スイスオープンＧＰゴールド決勝、佐藤翔治・川前直樹組は、世界ランクが１つ上の台湾ファン・チーミン／リー・シェンム組をストレートで下して優勝。オリンピックレース終盤で、レース期間中３つ目となるタイトルを獲得した
試合は、日本ペアの強さが際立つ内容となった。第１ゲームは佐藤・川前組の最小リードで中盤まで進むが、11-10で折り返した直後、７連続得点で一気に引き離し、そのまま一度もリードを譲らず勝利。第２ゲームも競り合いとなったのは6-6まで。連続得点を重ねて21-14と完勝した
佐藤・川前組はオリンピックレースに突入した昨年５月以降、◆６月のロシアオープンＧＰ優勝◆７月の全米オープンＧＰゴールド・ベスト４◆11月のチャイナオープンＳＳベスト４◆12月のインドオープンＧＰゴールド優勝――といった成績を積み重ねてきた。ただ高いランキングポイントにつながる上位大会、ＳＳプレミアとＳＳで十分な結果を残せず、平田典靖・橋本博且組の後塵を拝している残すところ、オーストラリアオープンＧＰゴールド、アジア選手権、インドオープンＳＳの実質３大会のみとなったレースでは、平田・橋本組を追い抜き日本男子ダブルス陣の中でトップに立つか、五輪出場権獲得に直結する世界８位以内に入るかが、４カ月後に迫ったロンドンに向けての絶対条件となる
オリンピックレースが佳境に入る中、奇しくも４年前の北京五輪３位決定戦の再現となった男子シングルス決勝は、世界ランクを現在の５位から４位に引き上げたい元世界選手権覇者の中国チェン・ジン選手が、元世界ランク１位の韓国イ・ヒョンイル選手をフルゲームの末に下して優勝した。準決勝で世界トップ３の一角、中国チェン・ロン選手にストレート勝ちして勢いに乗るイ選手が第１ゲームを先取するが、チェン・ジン選手が第２、第３ゲームを奪い返した
現在、世界５位のチェン・ジン選手は、国・地域別に付与される最大出場枠の規定に基づき、五輪出場対象から外れている。しかし４位に上がると、世界４位までに３人の選手を擁する中国の出場枠が２つから３つに拡大され、世界２位のリン・ダン選手、世界３位のチェン・ロン選手とともに、ロンドン五輪出場の道が開ける（参考：https://badpal.net/olympic-race-1-mens-singles/）。このところ、足の故障などもあって世界４位のベテラン、ピーター・ゲード選手の調子が上がらないのも、チェン・ジン選手にとっては好機となっている
女子シングルスでは、前日17日に22歳の誕生日を迎えたインドのサイナ・ネワル選手が３強の１人、中国のワン・シーシャン選手をストレートで下し、大会２連覇を達成するとともに、昨年５月にスタートしたオリンピックレースで初めてタイトルを獲得した
女子ダブルス決勝には、日本のトップ３ペアをはじめ、オリンピックレース終盤、少しでも多くのランキングポイント獲得を狙って来た多くの選手をしり目に、レースには直接関係ない中国の３番手タン・ジンフア／シア・フアン組と４番手バオ・イーシン／ツォン・チエンシン組が勝ち上がった。結果は、今回の欧州連戦でドイツオープンＧＰゴールド優勝、全英オープンＳＳプレミア・ベスト４と２大会続けて好成績を収めたタン／シア組が優勝を飾った
混合ダブルスは、前週の全英オープンＳＳプレミアで優勝したインドネシアのタントウィ・アーマド／リリアナ・ナッチル組が、２週連続優勝を果たした
各種目決勝の結果
【男子シングルス】 チェン・ジン（中国、世界５位）〈14-21,21-9,21-17〉イ・ヒョンイル（韓国、世界７位）
【女子シングルス】 ワン・シーシャン（中国、世界３位）〈19-21,16-21〉サイナ・ネワル（インド、世界５位）
【男子ダブルス】 ファン・チーミン／リー・シェンム（台湾、世界９位）〈13-21,14-21〉佐藤翔治・川前直樹（世界11位）
【女子ダブルス】 タン・ジンフア／シア・フアン（中国、世界20位）〈21-17,21-10〉バオ・イーシン／ツォン・チエンシン（中国、世界21位）
【混合ダブルス】 タントウィ・アーマド／リリアナ・ナッチル（インドネシア、世界４位）〈21-16,21-14〉スッケー・プラパカモン／サラリー・トウントンカム（タイ、世界９位）
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