
インドネシアオープンSSプレミア2回戦、男子シングルスの佐々木翔選手(世界ランク16位)が、4月以降、2つ惜しい試合を落とした中国リン・ダン選手(世界2位)との一戦に完勝。ベスト8入りを果たした
4月のアジア選手権、5月のスディルマンカップに続く3度目の対決となった今回、佐々木選手は序盤から、丁寧な球回しで試合を完全に支配。第1ゲームは、北京五輪金メダリストのリン選手にほとんど何もさせないまま、21-12で圧勝した。続く第2ゲームは、出だしこそリン選手にリードされるも、3-8から9連続得点で一気に逆転し、その勢いのままマッチポイントを握る。そこから少しもたつき、逆に4連続得点を許して20-18と追いすがられるが、総じて危なげない試合運びで、最後は21-18でリン選手を抑え込んだ
佐々木選手は試合後、BadPaL の取材に応じ、研究を重ねた戦略と巧みな配球で序盤からゲームを支配するも、決め手を欠くなどして惜敗したリン選手との前の2試合の反省を踏まえ、今回は、粘り強くチャンスをうかがっていく姿勢をこれまで以上に徹底したという。さらに、ネット際の精度が高まったのに加え、「こちらが打ちにいく際、つなぎにならず決められたことが大きい」と述べた。リン選手は試合後、疲労と前週から続く体調不良を口にしたが、佐々木選手は、相手の調子がよくない時でも、勝てたことに意味があると強調した
佐々木選手は準々決勝で、前週のシンガポールオープンSSで優勝し、世界ランクを6位にまで引き上げた中国チェン・ジン選手と対戦する
女子ダブルスでは、藤井瑞希・垣岩令佳組(世界4位)と松尾静香・内藤真実組(世界5位)が順当に勝ち、準々決勝に進んだ

藤井・垣岩組は、香港のプーン・ロクヤン/ツェ・インシュー組(世界14位)を相手に、会場の風にも影響され、第1ゲームを13-21で取られる苦しい出だしとなる。ただ第2ゲームを21-12で奪い返し、迎えたファイナルゲームでは13-15とリードされた場面から7連続得点で逆転し21-17で勝負を決めた。藤井選手は試合後、前週のシンガポールオープンではうまくいかなかった「垣岩が攻撃するよい形ができた」と手ごたえを語った。また、世界バドミントン連盟(BWF)が23日に発表した最新の世界ランキングで日本選手が世界3、4、5位に並んだことについて、「上位で競い合っている方が刺激になる」と述べた

松尾・内藤組は、ロシアのバレリ・ソロキナ/ニナ・ビスロバ組(世界10位)を21-13,21-15とほぼ一方的な展開で下し、危なげなく勝ち上がった。準々決勝では藤井・垣岩組との日本選手同士の対決となるが、世界ランクが5位まで浮上したことも踏め、ロンドン五輪出場を見据え、SSプレミアを含む上位大会でベスト4を目標として強く意識していることを認めた

一方、男子ダブルスの佐藤翔治・川前直樹組(世界14位)はマレーシアのクー・ケンケット/タン・ブンヒョン組(世界4位)に挑んだ。接戦となった第1ゲーム、先にゲームポイントを奪われるも逆転(23-21)で勝ち抜け先勝。第2ゲームは19-19から抜け出され、逆に19-21で失う。ファイナルゲームは中盤、10-16と大きくリードを許すが、ここから粘りと集中力を発揮し1点差(17-18)まで詰める。しかし反撃はここまでで、18-21で惜敗した

混合ダブルスの池田信太郎・潮田玲子組(世界17位)は、中国のヘ・ハンビン/ユー・ヤン組(世界34位)と対戦。接戦となった第1ゲームを24-26で先取された後、第2ゲームを21-16で取り返しファイナルゲームに持ち込む粘りを見せるも、最後は12-21で力尽きた
そのほかの日本選手はいずれも格上と対戦。◆男子シングルスの山田和司選手(世界26位)は中国のドゥ・ペンユ選手(世界10位)に14-21,13-21◆田児賢一選手(世界18位)は同じく中国のチェン・ロン選手(世界4位)に11-21,14-21◆女子シングルスの佐藤冴香選手(世界19位)はドイツのジュリアン・シェンク選手(世界10位)に11-21,11-21◆栗原文音選手(世界27位)はデンマークのティネ・バウン選手(世界6位)に12-21,16-21◆男子ダブルスの数野健太・廣部好輝組(世界21位)はインドネシアのマルキス・キド/ヘンドラ・セティアワン組(世界7位)に17-21,21-23◆混合ダブルスの佐藤翔治・松尾静香組(世界49位)はインドネシアのタントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル組(世界2位)に8-21,12-21◆早川賢一・松友美佐紀組(世界69位)はデンマークのトーマス・レイバーン/カミラ・リタ・ユール(世界14位)に12-21,10-21と、いずれもストレート負けを喫した





