
世界ジュニア選手権の個人戦決勝、シニア大会でも活躍する女子シングルスのラッチャノク・インタノン選手(タイ)が史上初の3連覇を成し遂げた
試合はファイナルゲームまでもつれたものの、最終ゲームでは、実力・実績ともに格上のインタノン選手が、ゲーム全般をコントロールした
ラッチャノク選手は試合後、BadPaL の取材に応じ、勝敗が決した直後に流した涙の意味について、「これまで誰も達成したことのない3連覇を樹立できたことが非常にうれしかった」と説明した。ただ来年、千葉で開催される大会で4連覇を狙うかどうかは、コーチの考え次第として、明言を避けた
次なる目標としては、いまだ実現していないスーパーシリーズ(SS)のタイトル獲得を挙げた
また、準決勝で対戦した奥原希望選手に関し、「昨日の試合ではミスが出ていた」と指摘。ただ「将来的には、確実に上に上がってくる選手」との認識を示した

一方、2連覇を目指した男子シングルスのビクター・アクセルセン選手(デンマーク)は、アジアジュニア選手権チャンピオンのズルファドリ・ズルキフリ選手(マレーシア)にフルゲームの末に敗れ、現在世界ランク5位の中国チェン・ジン選手に続く、この種目での偉業達成はならなかった
ズルキフリ選手は試合後、自身にとって最後の世界ジュニアで格上のアクセルセン選手に勝てたことがうれしいと話した。次の目標は、現在207位の世界ランクを100位以内に引き上げること。自国のスター、リー・チョンウェイ選手(世界1位)の後継者になれるかとの問いには、「すぐには無理だが、そうなれるように努力していきたい」と語った
ズルキフリ選手はナショナルチームの一員ではなく、クラブチーム「KLRC」に所属して練習を行っている。同選手が説明したところによれば、マレーシア人の父と、かつてナショナルチームのメンバーだったインドネシア人の母を持つ。また、スピードに優れたリー・チョンウェイ選手よりも、多彩なテクニックを有するインドネシアのタウフィック・ヒダヤット選手のプレースタイルを好むという
今大会の準決勝を含め、3度対戦し3度勝っている桃田賢斗選手について、「賢斗はプレースタイルもほぼ同じで良いプレーヤー。現時点における自分との差は経験だけでは」とコメントした
各種目のメダル獲得選手は以下の通り。国・地域別では、◆マレーシア3個(金2、銅1)◆インドネシア6個(金1、銀3、銅2)◆韓国3個(金1、銅2)◆タイ1個(金1)◆台湾2個(銀1、銅1)◆デンマーク1個(銀1)◆日本2個(銅2)◆インド1個(銅1)◆スペイン1個(銅1)――の順となった

【男子シングルス】
金メダル : ズルファドリ・ズルキフリ(マレーシア)
銀メダル : ビクター・アクセルセン(デンマーク)
銅メダル : 桃田賢斗、サミール・ベルマ(インド)

【女子シングルス】
金メダル : インタノン・ラッチャノク(タイ※大会3連覇)
銀メダル : プルワニンティヤス・エリザベス(インドネシア)
銅メダル : 奥原希望、カロリナ・マリン(スペイン)

【男子ダブルス】
金メダル : ヘグ・ネルソン・ウェイケット/テオ・イーイ組(マレーシア)
銀メダル : カリン・ケアユ/フアン・ポジェイ組(台湾)
銅メダル : ロナルド・アレキサンダー/セルバヌス・ゲー組(インドネシア)、ティエン・ツーチー/ワン・チーハオ組(台湾)

【女子ダブルス】
金メダル : イ・ソヒ/シン・スンチャン組(韓国)
銀メダル : シェラ・デビ・アウリア/アンジア・シッタ・アワンダ組(インドネシア)
銅メダル : アンディニ・スシ・リスキ/ヌライダ・ティアラ・ロサリア組(インドネシア)、ハン・ソヨン/キム・ヒョミン組(韓国)

【混合ダブルス】
金メダル : アルフィアン・エコ・プラセティヤ/グロリア・エマヌエル・ウィジャヤ組(インドネシア)
銀メダル : ロナルド・アレキサンダー/ヌライダ・ティアラ・ロサリア組(インドネシア)
銅メダル : チェ・ソルギュ/チェ・ユジョン組(韓国)、ヘグ・ネルソン・ ウェイケット/チョウ・メイクアン組(マレーシア)
決勝の結果
【男子シングルス】 ビクター・アクセルセン(デンマーク)〈18-21,21-9,19-21〉ズルファドリ・ズルキフリ(マレーシア)
【女子シングルス】 ラッチャノク・インタノン(タイ)〈21-6,18-21,21-13〉プルワニンティヤス・エリザベス(インドネシア)
【男子ダブルス】 リン・ケアユ/フアン・ポジェイ組(台湾)〈17-21,17-21〉ヘグ・ネルソン・ウェイケット/テオ・イーイ組(マレーシア)
【女子ダブルス】 イ・ソヒ/シン・スンチャン組(韓国)〈21-16,13-21,21-9〉シェラ・デビ・アウリア/アンジア・シッタ・アワンダ組(インドネシア)
【混合ダブルス】 アルフィアン・エコ・プラセティヤ/グロリア・エマヌエル・ウィジャヤ組(インドネシア)〈12-21,21-17,25-23〉ロナルド・アレキサンダー/ヌライダ・ティアラ・ロサリア組(インドネシア)
世界ジュニアの歴代優勝者の中には現在、世界のバドミントン界をけん引している選手(以下参照)が少なくない。また日本のトップ選手は過去3度、準優勝している。千葉が会場となる来年の大会では、日本にとって、団体戦初のメダル獲得、個人戦初優勝の期待が膨らむ
【男子シングルス】 チェン・ロン(中国、世界2位※07年優勝)、チェン・ジン(中国、世界5位※02,04年優勝)、ワン・ツェンミン(中国、世界17位※08年優勝)、田児賢一(世界15位※07年準優勝)
【女子シングルス】 ワン・イーハン(中国、世界2位※06年優勝)、サイナ・ネワル(インド、世界4位※08年優勝)、ジアン・ヤンジャオ(中国、世界5位※02年優勝)、チェン・シャオチエ(台湾、世界8位※04年優勝)、佐藤冴香(世界14位※08年準優勝)、松友美佐紀(女子ダブルス世界17位※10年準優勝)
【男子ダブルス】 イ・ヨンデ(韓国、世界2位※06年優勝)、タン・ブンヒョン(マレーシア、世界5位※04年優勝)、
【女子ダブルス】 ユー・ヤン(中国、世界1位※04年優勝)、ワン・シャオリ(中国、世界1位※06年優勝)、マー・ジン(中国、混合ダブルス世界2位※06年優勝)、ヤオ・レイ(シンガポール、世界15位※08年優勝)
【混合ダブルス】 イ・ヨンデ(韓国、世界10位※06年優勝)