Day 6 of TUC : Japan makes the final after breaking the Great Wall

トマス・ユーバー杯準決勝、日本男子が、インドネシア越えを狙い6連覇に挑んだ優勝候補筆頭の中国を3対0で下す金星を挙げ、初めて決勝に進んだ。女子も開催国インドの勢いに圧倒されながら逆転で勝利し、男女そろって前2大会の銅メダルを上回る、銀メダル以上に到達した

SF-TAGO

TAGO truly became a dependable vanguard for teammates

先陣を切った田児賢一選手は、ジュニア時代からのライバルで現在世界ランク2位のチェン・ロン選手と対戦。第1ゲーム早々に流れをつかむと、どんどん点差を広げていき、シャトルのコントロールに苦しむチェン選手をあっさり置き去った。第2ゲームも流れは変わらず、硬さの見えるチェン選手に反撃の糸口すらつかませず、21-13,21-11のストレートで快勝した

田児選手は試合後、BadPaL の取材に応じ、開口一番、「トマス杯という大きな舞台で中国のトップ選手に勝ったのだから、もう少し勘違いしていいのかもしれないが、うれしさはそんなに沸いてこない」とぽつり。「日本とは比較にならない中国のバドミントンに対するプレッシャーと期待の大きさに相手がつぶされただけ」と指摘し、笑みは見せなかった。ただ、「2年前のトマス杯準決勝〈https://badpal.net/2012/05/26/japan-gets-a-bit-closer-to-china-but-still-in-bronze/〉で第2シングルス同士で対戦して敗れ、チームも敗退したので、思う所はあった」と述べた

SF-HAYAEN

HAYAKAWA/ENDO finally earned crucial point for Team Japan

田児選手の勝利で1対0とリードした日本の2番手は早川賢一・遠藤大由組。今大会ここまで、いまひとつ乗り切れていない世界ランク3位のエースペアは、1勝4敗と分が悪く、前月シンガポールオープンスーパーシリーズ(SS)で敗れたばかりのホン・ウェイ/チャイ・ビアオ組と対峙した。第1ゲームは序盤から接戦となるが、中盤以降、中国ペアに抜け出され16-20とゲームポイントをつかまれる。しかし早川・遠藤組はこのピンチに動じず、6連続得点を決め逆転でこのゲームを取る。第2ゲームは先行する中国を日本が追う展開で15-18まで進む。早川・遠藤組はここでも4連続得点で逆転に成功。19-19でいったん追いつかれるが、21-19で振り切り、コート上で抱き合い喜びを分かち合った

早川・遠藤組は BadPaL に対し、まず「勝てて率直にうれしい」と試合直後の気持ちを口にした。第1シングルスが勝って日本がリードした状況で出番が回ってきたが、緊張はなかったかと問うと、「田児には悪いが、彼が勝ってプレッシャーが大きくなった」と笑って答えた。第1ゲーム、先にゲームポイントを握られた場面は、「ディフェンスが上手くできていたので、リードされていても大丈夫という自信があった」という。また「同じミスを2度繰り返すなど、中国ペアに硬くなっていた部分があったのでは」と指摘した。一方で2人は、2日前のデンマーク戦で世界ランク下位の相手に負けて、試合のなかったきのうまで、修正箇所を話し合ってきたことを明かした。具体的には、「技術的なことはすぐに直せるものではないので、できる範囲で。それより気持ちの部分で、もう少し自信を持ってもよいのかな、と話した」といい、「今回はそれがうまく機能したと思う」と述べた。その上で、「自分たちはこれまで、出場させてもらった団体戦でチームに貢献できていなかった。この勝利でようやくチームの一員になれた感じ。次も勝って、今度こそチームに貢献したい」と強調した

SF-Kento

Fearless Kento upset No.2 Chinese

ベンチのムードが最高潮に達する中、次にコートに立ったのは桃田賢斗選手。優勝したアジアジュニア選手権団体戦、準優勝だった世界ジュニア選手権団体戦と、ジュニア時代には第1シングルスとして緊張する場面で数多く試合をしてきた日本期待の19歳だが、団体戦では世界最高の舞台であるトマス杯は置かれた状況が異なる。しかも日本の歴史的勝利に直結する場面だけに、平常心を保ってプレーするのは困難と予想された。ところが、桃田選手は試合後、BadPaL に対し、「2対0で回ってきたがプレッシャーはなく、むしろ相手は普通には勝てない格上なので、開き直ってやりやすかった」と平然と言い切った

