全英オープンSSプレミア2回戦、日本選手でベスト8に勝ち残ったのは、ともに世界ランク8位の男子シングルスの田児賢一選手と男子ダブルスの平田典靖・橋本博且組のみとなった。
田児選手は、山田和司選手との日本勢対決で第1、第2ゲームともに中盤以降抜け出し21-17,21-14のストレート勝ち。平田・橋本組は、ドイツのトップペア、インゴ・キンダーバーター/ヨハネス・シュートラー組に第2ゲームを奪われるも、ファイナルゲームは21-7と圧倒した。
男子ダブルスではもうひと組、早川賢一・遠藤大由組が世界ランク1位の中国カイ・ユン/フー・ハイファン組に挑んだ。第1ゲームは終盤20-20で追い付き、第2ゲームは15-15まで競り合うも、健闘むなしくストレート負けを喫した
五輪出場枠をめぐる日本ペア間の争いが佳境に入っている女子ダブルスでは、世界ランクで日本3番手につける末綱聡子・前田美順組(世界6位)が、韓国の3番手、オム・ヘウォン/チャン・イエナ組と対戦。第1ゲームを20-22で落とすと、第2ゲームもなかなか流れをつかめず、常に後ろを追いかける展開のまま18-21で敗れた。一方、末綱・前田組と直接競い合っている日本2番手の松尾静香・内藤真実組(世界5位)の相手は香港のプーン・ロクヤン/ツェ・インシュー組。第1ゲーム、20-19と先にゲームポイントを奪うが決め切れず、第2ゲームも終盤19-17とリードするが、ここから連続得点を許してしまい逆転負け。来月末で終了するオリンピックレースで重要な意味を持つ全英オープンを、ともにベスト16で終えた
ロンドン五輪の先を見据えて戦う高橋礼華・松友美佐紀組は、初戦で日本のトップ、藤井瑞希・垣岩令佳組(世界4位)を破った中国のマー・ジン/ツォン・チエンシン組を迎え撃ったが、返り討ちに遭ってしまった。ダブルスのスペシャリスト、マー選手と組む若いツォン選手は、昨年のジャパンオープンSSで、バオ・イーシン選手と組み、末綱・前田組、松尾・内藤組、藤井・垣岩組を次々に下して優勝した実績を持つ。今大会でも日本キラーぶりを存分に発揮した
このほか、1回戦を揃って勝ち上がった佐藤冴香、廣瀬栄理子、後藤愛の女子シングルス陣は、いずれも格上の強豪に歯が立たず全滅。混合ダブルス1回戦でシード選手を破る金星を挙げた佐藤翔治・松尾静香組(15位)は、マレーシアのチャン・ペンスーン/ゴー・リュウイン組(世界9位)に世界ランク以上の差を見せつけられ完敗した
世界の強豪を見ると、前日のピーター・ゲード選手(デンマーク、世界4位)の初戦敗退で、中国に男子シングルス3つ目の五輪出場枠をもたらす世界4位への浮上機会が拡大したチェン・ジン選手(世界5位)だったが、このところ結果が出ず世界ランクを12位まで落としているインドネシアのベテラン、タウフィック・ヒダヤット選手にストレート負けした
混合ダブルスでは、地元英国のクリス・アドコック/イモジェン・バンキア組(世界17位)とネーサン・ロバートソン/ジェニー・ウォールワーク組(世界19位)が揃ってベスト8に勝ち残った
日本選手2回戦の結果
【男子シングルス】 佐々木翔(世界6位)〈17-21,17-21〉ディオニシウス・ハヨム・ルンバカ(インドネシア、世界28位)、田児賢一(世界8位)〈21-17,21-14〉山田和司(世界27位)
【女子シングルス】 ジアン・ヤンジャオ(中国、世界5位)〈21-17,21-17〉佐藤冴香(世界15位)、ワン・シーシャン(中国、世界3位)〈21-10,21-19〉廣瀬栄理子(世界19位)、ティネ・バウン(デンマーク、世界7位)〈21-9,21-17〉後藤愛(世界22位)
