No Japanese wins Japan Open yet

ジャパンオープンSS決勝、女子シングルスの廣瀬栄理子選手と女子ダブルスの松尾静香・内藤真実組がタイトル獲得に挑んだが、決勝の舞台で最高のパフォーマンスを出すことは叶わず、期待された日本選手のチャンピオン誕生は来年以降に持ち越しとなった

中国選手全員の出場辞退という異例な状況下で行われた今回のジャパンオープンでは、男子シングルスを除く4種目の優勝者がいずれもSS初制覇の若手で、4年後のリオデジャネイロ五輪に向けた新たなスタートを印象付けた

Great start to Rio for 18y/o Taipei girl

廣瀬選手は、弱冠18歳ながら今大会、準々決勝でラッチャノク・インタノン選手(世界10位)、準決勝でソン・ジヒョン選手(世界8位)と、タイと韓国のエースを倒して決勝に進んだタイ・ツーイン選手(台湾)から、準決勝までの勢いそのままに大差で第1ゲームを奪う。しかしエンドの変わった第2ゲームを落とすと、ファイナルゲームでは、一段加速したタイ選手のスピードに徐々についていけなくなり、念願のSS優勝目前で涙を飲んだ

タイ選手は試合後、SS初優勝のうれしさを表現するとともに、ロンドン五輪後初の大会で勝ちを強く意識しなかったこと、今年に入り廣瀬選手に2連敗していたことで、「プレッシャーなくリラックスして試合に臨めたことが、良いプレーにつながったのでは」と勝因を語った。その上で、ジャパンオープンを新たな4年のスタートと位置付け、2016年のリオデジャネイロ五輪を明確な目標に据え、既に走り始めたことを確認した

Eriko is disappointed but promises to keep challenging the World

一方、廣瀬選手は「非常に悔しい」とコメント。2011年全英オープンSSプレミアに続いて準優勝に終わったことへの失望の気持ちを隠さなかった。また、国内外を問わず下から(若手)の突き上げがますます強まってきているが、これまでと変わらぬ挑戦する立場で今後も上を目指していくと強調。所属企業のバドミントン撤退が取りざたされる中、競技環境の変更を余儀なくされることも予想されるが、BadPaL に対し、「今後も国際大会への参戦を続けていきたい」と、自らが進むべき方向を明確に示した

Mami/Shizuka ends up Runner-up

松尾・内藤組は、準決勝で末綱聡子・前田美順組を破った香港のプーン・ロクヤン/ツェ・インシュー組と対戦。世界ランクは下位ながら、ともにシングルスもこなす香港選手の強打に押し込まれる場面が続き、松尾選手が試合後、「守りに回る時間が長すぎた」と語ったように、なかなか攻めに転じることができず、第1ゲームを落とす。第2ゲームも10-15とリードを許すが、ここから攻め急ぎの見え始めた香港ペアにねばりのレシーブで対抗。16-16と追いつくと、終盤は一進一退の展開に。それでも最後まで主導権を握ることはできず、20-22で敗れ準優勝に終わった

Being patient is the key to win Japanese pairs

プーン/ツェ組は試合終了直後、取材に応じ、「夢のよう。優勝したことが信じられない」と笑顔で語り、率直に喜んだ。これまで負け越していた日本のトップペア2組に準決勝、決勝と連勝できた秘訣について、「準決勝の末綱・前田戦、決勝の松尾・内藤戦ともに、日本ペアとの対戦では粘り負けしないよう心がけて試合に臨んだ」と明かした

松尾・内藤組は「決勝まで進んだからには優勝したかったので悔しい」「勝てるチャンスのある相手だった」と厳しい表情で試合を振り返った。その反動か、この後に控える日本リーグ(チーム戦)と全日本総合選手権(個人戦)では、はっきり「優勝する」と意気込んだ。ただ敗れたとはいえ、松尾・内藤組にとってSS準優勝は、2010年デンマークオープンに並ぶ最高成績。しかもジャパンオープンでの決勝進出はこれまで末綱・前田組しか達成しておらず、今回、五輪代表組を上回る結果を残し、存在をしっかりアピールした

