ロンドン五輪バドミントン一次リーグ2日目、女子ダブルスの藤井瑞希・垣岩令佳組が2勝目を挙げ、決勝トーナメント(準々決勝)進出にあと一歩と迫った
初日から2日連続の試合となった藤井・垣岩組は、シンガポールのエースペア、シンタ・ムリア・サリ/ヤオ・レイ組と対戦。オリンピックレース終了時点の世界ランクには開きがあるものの、直接対決では過去2勝1敗とそれほど差のない相手で、この日も、シンガポールペアが第1ゲームを、藤井・垣岩組が第2ゲームをそれぞれ取り合いファイナルゲームに突入した。ファイナルでも一進一退の攻防が続いたが、1時間20分を超す熱戦を最後に制したのは、前日、オリンピック初戦に勝利して自信をつけた藤井・垣岩組だった
この結果、藤井・垣岩組は2日目を終えた時点でグループ暫定1位となり、3日目(30日)に行われる同じグループの台湾ペアとインドペアの試合で台湾ペアが勝てば、一次リーグ最終日(31日)を待たずにベスト8入りが決まる
一方、この日最初の試合に登場したオリンピック初出場の男子シングルス佐々木翔選手は、特別枠で五輪出場資格を得たスリナムのバージル・ソエロレジョ選手(世界221位)を難なく下し、2人だけのグループで1位となり、全種目を通じて決勝トーナメント一番乗りを果たした
同じくこれがオリンピックデビュー戦となった女子シングルスの佐藤冴香選手は第1ゲーム、緊張からか世界ランク87位のスロベニアの選手に追い上げられ先にゲームポイントを奪われる。これを逆転で何とか凌ぐが、第2ゲームに入ってもなかなか抜け出せず、終盤までもつれる展開となり、21-18でようやく勝利。産みの苦しみを存分に味わった
男子ダブルスの佐藤翔治・川前直樹組は、金メダル候補の一角、韓国チョン・ジェソン/イ・ヨンデ組と対戦。第1、第2ゲームともに前半は互角にわたりあうも、インターバルを過ぎた辺りから地力の差が出て徐々に引き離され、ストレート負けを喫した。同じグループでは、韓国ペアとマレーシアのクー・ケンケット/タン・ブンヒョン組が既に2勝し、2連敗となった佐藤・川前組は3日目(30日)の試合に勝ってもこれに届かないため、この時点で一次リーグ敗退が確定した
前日、痛い星を落とした混合ダブルスの池田信太郎・潮田玲子組は、負けられない状況で臨んだカナダペアとの試合に苦しみながらもゲームカウント2対1で勝利。31日の一次リーグ最終戦、強豪デンマークペアとの試合に決勝トーナメント進出の望みをつないだ
日本選手2日目の結果(世界ランクはオリンピックレース終了時点のもの)
【男子シングルス】 佐々木翔(世界6位)〈21-12,21-7〉バージル・ソエロレジョ(スリナム、世界221位)
【女子シングルス】 佐藤冴香(世界15位)〈22-20,21-18〉マヤ・トビルディ(スロベニア、世界87位)
【男子ダブルス】 チョン・ジェソン/イ・ヨンデ(韓国、世界2位)〈21-16,21-15〉佐藤翔治・川前直樹(世界11位)
【女子ダブルス】 藤井瑞希・垣岩令佳(世界4位)〈16-21,21-10,21-19〉シンタ・ムリア・サリ/ヤオ・レイ(シンガポール、世界13位)
【混合ダブルス】 池田信太郎・潮田玲子(世界11位)〈21-10,11-21,21-15〉トビー・ナン/グレース・ガオ(カナダ、世界26位)
一次リーグ3日目には、田児賢一選手、佐藤・川前組、末綱聡子・前田美順組が登場する。また、注目の男子シングルス金メダル候補、リー・チョンウェイ選手(マレーシア)とリン・ダン選手(中国)が、ロンドン五輪最初の試合に臨む
◆各種目一次リーグの途中経過(2日目終了時点。★は決勝トーナメントに進出する選手が決まったグループ)
【男子シングルス】
〈グループA〉 リー・チョンウェイ(マレーシア)、ビル・ラング(フィンランド)
〈グループB〉 【1】シモン・サントソ(インドネシア、1勝)【2】ラウル・ムスト(エストニア、1勝1敗)【3】マイケル・ラーンスタイナー(オーストリア、1敗)