【男子ダブルス】 平田典靖・橋本博且(世界8位)〈21-13,13-21,21-7〉インゴ・キンダーバーター/ヨハネス・シュートラー(ドイツ、世界17位)、カイ・ユン/フー・ハイファン(中国、世界1位)〈22-20,21-17〉早川賢一・遠藤大由(世界13位)
【女子ダブルス】 松尾静香・内藤真実(世界5位)〈20-22,20-22〉プーン・ロクヤン/ツェ・インシュー(香港、世界11位)、末綱聡子・前田美順(世界6位)〈20-22,18-21〉オム・ヘウォン/チャン・イエナ(韓国、世界26位)、高橋礼華・松友美佐紀(世界20位)〈18-21,21-16,17-21〉マー・ジン/ツォン・チエンシン(中国、世界213位)
【混合ダブルス】 チャン・ペンスーン/ゴー・リュウイン(マレーシア、世界9位)〈21-18,21-9〉佐藤翔治・松尾静香(世界19位)
ベスト4入りをかけた準々決勝の対戦カードは以下の通り。田児選手は、ジュニア時代からのライバルで、昨年、世界1位のリー・チョンウェイ選手から3勝するなど、リー・チョンウェイ、リン・ダンに並ぶ世界3強の地位を固めたチェン・ロン選手(中国、世界3位)に挑む
【男子シングルス】
リー・チョンウェイ(マレーシア、世界1位)対ディオニシウス・ハヨム・ルンバカ(インドネシア、世界28位)
イ・ヒョンイル(韓国、世界7位)対ダレン・リュー(マレーシア、世界43位)
チェン・ロン(中国、世界3位)対田児賢一(世界8位)
リン・ダン(中国、世界2位)対タウフィック・ヒダヤット(インドネシア、世界12位)
【女子シングルス】
ワン・イーハン(中国、世界1位)対ティネ・バウン(デンマーク、世界7位)
ワン・シーシャン(中国、世界3位)対ジアン・ヤンジャオ(中国、世界6位)
サイナ・ネワル(インド、世界4位)対リ・シュエリ(中国、世界5位)
ソン・ジヒョン(韓国、世界11位)対タイ・ツーイン(台湾、世界16位)
【男子ダブルス】
カイ・ユン/フー・ハイファン(中国、世界1位)対モハンマド・アーサン/ボナ・セプタノ(インドネシア、世界7位)
平田典靖・橋本博且(世界8位)対ファン・チエミン/リー・シェンム(台湾、世界12位)
マシアス・ボー/カールステン・モゲンセン(デンマーク、世界3位)対グオ・ツェンドン/チャイ・ビアオ(中国、世界5位)
チョン・ジェソン/イ・ヨンデ(韓国、世界2位)対シェン・イエ/ホン・ウェイ(中国、世界14位)
【女子ダブルス】
ユー・ヤン/ワン・シャオリ(中国、世界1位)対オム・ヘウォン/チャン・イエナ(韓国、世界26位)
タン・ジンフア/シア・フアン(中国、世界29位)対マー・ジン/ツォン・チエンシン(中国、世界213位)
キム・ミンジョン/ハ・ジョンウン(韓国、世界3位)対プーン・ロクヤン/ツェ・インシュー(香港、世界11位)
ツァオ・ユンレイ/ティエン・チン(中国、世界2位)対クリスティナ・ペダーセン/カミラ・リタ・ユール(デンマーク、世界7位)
【混合ダブルス】
チャン・ペンスーン/ゴー・リュウイン(マレーシア、世界9位)対クリス・アドコック/イモジェン・バンキア(英国、世界17位)
タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル(インドネシア、世界4位)対ネーサン・ロバートソン/ジェニー・ウォールワーク(英国、世界19位)
ヨアキム・フィッシャー・ニールセン/クリスティナ・ペダーセン(デンマーク、世界3位)対トーマス・レイバーン/カミラ・リタ・ユール(デンマーク、世界6位)
シュー・チェン/マー・ジン(中国、世界2位)対アレクサンドロ・ニコラエンコ/バレリ・ソロキナ(ロシア、世界14位)