
USオープンGPゴールド決勝、今大会、1ゲームも落とさず勝ち上がってきた男子シングルスの佐々木翔選手が、世界ランク上位のベトナム、グエン・ティエンミン選手をストレート(21-17,21-18)で下し優勝した
佐々木選手は、かつて鬼門でもあった難敵、グエン選手を相手に、第1ゲームは序盤からリードを保ち、14-14でいったん追いつかれるも、決して追い抜かれることなく21-17で先取。第2ゲームに入ると、グエン選手が応戦し、追いつ追われつの緊迫した攻防となる。しかし15-16とリードされた場面から佐々木選手が4連続得点で抜け出し、最後は21-18で締めた
これで佐々木選手は、4月のオーストラリアオープンに次いでGPゴールド2勝目。優勝者に与えられるランキングポイント7,000点を得て、世界バドミントン連盟(BWF)が来週木曜日に発表する最新の世界ランキングでは、現在の15位から確実に順位を上げてくる
今年4月以降、グエン選手のほか、リン・ダン(中国、世界2位)、チェン・ジン(中国、世界6位)、パク・ソンファン(韓国、世界8位)、ブーンサック・ポンサナ(タイ、世界10位)といった世界ランク上位の選手を次々と倒し、一段ステップアップを果たした佐々木選手には、来月に迫った世界選手権での活躍に加えて、3度目の挑戦となる五輪出場権の獲得に期待が高まる
女子シングルスでは、2009年ニュージーランドオープンGP以来となる、2つ目の国際タイトル獲得を目指した佐藤冴香選手が、今大会、台風の目となった台湾の17歳、タイ・ツーイン選手との決勝戦に臨んだ。しかし、フルゲーム(16-21,21-19,6-21)を戦うも敗れ、準優勝に終わった

ただ、3月に20歳になったばかりの佐藤選手は、10代だった2009年から世界ランク20位台を維持している安定した実力の持ち主。時折、遠征時に体調を崩して本来の調子を出せないまま敗れてしまうこともあるが、今年は、昨年逃した世界選手権への出場権も獲得。現在、世界ランク19位、実力拮抗の日本女子シングルス陣の中で廣瀬栄理子選手(同17位)に次ぐ2番手と、ロンドン五輪出場を狙える好位置につけている

一方、ダブルス3種目はいずれも韓国ペアが制した。とりわけ韓国のスター選手、イ・ヨンデ選手と、イ選手と混合ダブルスを組むハ・ジュンユン選手がそれぞれ2冠を達成。また女子ダブルスは、準々決勝で松尾・内藤組(世界5位)、準決勝で末綱・前田組(世界3位)をストレートで退けた世界6位のキム・ミンジュン/ハ・ジュンユン組が3月のスイスオープンに続く2つ目のGPゴールドのタイトルを手にし、世界3~5位を占める日本の3ペアの中に割り入ってきそうだ
各種目決勝の結果
【男子シングルス】 グエン・ティエンミン(ベトナム、世界9位)〈17-21,18-21〉佐々木翔(世界15位)
【女子シングルス】 佐藤冴香(世界19位)〈16-21,21-19,6-21〉タイ・ツーイン(台湾、世界24位)
【男子ダブルス】 トニー・グナワン/ハワード・バック組(米国、世界17位)〈9-21,19-21〉対イ・ヨンデ/コ・ソンヒョン組(韓国)
【女子ダブルス】 キム・ミンジュン/ハ・ジュンユン組(韓国、世界6位)〈14-21,22-20,21-18〉ジュン・キュンユン/キム・ハナ組(韓国、世界31位)
【混合ダブルス】 チェン・フンリン/チェン・ウェンシン組(台湾、世界6位)〈19-21,13-21〉イ・ヨンデ/ハ・ジュンユン組(韓国、世界64位)