〈グループC〉 田児賢一(日本)、ニルカ・カルナラトネ(スリランカ)
〈グループD〉 【1】カシャップ・パルパリ(インド、1勝)【2】グエン・ティエンミン(ベトナム、1勝)【3】タン・ユーハン(ベルギー、2敗)
★〈グループE〉 【1】チェン・ロン(中国、1勝)【2】ブーンサック・ポンサナ(タイ、1敗)
〈グループF〉 【1】ブリス・レベルデス(フランス、1勝)【2】エドウィン・エキリン(ウガンダ、1敗)【-】ウォン・ウィンキ(香港)
〈グループG〉 ピーター・ゲード(デンマーク)、ペドロ・マーティンズ(ポルトガル)
〈グループH〉 【1】ソン・ワンホ(韓国、1勝)【2】ウラジミール・イワノフ(ロシア、1敗)【-】スー・ジェンハオ(台湾)
〈グループI〉 【1】ウォン・ジリアン・デレク(シンガポール、1勝) 【2】ヤン・ヨルゲンセン(デンマーク、1勝)【3】ミーシャ・ジルバーマン(イスラエル、2敗)
★〈グループJ〉 【1】イ・ヒョンイル(韓国、1勝)【2】ロドリゴ・パチェコ・カリリョ(ペルー、1敗)
〈グループK〉 【1】マーク・ツイブラー(ドイツ、1勝)【2】モハメド・アジファン・ラシード(モルジブ、1敗)【-】ドミトロ・ザバドスキー(ウクライナ)
〈グループL〉 チェン・ジン(中国)、シュミツワフ・バハ(ポーランド)
〈グループM〉 【1】ケビン・コルドン(グアテマラ、1勝)【2】ラジフ・ウーセフ(英国、1勝)【3】ヘンリ・フルスカイネン(スウェーデン、2敗)
★〈グループN〉 【1】佐々木翔(日本、1勝)【2】バージル・ソエロレジョ(スリナム、1敗)
〈グループO〉 【1】タウフィック・ヒダヤット(インドネシア、1勝)【2】パブロ・アビアン(スペイン、1勝)【3】ペトロ・コーカル(チェコ、2敗)
〈グループP〉 リン・ダン(中国)、スコット・エバンス(アイルランド)
【女子シングルス】
〈グループA〉 ワン・イーハン(中国)、ミッシェル・リ(カナダ)
〈グループB〉 【1】ベ・ヨンジュ(韓国、1勝)【2】ティー・ジンイ(マレーシア、1敗)【-】アグネス・アレグリニ(イタリア)
〈グループC〉 【1】ネスリハン・イイット(トルコ、1勝)【2】シモネ・プルッチ(オーストリア、1敗)【-】チェン・シャオチエ(台湾)
〈グループD〉 【1】グ・ジュアン(シンガポール、1勝)【2】モニカ・ファスンゴワ(スロバキア、1敗)【-】ビクトリア・ナ(オーストラリア)
〈グループE〉 【1】サイナ・ネワル(インド、1勝)【2】タン・リアン(ベルギー、1勝)【3】サブリナ・ジャケ(スイス、2敗)
〈グループF〉 【1】ヤオ・ジエ(オランダ、1勝)【2】アクビル・スタプサイタイト(リトアニア、1敗)【-】ラグナ・インゴルフスドッティア(アイスランド)
〈グループG〉 【1】アナスタシア・プロコペンコ(ロシア、1勝)【2】カミラ・アウグスティン(ポーランド、1敗)【-】ティネ・バウン(デンマーク)
〈グループH〉 【1】スーザン・エゲルスタフ(英国、1勝)【2】佐藤冴香(日本、1勝)【3】マヤ・トビルディ(スロベニア、2敗)
〈グループI〉 【1】クロエ・マギー(アイルランド、1勝)【2】ハディア・ホスニー(エジプト、1敗)【-】ピ・ホンヤン(フランス)
〈グループJ〉 【1】ソン・ジヒョン(韓国、1勝)【2】イップ・プイイン(香港、1勝)【3】サラ・B・クベルノ(ノルウェー、2敗)
〈グループK〉 【1】アヌ・ニエミネン(フィンランド、1勝)【2】ビクトリア・モンテロ(メキシコ、1敗)【-】タイ・ツーイン(台湾)
★〈グループL〉 【1】リ・シュエリ(中国、2勝)【2】カロリナ・マリン(スペイン、1敗)【3】クラウディア・リベロ(ペルー、1敗)
〈グループM〉 【1】ラッチャノク・インタノン(タイ、1勝)【2】シリニ・ジャヤシンゲ(スリランカ、1敗)【-】テルマ・サントス(ポルトガル)
〈グループN〉 【1】ユリアン・シェンク(ドイツ、1勝)【2】クリスティナ・ガブンホルト(チェコ、1勝1敗)【3】ラリサ・オリガ(ウクライナ、1敗)
