
マレーシアオープングランプリ(GP)ゴールド決勝、末綱聡子・前田美順組(世界ランク3位)と松尾静香・内藤真実組(世界8位)の日本勢対決は、末綱・前田組が一度もリードを許すことなく21-18,21-13で快勝。2週連続優勝を果たすとともに、オリンピックレース初戦で優勝という最高のスタートを切った
世界バドミントン連盟(BWF)のデータベースによると、両ペアの国際舞台での対戦は過去2回。2010年10月のデンマークオープンスーパーシリーズ(SS)決勝では末綱・前田組、2011年3月のドイツオープンGPゴールド準々決勝では松尾・内藤組に軍配が上がっていた
末綱・前田組はここまで、GPグランプリ以上の大会で下記の成績を収めている
【2008年】インドオープンGPゴールド準優勝、インドネシアオープンSS準優勝、北京五輪4位【2009年】ジャパンオープンSS準優勝【2010年】スイスオープンSS(当時)準優勝、デンマークオープンSS優勝【2011年】インドオープンSS優勝、マレーシアオープンGPゴールド優勝
一方、3種目で決勝に進んだホスト国、マレーシアの選手の中で、男子シングルスのリー・チョンウェイ選手(世界1位)は、中国の4番手に位置するバオ・チュンライ選手(世界11位)を相手に第1ゲームを21-9と圧勝。第2ゲームは先行され競り合いとなるも、17-19とリードされた場面から4連続得点できっちり締め、大会3連覇を達成するとともに、今年出場した6つの大会で5勝目(残り1つは準優勝)を挙げた
男子ダブルスのクー・ケンケット/タン・ブンヒョン組(世界4位)も、2年前の準決勝で対戦したインドネシアのヘンドラ・アプリダ・グナワン/アルベン・ユリアント・チャンドラ組(世界10位)の挑戦を退け、いずれも今大会第1シードの面目を守り、地元観衆の期待にこたえた。2009年ベスト4、10年準優勝に続き、今大会での初優勝を狙ったグナワン/チャンドラ組は、またもあと一歩届かなかった
ただマレーシア最大の収穫は、決勝では前週のインドオープンSSを制したタントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル組(インドネシア、世界10位)に惜敗したものの、予想を上回る活躍を見せ準優勝した混合ダブルスのチャン・ペンスーン/ゴー・リウイン組(世界18位)だろう
女子シングルスでは、世界3位のワン・シン選手(中国)と同4位のサイナ・ネワル選手(インド)が対決した。ワン選手はアジア選手権、ネワル選手はインドオープンSSと、いずれも期待された自国開催の大会で1回戦敗退という屈辱を味わった。周囲の信頼と自らの自信の回復のため互いに負けられない試合となったが、ワン選手が逆転でネワル選手を下した
オリンピックレースは今後、6月のタイオープンGPゴールド、シンガポールオープンSS、インドネシアオープンSSプレミアへと続いていく。SSとSSプレミアでは、GPゴールドより高いポイントを獲得できるため、マレーシアオープンGPゴールドへの出場を見送ったリン・ダン選手をはじめとする中国の強豪がそろって出場してくることが予想され、試合はさらに厳しさを増すことになる
なお、優勝者に与えられるポイントは、GPゴールドの7,000ポイントに対し、SSが9,200ポイント、SSプレミアは11,000ポイントに設定されている
決勝の結果は以下の通り
【男子シングルス】 リー・チョンウェイ(マレーシア、世界1位)〈21-9,21-19〉バオ・チュンライ(中国、世界11位)
【女子シングルス】 ワン・シン(中国、世界3位)〈13-21,21-8,21-14〉サイナ・ネワル(インド、世界4位)
【男子ダブルス】 クー・ケンケット/タン・ブンヒョン組(マレーシア、世界4位)〈21-16,21-7〉ヘンドラ・アプリダ・グナワン/アルベン・ユリアント・チャンドラ組(インドネシア、世界10位)
【女子ダブルス】 末綱・前田組(世界3位)〈21-18,21-13〉松尾・内藤組(世界8位)
【混合ダブルス】 タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル組(インドネシア、世界10位)〈18-21,21-15,21-19〉チャン・ペンスーン/ゴー・リウイン組(マレーシア、世界18位)