Last Day of WC : Usual winner with unusual ending in MS final

Victory of LIN Dan
5th Victory in World Championships for LIN Dan

世界選手権7日目、注目の男子シングルス決勝、リー・チョンウェイリン・ダンは、2011年の世界選手権決勝、12年のロンドン五輪決勝に続いてまたもファイナルゲームまでもつれる接戦となった。しかし今回は、ギリギリのところでリー選手の負傷棄権という予期せぬ結末を迎えた

ワイルドカード(特別枠)で出場権を得たリン・ダン選手だったが、今年10月に30歳を迎えるベテランは、前回2011年大会で同じくリー選手を破って獲得したタイトルを守ると同時に、前人未到の世界選手権5勝(2006,07,09,11,13年)を成し遂げた

女子シングルスでは、1995年生まれの18歳、ラッチャノク・インタノン選手が、ロンドン五輪金メダルの中国リ・シュエリ選手を倒し、タイの選手として初の世界チャンピオンになった

男子シングルス決勝オープニングゲームは、これまで一度も手にしていない悲願の世界タイトル奪取を目指すリー・チョンウェイ選手が、冷静かつ正確に試合を進め21-16で取り、幸先の良いスタートを切る。第2ゲームに入ると、エアコンの停止により試合会場内の温度が上昇する中、明らかに滴り落ちる汗の量が増え、相手ショットのイン、アウトの判断に狂いが生じたリー選手を、リン・ダン選手が序盤から引き離し12-1と大きくリードする。リー選手もその後、追いすがるが点差は埋まらず、リン選手が21-13でこのゲームを奪う

LEE retires
LEE ChongWei (L) forced to retire due to cramps

迎えたファイナルゲーム、リー・チョンウェイ選手が主導権を奪い返し10-6とリードするが、直後にリン・ダン選手が切り返し、5連続得点で逆転に成功して前半を折り返す。後半はリン選手をリー選手が追いかける展開となり、15-19から16-19としたところでリー選手自らコート脇に出て、足の不調(肉離れ)を訴え治療を受ける。その後、コートに戻ってさらに1点を加えるが、次のラリーでリン選手がフォア奥に放ったシャトルを追いかけることができず、コート中央にうずくまってしまう。再度治療を受けるも、今度は動けず棄権。担架に乗せられコートを後にすると、そのまま病院へ直行。表彰式にも姿を見せなかった

リン・ダン選手は試合後の記者会見で、「2人とも決勝にふさわしい良いパフォーマンスを見せることができた」と強調した。リー選手のケガについては、「自分も練習中に体験したことがあり動けない」と述べ、最後まで戦えず棄権を余儀なくされたライバルに対し、同情を示した

一方、リー選手は病院で治療を受けた後、マレーシアのメディアに対し、ベストを尽くしたがまたも世界タイトルを取れず残念。申し訳ないとコメント。ロンドン五輪後、長く国際大会から離れていながら優勝したリン・ダン選手の強さをあらためて認めた上で、デンマーク・コペンハーゲンで開催される来年の世界選手権でもう一度、世界タイトルに挑戦する意向を示した

Tears for historical victory
Ratchanok ended in tears after making history for Thai badminton

女子シングルスでは、今大会第1シード、ロンドン五輪金メダルの中国リ・シュエリ選手に、タイの18歳、ラッチャノク・インタノン選手(タイ)が果敢に挑み、第1ゲーム、17-20と先にゲームポイントを握られた劣勢の状況から5連続得点を決め先制する

第2ゲームは大舞台での経験豊富なリ選手に15-15から抜け出され18-21で落とすも、ファイナルゲームは主導権を奪い返し、攻めの姿勢を崩さぬまま絶妙なショットを連発。終わってみれば、敵地でオリンピックチャンピオンに一度もリードを許すことなく21-14で快勝。世界ジュニア選手権3連覇(2009,10,11年)に続く世界チャンピオンの称号をつかみ取った

1977年にスタートした世界選手権で、タイの選手が全種目を通じて初めて獲得した世界タイトルで、99年のデンマーク、カミラ・マーティン以来の中国人以外の女子シングルスチャンピオンとなった

インタノン選手は試合後の記者会見で、「これまで真の世界トップ選手に勝てるとは思っていなかった。しかし今回の勝利で、自分でも勝つことができるという自信を得た」と述べた。また「この優勝が、先の男子ダブルス選手2人による乱闘で崩れたタイのバドミントンのイメージ回復に少しでもつながれば」とコメントした

一方、リ選手は、「インタノン選手がリラックスして試合に臨んできたことがプレッシャーになった。試合全体を通じて向かってくる姿勢も崩さなかった」と相手の強さを率直に認めた。また、「タイをはじめ各国・地域の若手選手が、中国選手を研究して強くなり、女子シングルスは競争がより厳しくなっている」と述べた

YU Yang-WANG Xiaoli
YU / WANG proved they are the best in the world championships twice, not in Olympic though