第1ゲームは接戦となり、とりわけ後半は文字通り1点を争う攻防で20-20までいく。桃田選手はその後、3度ゲームポイントをつかむが世界6位のドゥ・ペンユ選手に凌がれ、逆に23-25で落としてしまう。優位に進めていた接戦を落としたことで精神的なダメージが心配されたが、第2ゲームは2-2以降、一度もリードを譲ることなく取り返す。迎えたファイナルゲームも中盤に少しもみあったものの、9-9からじりじりと点差を広げていき、21-14で勝利。中国戦の歴史的勝利を確定すると同時に、日本チームとして史上初のトマス杯決勝進出を決めた

桃田選手は試合直後、興奮冷めやらぬチームメイトやコーチ陣から離れて、BadPaL の取材に応じ、僅差で落とした第1ゲームについて、「取れていれば良かったが、相手を見ると顔が疲れているのが分かったので、次のゲームに入るのにそれほど影響はなかった」と明かした。また、1時間25分に及ぶ長い試合となったが、「フィジカル的には問題なかった。ラリーが長く続いても主導権はこちらにあり、自分から仕掛けていることが多かったので、さほど疲れなかった」という

また、「(2対0で回ってきて)後ろにリン・ダン選手らが控える中国に勝つには3対0しかない」とはっきり自覚していたことを確認しながらも、「先輩たちのおかげで、勝てばヒーローになれるおいしい場面に立てた。ごっつぁんゴールを決めさせてもらった感じ」と述べ、満面の笑みを見せた。ただ、中国に勝ったことは特別な意味を持つか、と外国メディアに尋ねられると、「優勝を目標に勝ちに来ているので、中国を倒したこと、決勝に進むことがことさら特別な意味を持つとは思わない」と冷静に答えた

LIN Dan and TIAN Houwei

LIN Dan,TIAN Houwei and LI Yongbo

敗戦の将となった中国チームのヘッドコーチ、リ・ヨンボ氏は試合後、敗因は選手のメンタルの部分と指摘しながら、前大会に続いて、日本が強くなっていることに言及。中国を破った日本がトマス杯を制すると予想した

なおこの試合、出番の回ってこなかったオリンピック2連覇、世界選手権5回制覇の中国リン・ダン選手は、同じトマス杯男子シングルスのメンバーである次代を担う22歳のティエン・ホウウェイ選手に、田児選手とチェン・ロン選手の試合を見ながらしきりに話し掛けていた

トマス杯準決勝の結果

中国(D組1位)0―3日本(B組1位)

【第1シングルス】 チェン・ロン〈13-21,11-21〉田児賢一

【第1ダブルス】 ホン・ウェイ/チャイ・ビアオ〈20-22,19-21〉早川賢一・遠藤大由

【第2シングルス】 ドゥ・ペンユ〈25-23,18-21,14-21〉桃田賢斗

【第2ダブルス】 フー・ハイファン/ツァン・ナン〈打ち切り〉園田啓悟・嘉村健士

【第3シングルス】 リン・ダン〈打ち切り〉佐々木翔

準決勝もう一方の山では、男子シングルス世界1位のリー・チョンウェイ選手を擁するマレーシアが、この大会第1シードに入ったインドネシアを3対0で破り、決勝に進んだ。とりわけ、この大会のためにペアを再結成した、タン・ブンヒョン/フーン・ティエンハウ組が世界1位のインドネシアエースペア、ヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン組をフルゲームの末に下したのが大きかった

インドネシア(A組1位)0―3マレーシア(C組1位)

【第1シングルス】 トミー・スギアルト〈19-21,13-21〉リー・チョンウェイ

【第1ダブルス】 ヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン〈19-21,21-8,21-23〉タン・ブンヒョン/フーン・ティエンハウ

