スイスオープンGPゴールド準々決勝、残り1ヶ月半となったオリンピックレースを最後まで戦い抜くため負けられない状況が続く日本の男子ダブルス陣の中で、3番手の早川賢一・遠藤大由組が気持ちのこもった試合を見せた。

対戦相手の中国シェン・イエ/ホン・ウェイ組は、昨年初め90位台だった世界ランクを14位まで引き上げてきた勢いのあるペアで、対戦成績は1勝1敗と互角ながら、直近のマレーシアオープンスーパーシリーズ(SS、1月)ではストレート負けしていた。第1ゲームを終盤振り切られて落とすと、第2ゲームも13-16と劣勢を強いられる。しかし5連続得点などで切り返し試合をタイに戻す。ファイナルゲームは17-15とリードした場面から今度は相手に5連続得点を許してしまい、3つのマッチポイントを握られ万事休すと思われた。ところがここから、負けたくないという強い気持ちの伝わるねばりと集中力を発揮し、逆に5連続得点で見事な逆転勝利を収めた

これに続いたのが2番手の佐藤翔治・川前直樹組。前日、北京五輪金メダリストのマルキス・キド/ヘンドラ・セティアワン組を倒して勝ち上がってきた台湾のチェン・フンリン/リン・ユーラン組を寄せ付けず、21-7,21-13のストレート勝ち。準決勝に進んだ
一方、現時点で五輪出場圏内にいる日本で1番手の平田典靖・橋本博且組は、それまで5戦全敗と完全に抑え込まれていたが、2月のトマス杯アジア予選と前週の全英オープンSSプレミアで2連勝した台湾のエースペア、ファン・チエミン/リー・シェンム組にフルゲームの末に敗れ、ベスト4には残れなかった

女子シングルスでは、三谷美菜津選手が、SS準優勝などの実績があり世界ランク13位とロンドン五輪出場圏内にいる格上の韓国ベ・ヨンジュ選手を21-12,21-16と一蹴。ベスト4に名乗りを上げた。国地域別対抗戦ユーバー杯アジア予選に続く国際舞台での活躍で、ポスト五輪の日本の中心選手として、さらなる躍進に期待がかかる
一方、女子ダブルスの藤井瑞希・垣岩令佳組(世界4位)と松尾静香・内藤真実組(世界6位)は、いずれも中国ペアに敗れ準決勝進出を逃した。とりわけ松尾・内藤組は、第1ゲームを奪いながら第2、第3ゲームでは終盤競り負ける、昨年9月のジャパンオープンSS時と同じ相手に同じ様な負け方を喫してしまった
各種目準々決勝の結果
【男子シングルス】
タウフィック・ヒダヤット(インドネシア、世界12位)〈21-14,10-21,21-19〉ソン・ワンホ(韓国、世界18位)、チェン・ジン(中国、世界5位)〈21-8,23-21〉ダレン・リュー(マレーシア、世界37位)、イ・ヒョンイル(韓国、世界7位)〈21-15,21-14〉ビクター・アクセルセン(デンマーク、世界29位)、チェン・ロン(中国、世界3位)〈21-14,21-14〉ハンス・クリスチャン・ビティングス(デンマーク、世界15位)
【女子シングルス】
ベ・ヨンジュ(韓国、世界13位)〈12-21,16-21〉三谷美菜津(世界33位)、サイナ・ネワル(インド、世界5位)〈21-12,21-13〉リュウ・シン(中国、世界12位)、ソン・ジヒョン(韓国、世界10位)〈14-21,21-14,20-22〉インタノン・ラッチャノク(タイ、世界11位)、ワン・シーシャン(中国、世界3位)〈21-14,21-10〉ユリアン・シェンク(ドイツ、世界8位)
【男子ダブルス】
ヘンドラ・アプリダ・グナワン/アルベン・ユリアント・チャンドラ(インドネシア、世界10位)〈21-15,12-21,21-12〉テオ・コクシアン/ゴー・ウェイシェム(マレーシア)、佐藤翔治・川前直樹(世界11位)〈21-7,21-13〉チェン・フンリン/リン・ユーラン(台湾、世界23位)、平田典靖・橋本博且(世界7位)〈21-13,13-21,15-21〉ファン・チエミン/リー・シェンム(台湾、世界9位)、早川賢一・遠藤大由(世界13位)〈16-21,21-19,22-20〉シェン・イエ/ホン・ウェイ(中国、世界14位)
【女子ダブルス】
キム・ミンジョン/ハ・ジョンウン(韓国、世界3位)〈29-30,21-19,21-12〉チェン・ウェンシン/チエン・ユーチン(台湾、世界10位)、松尾静香・内藤真実(世界6位)〈21-19,19-21,17-21〉バオ・イーシン/ツォン・チエンシン(中国、世界21位)、クリスティナ・ペダーセン/カミラ・リタ・ユール(デンマーク、世界7位)〈18-21,21-15,7-21〉ウォン・ペイティ/チン・イエイフイ(マレーシア、世界14位)、藤井瑞希・垣岩令佳(世界4位)〈15-21,14-21〉タン・ジンフア/シア・フアン(中国、世界20位)
【混合ダブルス】
タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル(インドネシア、世界4位)〈21-19,18-21,25-23〉チャン・ペンスーン/ゴー・リュウイン(マレーシア、世界8位)、クリス・アドコック/イモジェン・バンキア(英国、世界14位)〈21-9,21-19〉早川賢一・松友美佐紀(世界40位)、スッケー・プラパカモン/サラリー・トウントンカム(タイ、世界9位)〈21-13,21-9〉マニーポン・ジョンジット/サビトリー・アミトラパイ(タイ、世界19位)、チェン・フンリン/チェン・ウェンシン(台湾、世界5位)〈18-21,21-18,18-21〉ヘ・ハンビン/バオ・イーシン(中国、世界23位)
準決勝の対戦カードは以下の通り
【男子シングルス】
チェン・ジン(中国、世界5位)対タウフィック・ヒダヤット(インドネシア、世界12位)
チェン・ロン(中国、世界3位)対イ・ヒョンイル(韓国、世界7位)
【女子シングルス】
サイナ・ネワル(インド、世界5位)対三谷美菜津(世界33位)
ワン・シーシャン(中国、世界3位)対ラッチャノク・インタノン(タイ、世界11位)
【男子ダブルス】
ヘンドラ・アプリダ・グナワン/アルベン・ユリアント・チャンドラ(インドネシア、世界10位)対佐藤翔治・川前直樹(世界11位)
ファン・チエミン/リー・シェンム(台湾、世界9位)対早川賢一・遠藤大由(世界13位)
【女子ダブルス】
キム・ミンジョン/ハ・ジョンウン(韓国、世界3位)対バオ・イーシン/ツォン・チエンシン(中国、世界21位)
ウォン・ペイティ/チン・イエイフイ(マレーシア、世界14位)対タン・ジンフア/シア・フアン(中国、世界20位)
【混合ダブルス】
タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル(インドネシア、世界4位)対クリス・アドコック/イモジェン・バンキア(英国、世界14位)
スッケー・プラパカモン/サラリー・トウントンカム(タイ、世界9位)対ヘ・ハンビン/バオ・イーシン(中国、世界23位)