全英オープンSSプレミア決勝、日本の廣瀬栄理子選手と藤井瑞希・垣岩令佳組はいずれも中国のシード選手に敗れ、優勝を逃した。ただ、今年101回目を迎えた伝統あるこの大会での準優勝は、日本選手にとって女子シングルスで32年ぶり、女子ダブルスで20年ぶりという快挙となった

1979年の近藤沙織選手(準優勝)以来となる女子シングルス決勝進出を果たした廣瀬選手(世界ランク17位)は、第1シードのワン・シーシャン選手(中国、世界1位)に挑み、22-24,18-21で惜しくも敗れた。しかし、第1ゲームではゲームポイントを2度握り世界1位を瀬戸際まで追い詰め、第2ゲームではリードされた場面でもあきらめず食らいついていく姿勢を示した

91年の陣内貴美子・森久子組(準優勝)以来の女子ダブルス決勝進出となった藤井・垣岩組(世界9位)は、第3シードのユー・ヤン/ワン・シャオリ組(中国、世界3位)と対戦。全英決勝独特の雰囲気にも飲まれ2-21,9-21と完敗したが、ドイツオープングランプリ(GP)ゴールド優勝、全英オープンSSプレミア準優勝と2週連続で結果を残した
廣瀬、藤井、垣岩の3選手は、アスリートととして試合に全力で取り組む姿を見せることで、今回の大地震と津波で被災した日本の人たちを勇気づけたいとコメントしていた
なお、ここに掲載している廣瀬選手と藤井・垣岩組の表彰式での写真は、地震と津波で大変な思いをしている日本の人に選手の笑顔を届けたい、との呼び掛けに応じ、ドイツ人写真家のスベン・ハイゼ(Sven Heise)氏が進んで提供してくれたもの
一方、今大会最も注目を集めた、昨年の覇者、リー・チョンウェイ選手(マレーシア)とリン・ダン選手(中国)の男子シングルス頂上対決。期待に違わぬ息詰まる接戦となり、リー選手が21-17,21-17で競り勝ち、大会2連覇とともに、1月の韓国オープンSSプレミア決勝の雪辱を果たした。リー選手がリン選手を相手にストレート勝ちを収めるのは、2009年のスイスオープン以来となる
決勝の結果
【男子シングルス】 リー・チョンウェイ(マレーシア、世界1位)〈21-17,21-17〉リン・ダン(中国、世界3位)
【女子シングルス】 ワン・シーシャン(中国、世界1位)〈24-22,21-18〉廣瀬栄理子(世界17位)
【男子ダブルス】 マシアス・ボー/カールステン・モゲンセン組(デンマーク、世界1位)〈15-21,21-18,21-18〉クー・ケンケット/タン・ブンヒョン組(マレーシア、世界5位)
【女子ダブルス】 ユー・ヤン/ワン・シャオリ組(中国、世界3位)〈21-2,21-9〉藤井・垣岩組(世界9位)
【混合ダブルス】 シュー・チェン/マー・ジン組(中国)〈21-13,21-9〉スッケー・プラパカモン/サラリー・トゥントーンカム組(タイ、世界4位)