From Courtside 2010

2010年のシーズンも終わり、2011年はいよいよ、ロンドン五輪出場枠獲得に向け、各国・地域の選手による世界ランクを競うオリンピックレースが本格化する 2010年は、中国をはじめとするバドミントン強国に対抗する新興勢力の躍進が確認された年だった。とりわけ女子では、スーパーシリーズ(SS)3勝。中でも最終戦の香港オープンでは中国トップ選手を下して栄冠をつかんだインドの20歳サイナ・ネワル選手や、弱冠15歳ながらグランプリ(GP)とGPゴールドでそれぞれ1勝と結果を残したタイのインタノン・ラッチャノク選手の台頭が光った また韓国チームがユーバー杯で、7連覇を狙った中国を決勝で下す番狂わせを演じた。ただ中国はこのときの敗戦を糧に、アジア競技大会で見事にリベンジを果たしている

Asian Para Games

アジアパラ競技大会バドミントンが13~18日、14カ国・地域から139人の選手が参加して開催された。メダル獲得数でトップに立ったのはマレーシア。これに中国、韓国、ベトナムが続いた。日本は国・地域別で7位だった 日本選手では、女子シングルスの鈴木亜弥子選手(23)が立位・上肢障害部門(BMSTU5)で金メダル。男子シングルスの浦哲雄選手(35)が立位・上肢障害部門(BMSTU4)、長嶋理選手(31)が車いす部門(BMW2)で、それぞれ銅メダルを獲得した

Non-Chinese wins 4 out of 5

香港オープン・スーパーシリーズ(SS)決勝、20歳同士の対決となった女子シングルスで、インドのサイナ・ネワル選手が今大会好調の中国ワン・シーシャン選手を逆転(15-21,21-16,21-17)で下し、シンガポールオープン、インドネシアオープンに続く今年3つ目のSSタイトルを手にした。どちらが勝ってもおかしくない一進一退の試合展開だったが、最終的に、ネワル選手の頭を使った冷静な試合運びが勝利を呼び込んだ 混合ダブルスでは、デンマークのヨアキム・フィッシャー・ニールセン/クリスティナ・ペダーセン組が、今年の全英オープンSSとジャパンオープンSSを制した中国ツァン・ナン/ツァオ・ユンレイ組をフルゲーム(22-20,14-21,22-20)の末に破り、優勝。歓喜の雄たけびを上げた

Indonesian Mens Doubles beat Korean again

香港オープンSS準決勝、男子ダブルスでマルキス・キド/ヘンドラ・セティアワン組(インド ネシア、世界4位)とチョン・ジェソン/イ・ヨンデ組(韓国、世界7位)が対戦。1点を争う息詰まる接戦となるも、インドネシアペアが韓国ペアを21-19,23-21で退けた 韓国オープンGP、中国オープンSSに続く3週連続優勝を狙ったチョン/イ組は、もう1つの強豪、中国フー・ハイファン/カイ・ユン組にはアジア競技大会、中国オープンSS、香港オープンSSと連勝。しかしアジア大会を制したキド/セティアワン組には、同大会準々決勝に続く連敗を喫した

Strategy of China?

香港オープンスーパーシリーズ(SS)準々決勝、男子シングルスでリン・ダン、チェン・ジン両選手の棄権が試合直前になって同時に発表された。リン選手は、11月のアジア競技大会で勝利した後、中国オープン、香港オープンと2大会続けて準々決勝での途中棄権。これを受け、それぞれの対戦相手、グエン・ ティエンミン選手(ベトナム)とリー・チョンウェイ選手(マレーシア)が労せず準決勝に進んだ 同じく中国の若手で、前週に行われた中国オープンの覇者チェン・ロン選手は、復活をとげつつある韓国の元エース、イ・ヒョンイル選手とぶつかった 互いに1ゲームずつ奪い合い迎えたファイナルゲーム、チェン選手が18-13と優位に試合を進めるも、ここからイ選手の反撃にあい5連続失点で追いつかれ、次のイ選手のライン際のショットが微妙な判定ながらインとなり逆転を許す。試合の流れは完全にイ選手にあったが、ここでチェン選手が治療を理由に長めの小休止をとる。この「戦略」がイ選手のリズムに影響を与え、試合再開直後、浮いたシャトルをプッシュでネットにかけると続く2ポイントも失い、チェン選手が1時間15分余りの接戦(17-21,21-16,21-19)を制した