SIX from Malaysia : Asian shuttlers in London (6)

マレーシアの代表6人の中で注目は、何と言っても、アテネ(2回戦敗退)、北京(準優勝)に続く3度目のオリンピック出場となる男子シングルスのリー・チョンウェイ選手だ

This time, major opponent is himself

盤石の強さで決勝まで勝ち上がるも、悲願の金メダルをかけた試合でライバル、リン・ダン選手(中国)に一蹴された北京五輪。3年後、やはりリン・ダン選手相手に2つのマッチポイントを握り、初の世界チャンピオンにあと1点と迫りながら決め切れず逆転負けを喫した世界選手権。これらメジャー大会での敗北の雪辱を期し、心身ともに万全な状態でロンドン五輪に乗り込むべく準備を進めていた。しかし五輪本番2カ月前、思いもかけないアクシデントが襲った

5月22日、男子の国・地域別対抗戦トマス杯、対デンマーク戦の第1シングルスに登場したリー選手は、試合開始からわずか数分後、右足首の靭帯を損傷し、コート上に座り込んで動けなくなった。この2カ月前に行われた全英オープンスーパーシリーズ(SS)プレミアでも右肩を負傷。リン・ダン選手との決勝を途中棄権しており、このあたりから歯車が狂い始めていた

マレーシア初の金メダルに最も近い所にいるリー選手には国をあげてのサポート体制が敷かれ、幹細胞治療などを用いて身体は徐々に回復に向かっていると伝えられる。ただ5月以降、国際大会へは参戦しておらず、実戦感覚の低下は免れない。さらに、より深刻な問題と考えられる精神的ダメージの回復がどれほど進んでいるかは知るすべもない

6月21日、北京五輪直後から約4年間守り続けた世界ランク1位の座も、負傷により国際大会出場キャンセルを余儀なくされたことで、リン・ダン選手に明け渡した

すべてを失ったといっても過言でない状況で臨むロンドン五輪でのリー選手の金メダル獲得をあきらめる声が、マレーシア国内から聞こえる。その一方、逆境に立ったことでプレッシャーが軽減されたリー選手の活躍に期待する声もある

2013年世界選手権後の引退を示唆しているリー選手はこれまで、スーパーシリーズ(SS)を中心に数多くの国際タイトルを獲得しながら、オリンピック、世界選手権、アジア競技大会といったメジャー大会では一度も勝てていない。7月28日、明らかに万全ではない状況で挑む最後の五輪の初戦でどのような戦いぶりを見せるか、注目される

マレーシア五輪代表(6人)

【男子シングルス】 リー・チョンウェイ選手(29)

【女子シングルス】 ティー・ジンイ選手(21)

【男子ダブルス】 クー・ケンケット選手(26)/タン・ブンヒョン選手(24)

【混合ダブルス】 チャン・ペンスーン選手(24)/ゴー・リュウイン選手(23)

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