ドイツ、英国、スイスの3カ国を転戦するオリンピックレース最後の欧州遠征を終え、世界バドミントン連盟(BWF)が22日に発表した最新の世界ランキングを基に、ロンドン五輪出場権獲得を目指す日本選手の立ち位置を確認する
【男子シングルス】 ナショナルチームヘッドコーチのパク・ジュボン氏が既に明かした通り、いずれも世界ランク1ケタ台の佐々木翔選手と田児賢一選手が出場を確定させた。両選手ともに五輪初出場で、とりわけ佐々木選手は3度目の挑戦で初めて出場権をつかんだ。ただ日本は、世界トップ4に3人以上が入った場合のみ与えられる、3つ目の出場枠は確保できなかった〈https://badpal.net/olympic-race-1-mens-singles/〉
【女子シングルス】 佐藤冴香選手が世界16位で依然、日本トップの地位を維持している。廣瀬栄理子選手を抜いて2番手に浮上した後藤愛選手との差は1万ポイント超あり、残り1カ月でこれを埋めるのは極めて難しい状況。結果として日本は、世界16位以内に2人以上入っ た場合に与えられる2つ目の出場枠を逃し、この種目での出場は佐藤選手1人になりそうだ〈https://badpal.net/olympic-race-2-womens-singles/〉



【男子ダブルス】 日本ペアの中で唯一、世界ランク8位以内に入っている平田典靖・橋本博且組の優位は変わらない。ただ、スイスオープンGPゴールドで優勝した佐藤翔治・川前直樹組が背後に迫り、続く早川賢一・遠藤大由組とも決定的な差はついておらず、気は抜けない。とりわけ、レース大詰めの3大会(オーストラリアオープンGPゴールド、アジア選手権、インドオープンSS)で平田・橋本組は昨年、いずれも好成績を収めランキングポイントを稼いだため、今年結果が残せなければポイントを減らす〈https://badpal.net/olympic-race-3-mens-doubles/〉



【女子ダブルス】 一歩抜け出した藤井瑞希・垣岩令佳組に続く2つ目の出場枠をめぐり、末綱聡子・前田美順組と松尾静香・内藤真実組のギリギリの争いがレース最終月まで続く。昨年8月、ロンドン五輪と同じ会場で行われた世界選手権で銅メダルを獲得しながら、その後、年末にかけて調子を落とし、いまだ本来のプレーが取り戻せていない末綱・前田組と、長く日本の3番手に甘んじながら、ここにきてプレーが安定してきている松尾・内藤組。わずかなポイント差で世界5位と6位に位置する両ペアだが、国・地域ごとに与えられる出場枠が最大2つに限られるため、このうち1組は五輪を逃すことになる〈https://badpal.net/olympic-race-4-womens-doubles/〉



【混合ダブルス】 昨年末時点で世界8位まで浮上したこの種目のスペシャリスト、池田信太郎・潮田玲子組の独走かと思われていたが、ここにきて、ともにダブルス2種目をこなしてきた佐藤翔治・松尾静香組の姿がはっきり後方に見えてきた。世界ランクはそれぞれ10位、15位とまだ開きがあるものの、ポイント差は3,550ポイントまで迫っている。日本は複数の出場枠を獲得するための条件(世界8位以内に2組以上)を満たしておらず、五輪切符を手にするのは1組だけとなる〈https://badpal.net/olympic-race-5-mixed-doubles/〉


4月に行われるオリンピックレースの残り3大会、日本選手間で五輪出場権争いが続くダブルス3種目では、昨年と同じあるいはそれ以上の成績を収められるかどうかが、勝ち残るための重要なカギとなる
◆オーストラリアオープングランプリ(GP)ゴールド(4月3~8日) : 昨年のこの大会では、男子ダブルスで早川・遠藤組が優勝、佐藤・川前組が準優勝、平田・橋本組がベスト4。女子ダブルスで松尾・内藤組が優勝。混合ダブルスで池田・潮田組がベスト4と、日本勢がそろって好成績を収め高いランキングポイントを獲得した。ただこのポイントは1年間経つと加算されなくなり消滅してしまうので、仮に今年、昨年結果を残したこれら選手が早い段階で敗れるようなことがあれば、即ポイントの減少につながる
◆アジア選手権(4月17~22日※GPゴールドに相当する大会) : 平田・橋本組が準優勝しており、世界ランクの算定基準である累積ランキングポイントの維持、または上乗せを図るには、決勝進出が最低条件となる
◆インドオープンスーパーシリーズ(SS)(4月24~29日) : 平田・橋本組と末綱・前田組が昨年、アベック優勝を果たした大会で、両ペアは優勝を逃せばポイントを減らす。ほかのペアにとっては、両ペアより下位でオリンピックレース最終戦となる今大会を迎えたとしても、僅差でついていけていれば逆転の可能性は残る