・イエナ(韓国、世界15位)対リー・チュンヘイ/チャウ・ホイワー(香港、世界22位)、コ・ソンヒョン/キム・ハナ(韓国、世界35位)対ユ・ヨンソン/オム・ヘウォン(韓国、世界136位)

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