第1シードが相次いで敗れた今大会、女子ダブルスのユー・ヤン/ワン・シャオリ組は、唯一の例外となった。準決勝でロンドン五輪金メダルの中国ツァオ・ユンレイ/ティエン・チン組を倒して勝ち上がってきた韓国オム・ヘウォン/チャン・イエナ組に第2ゲームを奪われファイナルゲームまで持ち込まれるも、最後は21-8と圧勝。失格処分となりロンドン五輪で手にすることができなかった金メダルを、世界選手権ではディフェンディングチャンピオンとして2大会連続で手中に収めた。ユー・ヤン選手は2010年、ドゥ・ジン選手とのペアでも優勝しており、この種目大会3連覇を達成した

Tontowi-Liliyana
Tontowi/Liliyana won the world title to make country men be proud of Indonesia

残る2種目はインドネシアが制した。混合ダブルスでは、タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル組が、準決勝のロンドン五輪金メダリスト、ツァン・ナン/ツァオ・ユンレイ組に続いて、この日は今大会第1シードのシュー・チェン/マー・ジン組と、中国のトップペアを連破。急きょ会場に駆け付けたインドネシアバドミントン協会(PBSI)会長が見守る中、インドネシアにとって2007年以来4大会ぶりの世界選手権優勝を果たした。ナッチル選手は、現在コーチを務めるノバ・ウィディアント氏と組んだ混合ダブルスで優勝した2005,07年に続く、3度目のタイトル獲得となる

Hendra-Mohammad
Hendra/Mohammad brought 2nd Gold to Indonesia after XD

男子ダブルスは、ヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン組が、準決勝で世界選手権3連覇・通算4勝のディフェンディングチャンピオン、中国カイ・ユン/フー・ハイファン組をストレートで下した勢いそのままに、決勝でもデンマークのマシアス・ボー/カールステン・モゲンセン組にストレート勝ち。この種目、2007年のマルキス・キド/ヘンドラ・セティアワン組以来となる世界タイトルをインドネシアにもたらした

決勝の結果

【男子シングルス】 リー・チョンウェイ(マレーシア、世界1位)〈21-16,13-21,17-20棄権〉リン・ダン(中国、世界286位)

【女子シングルス】 リ・シュエリ(中国、世界1位)〈20-22,21-18,14-21〉ラッチャノク・インタノン(タイ、世界3位)

【男子ダブルス】 ヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン(インドネシア、世界5位)〈21-13,23-21〉マシアス・ボー/カールステン・モゲンセン(デンマーク、世界6位)

【女子ダブルス】 ユー・ヤン/ワン・シャオリ(中国、世界1位)〈21-14,18-21,21-8〉オム・ヘウォン/チャン・イエナ(韓国、世界5位)

【混合ダブルス】 シュー・チェン/マー・ジン(中国、世界1位)〈13-21,21-16,20-22〉タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル(インドネシア、世界2位)

 

各種目のメダル獲得者

【男子シングルス】

MS Medalists
MS Medalists : DU, LIN and NGUYEN (from left)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

金メダル: リン・ダン(中国※2連覇・通算5勝目)

銀メダル: リー・チョンウェイ(マレーシア)

銅メダル: ドゥ・ペンユ(中国)

銅メダル: グエン・ティエンミン(ベトナム※同国初のメダル)

 

【女子シングルス】

WS Medalists
WS Medalists : LI, INTANON, SINDHU and BAE (from left)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

金メダル: ラッチャノク・インタノン(タイ※同国初のメダル)

銀メダル: リ・シュエリ(中国)

銅メダル: ベ・ヨンジュ(韓国)

銅メダル: プサルラ・ヴェンカタ・シンドゥ(インド)

 

【男子ダブルス】

MD Medalists
MD Medalists : MOGENSEN/BOE, AHSAN/SETIAWAN, CAI/FU and KIM/KIM (from left)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

金メダル: ヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン(インドネシア)

銀メダル: マシアス・ボー/カールステン・モゲンセン(デンマーク)

銅メダル: カイ・ユン/フー・ハイファン(中国)

銅メダル: キム・ギジョン/キム・サラン(韓国)

 

【女子ダブルス】

WD Medaists
WD Medalists : JANG/EOM, WANG/YU, TIAN/ZHAO and PEDERSEN/RYTTER JUHL (from left)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

金メダル: ユー・ヤン/ワン・シャオリ(中国※2連覇)

銀メダル: オム・ヘウォン/チャン・イエナ(韓国)

銅メダル: クリスティナ・ペダーセン/カミラ・リタ・ユール(デンマーク)

銅メダル: ツァオ・ユンレイ/ティエン・チン(中国)

 

【混合ダブルス】

XD Medalists
XD Medalists : XU/MA, NATSIR/AHMAD, ZHANG/ZHAO and SHIN/EOM (from left)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

金メダル: タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル(インドネシア)

銀メダル: シュー・チェン/マー・ジン(中国)

銅メダル: ツァン・ナン/ツァオ・ユンレイ(中国)

銅メダル: シン・ベクチョル/オム・ヘウォン(韓国)

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