マレーシアオープンＳＳ準々決勝、男子シングルスの田児賢一選手、男子ダブルスの平田典靖・橋本博且組、女子ダブルスの松尾静香・内藤真実組がベスト４に名乗りを上げた
松尾静香・内藤真実組は、昨年のこの大会の１回戦で敗れた台湾チェン・ウェンシン／チエン・ユーチン組と対戦。第１ゲームを中盤以降、台湾ペアに競り負ける形で17-21で落とすが、第２ゲームは逆に主導権を握り21-12で取り返す。ファイナルゲームは終盤まで競り合いとなり、台湾ペアが19-18とリードする。しかし次の長いラリー２つを制した松尾・内藤組が逆転に成功。最後の１点も取って21-18で勝利。日本勢で最初に準決勝進出を決めた
松尾・内藤組は試合直後、BadPaL の取材に応じ、ファイナルゲームの最後の数ポイントは、互いに攻守を変えての長いラリーを制した勝負のカギとなったが、「今回はレシーブより攻めのラリーの方が自信を持って臨めた」（松尾選手）という
第１ゲームを取られた後の切り替えについては、「球が見えてきていたので、第２ゲームに入る際の焦りはなかった」と話し、さらに、エンドが変わるとチェン・ウェンシン選手の球が遅く感じられたという
準決勝は、最新の世界ランキングで日本の３ペアの上をいく世界３位に浮上した韓国のキム・ミンジョン／ハ・ジョンウン組との対戦となる。松尾・内藤組にとって、過去５戦５敗と相性の良い相手ではない。松尾選手は、「（ラリーが）長くなることが予想されるが、こちらのショットで相手をどれだけ崩せるかがカギになると思う」と述べた。内藤選手は「打ち分けがうまいペアで、一度も勝ったことはないが、ここまできたら自分たちのプレーをして食らいついていきたい」と意気込みを語った
男子ダブルスの平田典靖・橋本博且組の試合は、今年の初戦、韓国オープンＳＳプレミア１回戦で不覚を取った、韓国の若手キム・ギジョン／ キム・サラン組との再戦となった。第１ゲームを15-21で落とした後の第２ゲーム、１点ずつを取り合う展開から平田・橋本組が終盤、19-16と抜け出したかに見え た。しかしここから４連続得点を許してしまい、逆にマッチポイントを握られる。ところがこの追い詰められた状況で平田・橋本組が粘りを見せ、２ 度のマッチポイントをしのぐと、その勢いのまま24-22でこのゲームを奪い返した。ファイナルゲームはさらに緊迫したゲームとなり、日本ペアはリードしても自らのミスで得点を献上する悪い流れもあってなかなか引き離せず、最小得点差のまま17-18までせめぎ合う。しかしここから３連続得点でマッチポ イントを迎え、最後は21-19で１時間を超えた接戦に幕。平田・橋本組がリベンジに成功した
平田・橋本組は試合後、 BadPaL に対し、アウトするミスが多かった点について、「シャトルのコントロールがうまくいかず、自分のドライブが沈まなかった」（平田選手）と述べた。とりわけ ファイナルゲームは文字通り１点を争うギリギリのせめぎ合いが続いたが、「韓国で負けた相手ということで意識はしたが、特に緊張はしな かった」（橋本選手）という
平田・橋本組は準決勝で、台湾のファン・チエミン／リー・シェンム組と決勝進出を争う。過去の対戦成績は、４戦して一度も勝ち星なし
男子シングルスの田児賢一選手の相手は、格上のインドネシア、シモン・サントソ選手。通算対戦成績は田児選手の１勝２敗ながら、昨年５月の男女混合国別対抗戦スディルマンカップでは、田児選手が21-15,21-9で勝ち、試合内容でも圧倒していた。この日は、第１ゲーム序盤こそ競り合うが、田児選手が試合全般をコントロール。とりわけ第２ゲームはほぼ一方的な展開となり、12-7の場面からは一段加速して７連続得点を上げるなど、田児選手の強さばかりが際立つ試合内容となった
準決勝の相手は、２年前の全英オープンＳＳで勝利して以来の対戦となる中国チェン・ジン選手
一方、準々決勝に進出したこのほかの日本選手は、男子シングルスの佐々木翔選手が、中国トップの中でまだ勝ったことのない世界３位のチェン・ロン選手にストレート負け。男子ダブルスの佐藤翔治・川前直樹組は、初顔合わせとなった韓国３番手のチョ・グンウ／クォン・イグ組に第１ゲームを取りながら逆転負けし、昨年に次ぐベスト４進出を逃した。女子ダブルスの藤井瑞希・垣岩令佳組は、昨年12月のＳＳファイナルで完敗した強打のデンマークペア、クリスティナ・ペダーセン／カミラ・リタ・ユール組にリベンジを挑み、第１ゲームは競り合うが、これを僅差で落とすと、第２ゲームはＳＳファイナル同様、自分たちのプレーをさせてもらえぬまま敗れ、第１シードでのＳＳ初優勝はならなかった