【第2シングルス】 ディオニシウス・ハヨム・ルンバカ〈10-21,17-21〉チョン・ウェイフェン

【第2ダブルス】 ライアン・アグン・サプトラ/アンガ・プラタマ〈打ち切り〉タン・ウィーキョン/ゴー・ウェイシェム

【第3シングルス】 シモン・サントソ〈打ち切り〉ダレン・リュー

 

一方、日本女子の相手は、準々決勝でインドネシアを倒した開催国インド。シングルスの2本柱、2012年ロンドン五輪銅メダルのサイナ・ネワル選手と2013年世界選手権銅メダルのプサルラ・ヴェンカタ・シンドゥ選手、それに2011年世界選手権で銅メダルを手にしたジュワラ・グッタ/アシュウィニ・ポンナッパ組を軸にここまで勝ち上がってきた

第1シングルスの三谷美菜津選手は、前回対戦した昨年12月のSSファイナルでネワル選手を破ったが、この日は、自国開催で負けられないインドのエースが奮起。三谷選手は力及ばず12-21,13-21のストレートで敗れ、日本代表として参加した団体戦(ユーバー杯、スディルマン杯)で初黒星を喫した

第2シングルスの高橋沙也加選手は、2012年に1度、シンドゥ選手に勝っているが、その後は対戦機会がなく、今回が2度目の顔合わせ。第1ゲームは序盤を高橋選手、中盤をシンドゥ選手がそれぞれリード。終盤逆転に成功した高橋選手が21-19で取る。第2ゲームも高橋選手の主導で17-15までいくが、ここから連続得点を決められ18-21で落とす。ファイナルゲームに入ると勢いづいたシンドゥ選手に17-19と終盤リードを許すが、あきらめない高橋選手は3連続得点で逆転し勝利まであと1点に迫る。しかし追い抜かれ。ここから相手のマッチポイントを4度凌いだものの、5度目は防げず、24-26で力尽きた

SF-MATSUTAKA

Misaki/Ayaka proved their strength even in an unfavorable atmosphere

シングルス2人が敗れ後のない状況で出番の回ってきた高橋礼華・松友美佐紀組は、一層盛り上がりを見せるインドの応援に「きのうまでとは雰囲気が違った」と感じたといい、第1ゲーム序盤、グッタ/ポンナッパ組の勢いに押される。しかし徐々に本来の調子を取り戻すと、中盤以降一気に抜け出し21-12で先制する。第2ゲームもそのままいくかと思われたが、インドペアが盛り返し、加えて松友選手が試合後、「インドの応援が目に入るコートに入った時(第2ゲーム)、気圧された」と明かした通り、冷静さを欠くプレーが散見され、20-22で落としてしまう。この流れのまま、ファイナルゲーム前半はインドペアにリードを許すが、前半終了間際に逆転し11-9で折り返すと、後半は地力の差を見せじりじりと引き離していき21-16で勝利。エースペアの役割をしっかり果たし、次の第3シングルスにバトンを引き継いだ

高橋・松友組は試合に入る時の心境を、「0対2で回ってくるとは思っていなかった」としながらも、「ただ、プレーにはそんなに影響しなかった」と説明した。対戦相手については、「やったことのない相手でやりにくいと思っていた。一次リーグから準々決勝までの4試合全勝で来ており、勢いに乗っていた」と指摘。それでも、「団体戦で後がない状況だったので、悪いなりにも立て直せて、勝てて良かった」と安ど感を示した

SF-Eriko

Eriko recovered from sickness and delivered another point for Japan

第3シングルスにエントリーされたのは、一次リーグ2戦目以降、出場機会のなかった廣瀬栄理子選手。廣瀬選手自ら BadPaL に明かしたところでは、最後に第2シングルスとして試合に出たマレーシア戦の時から体調を崩し、実はコートに立てる状態ではなかったという。「チームのみんなに迷惑をかけた。体調を崩したことで少し不安もあった」というが、この日は、格下の相手を寄せ付けない安定した試合運びで快勝。きっちりチームに貢献した

