
日本を1人上回る12人をロンドンに送り込む韓国は、バドミントンが正式種目に採用された1992年バルセロナから2008年北京までの5大会で、金6個を含む合わせて17個のメダルを獲得。メダル総数で中国(30個)、インドネシア(18個)に次ぐ3番手につけている。ロンドンでは複数のメダルを取ってインドネシアを抜くことも予想されるが、中でも韓国7個目の金メダル候補筆頭が男子ダブルスのチョン・ジェソン/イ・ヨンデ組だ
北京五輪前よりチョン/イ組はアジアで、インドネシアのマルキス・キド/ヘンドラ・セティアワン組、中国のカイ・ユン/フー・ハイファン組、マレーシアのクー・ケンケット/タン・ブンヒョン組と、トップ争いをしていた。しかし北京ではまさかの1回戦負けで、失意にまみれた。あれから4年、2度目のオリンピックを迎えるが、北京五輪金メダルのキド/セティアワン組は出場資格を得られず、クー/タン組は長く勝利から遠ざかり浮上のきっかけをつかめていない。結果として、今回はカイ/フー組との一騎打ちの様相を呈している
2006年からペアを組むチョン/イ組はこれまで、バドミントンの国際大会で数多くのタイトルを得てきた。一方、アジア大会で06年と10年に銅メダル、世界選手権で07年と09年に銀メダルを獲得しているが、これら2つにオリンピックを加えた3大大会では、一度も金メダルに手が届かないでいる
五輪前最後の大会インドネシアオープンスーパーシリーズ(SS)プレミアに勝ち、世界ランク1位(6月21日付)となって臨むロンドンは、このペアで金メダルが狙える最後にして絶好の機会となる。長くライバル関係にある中国エースペアとの北京五輪後の通算対戦成績は9勝7敗で、韓国ペアがリードしている
なおイ・ヨンデ選手は、女子ダブルスを掛け持ちするハ・ジョンウン選手と組む混合ダブルスでは、北京の金に続く、2大会連続のメダル獲得に挑む

女子シングルスのエース、ソン・ジヒョン選手は、現在ナショナルチームのコーチを務める父親と世界選手権銅メダリストの母親の間に生まれた、いわばサラブレッド。175cmの長身から繰り出す角度のあるショットを武器に、ここ数年で躍進を遂げた。とりわけ、世界1位ワン・イーハン選手との直近の3試合を1勝2敗(敗れた2試合もゲームを支配)。世界2位ワン・シン選手には最近の2度の対戦、全英オープンSSプレミアとインドネシアオープンSSプレミアでいずれもストレート勝ちを収めるなど、中国シングルス陣を真に脅かす存在になっている
5月に行われた女子の国・地域別対抗戦ユーバー杯決勝では第1シングルスに登場し、中国のエース、ワン・イーハン選手を圧倒。第2ゲームに4つのマッチポイントを握りながら、勝ち急いだのが裏目に出て、結局、試合をひっくり返され敗れた。この試合の敗因となった、主に経験不足からくる精神面の不安定さを克服できれば、中国の表彰台独占が十分考えられるこの種目で、番狂わせを起こし得る
韓国五輪代表(12人)
【男子シングルス】 イ・ヒョンイル選手(32)、ソン・ワンホ選手(24)
【女子シングルス】 ソン・ジヒョン選手(20)、ベ・ヨンジュ選手(21)
【男子ダブルス】 チョン・ジェソン選手(29)/イ・ヨンデ選手(23)、ユ・ヨンソン選手(25)/コ・ソンヒョン選手(25)
【女子ダブルス】 キム・ミンジョン選手(25)/ハ・ジョンウン選手(25)、キム・ハナ選手(22)/チョン・ギョンウン選手(22)
【混合ダブルス】 イ・ヨンデ選手/ハ・ジョンウン選手