〈グループO〉 【1】ペトヤ・ネデルチェワ(ブルガリア、1勝)【2】アレシア・ザイトサワ(ベラルーシ、1敗)【-】アドリアンティ・フィルダサリ(インドネシア)
〈グループP〉 ワン・シン(中国)、ワン・レナ(アメリカ)
【男子ダブルス】
★〈グループA〉【1】ファン・チエミン/リー・シェンム(台湾、2勝)【2】カイ・ユン/フー・ハイファン(中国、2勝)【3】インゴ・キンダーバーター/ヨハネス・シュートラー(ドイツ、2敗【4】グレン・ワーフ/ロス・スミス(オーストラリア、2敗)
〈グループB〉 【1】マニーポン・ジョンジット/ボディン・イサラ(タイ、2勝)【2】ユ・ヨンソン/コ・ソンヒョン(韓国、1勝1敗)【3】ミカル・ロゴス/アダム・ツファリナ(ポーランド、1敗)【4】モハンマド・アーサン/ボナ・セプタノ(インドネシア、1敗)
〈グループC〉 【1】マシアス・ボー/カールステン・モゲンセン(デンマーク、2勝)【2】グオ・ツェンドン/チャイ・ビアオ(中国、1勝)【3】ウラジミール・イワノフ/イワン・ソゾノフ(ロシア、1敗)【4】ドリアン・ランス・ジェームズ/ウィレム・ビルジョン(南アフリカ、2敗)
★〈グループD〉 【1】クー・ケンケット/タン・ブンヒョン(マレーシア、2勝)【2】チョン・ジェソン/イ・ヨンデ(韓国、2勝)【3】トニー・グナワン/ハワード・バック(アメリカ、2敗)【4】佐藤翔治・川前直樹(日本、2敗)
【女子ダブルス】
〈グループA〉 【1】ユー・ヤン/ワン・シャオリ(中国、2勝)【2】キム・ハナ/チョン・ギョンウン(韓国、1勝)【3】ニナ・ビスロバ/バレリ・ソロキナ(ロシア、1敗)【4】ブルース・アレックス/ミッシェル・リ(カナダ、2敗)
〈グループB〉 【1】藤井瑞希・垣岩令佳(日本、2勝)【2】チェン・ウェンシン/チエン・ユーチン(台湾、1勝)【3】ジュワラ・グッタ/アシュウィニ・ポンナッパ(インド、1敗)【4】シンタ・ムリア・サリ/ヤオ・レイ(シンガポール、2敗)
〈グループC〉 【1】キム・ミンジョン/ハ・ジョンウン(韓国、1勝)【2】グレイシア・ポリー/メイリアナ・ジャウハリ(インドネシア、1勝)【3】レヌガ・ビーラン/リーン・チュー(オーストラリア、1勝1敗)【4】ミッシェル・クレア・エドワーズ/アナリ・ビルジョエン(南アフリカ、2敗)
〈グループD〉 【1】ツァオ・ユンレイ/ティエン・チン(中国、1勝)【2】末綱聡子・前田美順(日本、1勝)【3】クリスティナ・ペダーセン/カミラ・リタ・ユール(デンマーク、1勝1敗)【4】プーン・ロクヤン/ツェ・インシュー(香港、2敗)
【混合ダブルス】
〈グループA〉 【1】ツァン・ナン/ツァオ・ユンレイ(中国、2勝)【2】アレクサンドロ・ニコラエンコ/バレリ・ソロキナ(ロシア、1勝1敗)【3】マイケル・フックス/バージット・ミシェルズ(ドイツ、1勝1敗)【4】クリス・アドコック/イモジェン・バンキア(英国、2敗)
〈グループB〉【1】ヨアキム・フィッシャー・ニールセン/クリスティナ・ペダーセン(デンマーク、1勝)【2】ロベルト・マティウシアク/ナディエズダ・ジーバ(ポーランド、1勝)【3】池田信太郎・潮田玲子(日本、1勝1敗)【4】トビー・ナン/グレース・ガオ(カナダ、2敗)
〈グループC〉 【1】タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル(インドネシア、2勝)【2】トーマス・レイバーン/カミラ・リタ・ユール(デンマーク、1勝)【3】イ・ヨンデ/ハ・ジョンウン(韓国、1敗)【4】V.ディジュ/ジュワラ・グッタ(インド、2敗)
〈グループD〉 【1】シュー・チェン/マー・ジン(中国、1勝)【2】スッケー・プラパカモン/サラリー・トゥントーンカム(タイ、1勝)【3】チェン・フンリン/チェン・ウェンシン(台湾、1勝1敗)【4】チャン・ペンスーン/ゴー・リュウイン(マレーシア、2敗)