スイスオープンGPゴールド2日目、男子シングルス2回戦とその他種目の1回戦が行われ、オリンピックレースを戦う女子シングルスと女子ダブルスの日本選手の間で早くも明暗が分かれた
女子シングルスは、世界ランクで日本選手の2番手につけている廣瀬栄理子選手が順当に勝利したのに対し、1番手の佐藤冴香選手と3番手の後藤愛選手はともに、格上の強豪選手との対戦に敗れ、1回戦で姿を消した
女子ダブルスでは現在、日本に与えられる2つ目の出場枠をめぐり、2番手の松尾静香・内藤真実組(世界5位)と3番手の末綱聡子・前田美順組(世界6位)が争っている。この日、松尾・内藤組は世界選手権銅メダルのインドペアをフルゲームの末に振り切ったが、末綱・前田組は昨年3月、世界4位まで昇りつめた実力のあるタイペアとの接戦を落とし、オリンピックレース終盤のこの時期、痛い初戦敗退を喫した
一方、男子ダブルスは、オリンピックレースを並走する日本3ペアの中で、先に1番手の平田典靖・橋本博且組、3番手の早川賢一・遠藤大由組が勝利。2番手の佐藤翔治・川前直樹組は、残り4大会しかないレースからの戦線離脱を避けるには負けられない状況に置かれたが、気持ちの伝わるねばりの試合〈12-21,24-22,23-21〉を見せ、貴重な1勝をもぎ取った
世界の強豪の中ではこの日、男子シングルス世界4位のピーター・ゲード選手が試合前に棄権した。ゲード選手のロンドン五輪出場は確定しているが、これにより、前週の全英オープンに続いて、今大会に出場している世界5位のチェン・ジン選手に再び、世界トップ4入りする絶好のチャンスが巡ってきた。仮にチェン・ジン選手が世界4位に上がれば、中国はこの種目でリン・ダン選手(世界2位)とチェン・ロン選手(世界3位)に続く3つ目の五輪出場枠を得ることができ、7月のロンドンでの金メダル獲得に向け、中国優位の状況が一層強固なものになる
大会2日目の日本選手の結果
【男子シングルス】 上田拓馬(世界38位)〈21-16,21-11〉ヨアン・トゥーラン(フランス、世界241位)、ピーター・ゲード(デンマーク、世界4位)〈不戦勝〉坂井一将(世界85位)
【女子シングルス】 サイナ・ネワル(インド、世界4位)〈21-13,21-8〉佐藤冴香(世界15位)、廣瀬栄理子(世界19位)〈21-18,21-16〉サプシリー・タエラッタナチャイ(タイ、世界31位※予選勝ち上がり)、ソン・ジヒョン(韓国、世界11位)〈21-19,21-10〉後藤愛(世界22位)、三谷美菜津(世界32位※予選免除)〈13-21,21-15,21-17〉ツェ・インシュー(香港、世界49位※予選勝ち上がり)
【男子ダブルス】 平田典靖・橋本博且(世界8位)〈16-21,21-8,21-19〉マイケル・フックス/オリバー・ロス(ドイツ、世界25位)、佐藤翔治・川前直樹(世界11位)〈12-21,24-22,23-21〉ヨナス・ラスムセン/マッズ・コンラドペターセン(デンマーク、世界15位)、早川賢一・遠藤大由(世界13位)〈21-14,21-18〉スッケー・プラパカモン/ソンポン・アヌクリッタヤワン(タイ、世界39位)
【女子ダブルス】 藤井瑞希・垣岩令佳(世界4位)〈21-19,21-18〉ワン・ペイロン/シェ・ペイチェン(台湾、世界37位※予選勝ち上がり)、松尾静香・内藤真実(世界5位)〈16-21,21-18,21-10〉ジュワラ・グッタ/アシュウィニ・ポンナッパ(インド、世界19位)、末綱聡子・前田美順(世界6位)〈20-22,16-21〉クンチャラ・ウォラビチッチャイクン/ドゥアンアノン・アルンゲーソン(タイ、世界23位)、ウーン・ケーウェイ/フー・ビビアン・カームン(マレーシア、世界18位)〈21-23,9-21〉高橋礼華・松友美佐紀(世界20位)
【混合ダブルス】 ディジュ.V/ジュワラ・グッタ(インド、世界12位)〈13-21,15-21〉佐藤翔治・松尾静香(世界15位)、アレクサンドロ・ニコラエンコ/バレリ・ソロキナ(インド、世界14位)〈14-21,21-17,13-21〉早川賢一・松友美佐紀(世界41位)、ヘ・ハンビン/バオ・イーシン(中国、世界26位)〈21-15,21-16〉遠藤大由・高橋礼華(※予選勝ち上がり)
日本選手の各種目ベスト8入りをかけた試合は以下の通り。女子ダブルスでは2週前のドイツオープンに続いて松尾・内藤組と高橋礼華・松友美佐紀組による日本勢対決となった。ドイツオープンでは、オリンピックレースのプレシャーがない高橋・松友組がストレート勝ち(21-14,21-10)した
【男子シングルス】 チェン・ロン(中国、世界3位)対上田拓馬(世界38位)、ビクター・アクセルセン(デンマーク、世界30位)対坂井一将(世界85位)
【女子シングルス】 ワン・イーハン(中国、世界1位)対三谷美菜津(世界32位)、ユリアン・シェンク(ドイツ、世界8位)対廣瀬栄理子(世界19位)
【男子ダブルス】 平田典靖・橋本博且(世界8位)対ライアン・アグン・サプトラ/アンガ・プラタマ(インドネシア、世界18位)、佐藤翔治・川前直樹(世界11位)対マッズ・ピーラーコルディング/クリスチャン・ジョン・スコブガード(デンマーク、世界68位)、早川賢一・遠藤大由(世界13位)対チャユット・トリヤチャート/ダニー・ダワ・クリスナンタ(シンガポール、世界90位※予選勝ち上がり)
【女子ダブルス】 藤井瑞希・垣岩令佳(世界4位)対ポーリエン・ヴァン・ドゥーレマレン/ロッテ・ジョナサンズ(オランダ、世界25位)、松尾静香・内藤真実(世界5位)対高橋礼華・松友美佐紀(世界20位)
【混合ダブルス】 佐藤翔治・松尾静香(世界15位)対マニーポン・ジョンジット/サビトリー・アミトラパイ(タイ、世界18位)、ソンポン・アヌクリッタヤワン/クンチャラ・ウォラビチッチャイクン(タイ、世界13位)対早川賢一・松友美佐紀(世界41位)