準々決勝の結果
【男子シングルス】 リー・チョンウェイ（マレーシア、世界１位）〈21-9,21-18〉タウフィック・ヒダヤット（インドネシア、世界11位）、チェン・ロン（中国、世界３位）〈21-19,21-17〉佐々木翔（世界６位）、シモン・サントソ（インドネシア、世界８位）〈15-21,9-21〉田児賢一（世界12位）、チェン・ジン（中国、世界５位）〈21-16,20-22,21-6〉ヤン・ヨルゲンセン（デンマーク、世界16位）
【女子シングルス】 ワン・イーハン（中国、世界１位）〈21-13,21-15〉リ・シュエリ（中国、世界８位）、サイナ・ネワル（インド、世界 ４位）〈21-13,21-23,21-13〉ティネ・バウン（デンマーク、世界６位）、ワン・シーシャン（中国、世界３位）〈21-15,21-19〉ユリアン・シェンク（ドイツ、世界７位）、ワン・シン（中国、世 界２位）〈21-15,21-19〉ジアン・ヤンシャオ（中国、世界５位）
【男子ダブルス】 佐藤翔治・川前直樹（世界10位）〈21-17,9-21,14-21〉チョ・グンウ／クォン・イグ（韓国、世界15位）、グオ・ツェンドン／チャイ・ビアオ（中国、世界５位）〈21-16,18-21,21-17〉マルキス・キド／ヘンドラ・セティアワン（インドネシア、世界11位）、平田典靖・橋本博且（世界８位）〈15-21,24-22,21-19〉キム・ギジョン／キム・サラン（韓国、世界34位）、ファン・チエミン／リー・シェンム（台湾、世界13位）〈23-21,21-14〉シェン・イエ／ホン・ウェイ（中国、世界16位）
【女子ダブルス】 藤井瑞希・垣岩令佳（世界４位）〈19-21,9-21〉クリスティナ・ペダーセン／カミラ・リタ・ユール（デンマーク、世界10位）、ウーン・ケーウェイ／フー・ビビアン・カームン（マレーシア、世界21位）〈14-21,4-9棄権〉バオ・イーシン／ツォン・チエンシン（中国、世界33位）、松尾静香・内藤真実（世界６位）〈17-21,21-12,21-19〉チェン・ウェンシン／チエン・ユーチン（台湾、世界７位）、キム・ミンジョン／ハ・ジョンウン（韓国、世界３位）〈21-19,21-10〉ウォン・ペイティ／チン・イエイフイ（マレーシア、世界16位）
【混合ダブルス】 ツァン・ナン／ツァオ・ユンレイ（中国、世界１位）〈21-17,21-19〉アレクサンドロ・ニコラエンコ／バレリ・ソロキナ（ロシア、世界15位）、チャン・ペンスーン／ ゴー・リュウイン（マレーシア、世界11位）〈21-13,14-21,27-25〉ダニー・ベワ・クリスナンタ／ユーヤン・バネッサ・ネオ（シンガポール、世界31位）、タントウィ・アーマ ド／リリアナ・ナッチル（インドネシア、世界４位）〈22-20,21-9〉マニーポン・ジョンジット／サビトリー・アミタパイ（タイ、世界20位）、シュー・チェン／マー・ジン（中国、世界２位）〈21-18,21-12〉イ・ヨンデ／ハ・ジョンウン（韓国、世界７位）
準決勝の組み合わせ
【男子シングルス】 リー・チョンウェイ（マレーシア、世界１位）対チェン・ロン（中国、世界３位）、チェン・ジン（中国、世界５位）対田児賢一（世界12位）
【女子シングルス】 ワン・イーハン（中国、世界１位）対サイナ・ネワル（インド、世界４位）、ワン・シーシャン（中国、世界３位）対ワン・シン（中国、世界２位）
【男子ダブルス】 グオ・ツェンドン／チャイ・ビアオ（中国、世界５位）対チョ・グンウ／クォン・イグ（韓国、世界15位）、平田典靖・橋本博且（世界８位）対ファン・チエミン／リー・シェンム（台湾、世界13位）
【女子ダブルス】 クリスティナ・ペダーセン／カミラ・リタ・ユール（デンマーク、世界10位）対バオ・イーシン／ツォン・チエンシン（中国、世界33位）、キム・ミンジョン／ハ・ジョンウン（韓国、世界３位）対松尾静香・内藤真実（世界６位）
【混合ダブルス】 ツァン・ナン／ツァオ・ユンレイ（中国、世界１位）対チャン・ペンスーン／ ゴー・リュウイン（マレーシア、世界11位）、シュー・チェン／マー・ジン（中国、世界２位）対タントウィ・アーマ ド／リリアナ・ナッチル（インドネシア、世界４位）
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