Still on learning process, they insist

混合ダブルスと男子シングルの2種目は、ともに今大会第1シードに入ったマレーシア選手が優勝した。とりわけ混合ダブルスのチャン・ペンスーン/ゴー・リュウイン組にとっては初のSSタイトルで、試合直後の第一声は「何といっていいか分からないほどうれしい」。今大会全体を振り返ると、「1試合1試合、経験値を積んでいき、気持ちのコントロールがうまくできるようになり、良いレベルでのプレーを保てた」という

マレーシア国内ではリー・チョンウェイ選手、クー・ケンケット/タン・ブンヒョン組の後に続く世界で戦える選手として、これまで以上に期待が高まることが予想される。この点については、「期待してもらえるのはうれしいこと。プレッシャーに押しつぶされないようにしながら、期待に応えられるよう全力で努力する」と力強く述べた

また、BadPaL が初めて参戦したロンドン五輪で学んだことを尋ねると、「ほかの大会とは比べ物にならないほどプレッシャーが強く、その中でどのように気持ちをコントロールするか。そして、ほかの選手の五輪に向けた準備の仕方」の2点を上げた

Third title of Japan Open

男子シングルスのリー・チョンウェイ選手は、「五輪後、十分な練習を積めなかった」としながらも、6月のシンガポールオープンSSで優勝したタイのブーンサック・ポンサナ選手をストレートで下し、2007、10年に次ぐ3度目のジャパンオープンのタイトルを手にした。

デンマークのピーター・ゲード、インドネシアのタウフィック・ヒダヤット、韓国のチョン・ジェソンら、ベテラン選手の引退表明が相次ぐ中、リー選手の今後の動向も気になるところ。来年のジャパンオープンについては「引退していなければ必ず出場する」と述べた。リー選手は現時点で、次なる目標を未だタイトルを手にしていない世界選手権(2013年8月)に置いている

KIMs are ready for facing tough competition in Korea

マレーシアからは、男子ダブルス決勝にもクー・ケンケット/タン・ブンヒョン組が進んだ。しかしここまで、日本ペア3組を連破して勝ち上がってきた韓国のキム・サラン/キム・ギジョン組の勢いを止めることはできず、ストレート負けを喫した

SS初優勝のキム/キム組は試合後、初めて顔を合わせた1月のマレーシアオープンSSで勝利していたことで、格上ながらクー/タン組との対戦には自信があったと明かした。その上で、4月のアジア選手権に続く大きなタイトルを手にしたことは今後につながると語った

男子ダブルス強国の韓国では、ロンドン五輪の後、イ・ヨンデ選手と組んで銅メダルを獲得したベテラン、チョン・ジェソン選手が引退。上位ペアの組み換えもあることで、さらなる競争の激化が予想される。しかしキム/キム組は、「逆に自分たちにとっては、チャンスと考えている」と述べ、国内での勝ち残りにも自信を見せた

各種目決勝の結果

【男子シングルス】 リー・チョンウェイ(マレーシア、世界2位)〈21-18,21-18〉ブーンサック・ポンサナ(タイ、世界25位)

【女子シングルス】 タイ・ツーイン(台湾、世界12位)〈9-21,21-9,21-14〉廣瀬栄理子(世界21位)

【男子ダブルス】 クー・ケンケット/タン・ブンヒョン(マレーシア、世界7位)〈16-21,19-21〉キム・サラン/キム・ギジョン(韓国、世界16位)

【女子ダブルス】 松尾静香・内藤真実(世界11位)〈17-21,20-22〉プーン・ロクヤン/ツェ・インシュー(香港、世界21位)

【混合ダブルス】 チャン・ペンスーン/ゴー・リュウイン(マレーシア、世界8位)〈21-12,21-19〉ムハンマド・リジャル/リリアナ・ナッチル(インドネシア)

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