廣瀬選手は試合後、BadPaL に対し、「後のない状況でプレッシャーはもちろんあった。ただ想定していたことで、経験もあり準備はできていた」と、経験豊富なベテランらしい言葉を返した。また、「団体戦では強い人の方にプレッシャーがかかることが多く、普段通りのプレーができないが、1ポイントをチームにもたらすことができてうれしい」と笑顔を見せた。なお、高橋・松友組がプレーにも影響を受けたインドの強烈な応援は、「ゲームに集中していて、目に入らなかった(笑)」という。あすの中国との決勝について聞くと、「ぜひ出たい。優勝を目標にしているので、起用されたら1勝してチームに貢献したい」と力強く語った

SF-MAEKAKI

Miyuki/Reika wrapped up with a big smile

0対2から2対2のタイに戻した日本は、最終種目第2ダブルスの前田美順・垣岩令佳組にチームの命運を委ねた。対するインドは、チームをけん引するシングルスの2人、サイナ・ネワル選手とプサルラ・ヴェンカタ・シンドゥ選手を組ませ、いちかばちかの勝負を仕掛けてきた

前田・垣岩組は、第1ゲーム前半こそとまどいからか精彩を欠き、リード許す場面があったものの、次第に世界5位の実力を発揮。個々の能力は高くとも、ペアとしてはぎこちない動きを隠せない相手に徐々に何もさせなくなり、21-14,21-11で快勝。チームの逆転勝利を決めると同時に、目標にしていた銅メダル越えを果たし、1981年の東京大会以来となるユーバー杯決勝への切符を手にした

前田・垣岩組の試合後の第一声は、「良かった」。最初は「2対2で回ってきて緊張した。シングルスの2人が相手で、どんな球を打ってくるのか分からなかった」という。それでも、「ダブルス特有の速いドライブや前に球を集める戦略で徐々に打開できた」とこの日の試合を振り返った。さらに、「先に試合の行われた男子が中国を破るのをテレビで見ていて、勇気をもらった」と強調した。あすの決勝については、「中国と決勝で対戦するのは合宿の時から狙っていたこと。しっかり向かっていきたい」とコメントした

ユーバー杯準決勝の結果

日本(Z組1位)3―2インド(Y組1位)

【第1シングルス】 三谷美菜津〈12-21,13-21〉サイナ・ネワル

【第2シングルス】 高橋沙也加〈21-19,18-21,24-26〉プサルラ・ヴェンカタ・シンドゥ

【第1ダブルス】 高橋礼華・松友美佐紀〈21-12,20-22,21-16〉ジュワラ・グッタ/アシュウィニ・ポンナッパ

【第3シングルス】 廣瀬栄理子〈21-14,21-15〉P.C.スラシ

【第2ダブルス】 前田美順・垣岩令佳〈21-14,21-11〉サイナ・ネワル/プサルラ・ヴェンカタ・シンドゥ

前々回大会、前回大会の決勝と同じカードになった準決勝のもうひと試合は、中国が3対0で韓国を完封。1984年以降、16大会連続で決勝に駒を進めた

中国(W組1位)3―0韓国(X組1位)

【第1シングルス】 リ・シュエリ〈21-11,21-19〉ソン・ジヒョン

【第1ダブルス】 タン・ジンフア/バオ・イーシン〈21-11,21-12〉チャン・イエナ/キム・ソヨン

【第2シングルス】 ワン・シーシャン〈21-13,16-21,21-10〉ベ・ヨンジュ

【第2ダブルス】 ワン・シャオリ/ツァオ・ユンレイ〈打ち切り〉キム・ハナ/チョン・ギョンウン

【第3シングルス】 ワン・イーハン〈打ち切り〉キム・ヒョミン

 

most promising player

Akane YAMAGUCHI : 2013 the most promising player

世界バドミントン連盟(BWF)はこの日、夕食会を催し、その席で2013年に最も活躍した選手の表彰を行った。3つの部門からなる賞のうち、「最も有望な選手」には、同年9月のジャパンオープンでSS優勝最年少記録を打ち立て、11月にタイ・バンコクで開催された世界ジュニア選手権を制した山口茜選手が選ばれた。この賞は昨年、桃田賢斗選手に授与されており〈https://badpal.net/2013/05/18/night-before-sudirman-kento-awarded-promising-player/〉、日本の若手による連続受賞となった。このほか、最優秀男子選手にはマレーシアのリー・チョンウェイ選手、最優秀女子選手には中国のリ・シュエリ選手がそれぞれ選ばれた

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