
スーパーシリーズ(SS)ファイナル(12月14~18日)の出場資格取得者が1日、正式に確定し、日本からは男子シングルスを除く4種目に合わせて9人が入った。注目は、今シーズン最終戦、香港オープンでSS初優勝を果たし、SSランキング1位で初めてドバイに乗り込む男子ダブルスの園田啓悟・嘉村健士組だ
園田・嘉村組は、リオデジャネイロ五輪出場権を争う大事な今シーズン最初のSS3大会(全英、インド、マレーシア)でふるわず、早々に夢破れた。しかしその後、五輪レース中最後のSSとして臨んだシンガポールオープンで開眼。優勝は逃したものの、初めて表彰台に上ると、続く7大会中6大会でベスト8以上と安定した結果を残し、第11戦チャイナオープンを終えた時点でSSランクを3位としてファイナル出場を確定させた
第12戦の香港オープン、最終日まで勝ち残った嘉村選手に話を聞くと、年間SSランク1位でファイナルに出場したい本音をのぞかせた。そして、勝てば1位、負ければ2位となる決勝に見事勝利。リオ五輪で銀メダルを獲得するなど今年躍進したマレーシアのゴー・ウェイシェム/タン・ウィーキョン組を最後に抜き去り、2016年のSS1位に立った
園田選手は、日本の男子ダブルスで2011年にSS初優勝を遂げた平田典靖・橋本博且組、優勝こそないが12年SSファイナルを含むSS決勝のコートに何度も上がった早川賢一・遠藤大由組という先輩ペアを追い抜きたい気持ちがモチベーションの大きな部分を占めると明かす。初めて出場するSSファイナルでは、準優勝の実績を持つ「早川・遠藤越え」にも挑む

女子ダブルスの高橋礼華・松友美佐紀組は、安定の1位確保。シーズン初戦の3月全英オープンSSプレミアで優勝した時から、一度もトップの座を譲ることなく、1年を駆け抜けた
SSファイナルでは、2014年に日本史上初優勝の快挙を成し遂げた後、15年は準決勝で中国ルオ・ユー/ルオ・イン組に敗れ、ベスト4にとどまった。16年は、悲願のリオ五輪金メダルに続き、SSファイナルの金メダルも手中に収め、国際大会優勝7回(五輪1回、SSプレミア3回、SS1回、アジア選手権1回、グランプリゴールド1回)という、日本ではもちろん、世界的に見ても突出した成績を収めた充実の1年を締めくくりたい

女子ダブルスではもう1ペア、福万尚子・與猶くるみ組がSS5位に入り、前田美順・垣岩令佳組の出場辞退により繰り上がりで初出場した昨年に次いで、2度目のSSファイナル挑戦権をつかんだ。リオ五輪出場を僅差で逃し、日本代表のチームメイトにして最強のライバルでもある高橋・松友組の五輪金メダルを目の当たりにした思いを、今年最後のメジャー大会にぶつける

昨年、日本が桃田賢斗、奥原希望両選手でタイトルを独占したシングルス。今年は日本から、山口茜選手のみの出場となる。ベスト8に終わったリオ五輪の後、「SSベスト8の次」を自らの課題とし、シーズン後半に行われたSS6戦で、優勝2回、ベスト4が1回、べスト8が3回という好結果を残し、台湾タイ・ツーイン選手に次ぐ堂々2位で今シーズンのSS全12戦を終えた
初出場を果たした2014年は、SS9位ながら同1位中国リ・シュエリ選手の負傷出場辞退により滑り込み、いきなりベスト4に入った。翌15年はSS10位からやはりリ・シュエリ選手の辞退で1つ繰り上がるも、1つ届かず次点に終わった。2年ぶり2度目の出場となる今回、「勝っても負けても強い選手と3試合できる、楽しみな大会」と称する今年最後の大舞台を、自分らしく満喫できれば、負傷のため出場を逃した奥原選手に代わって、タイトルを持ち帰ることも可能だ

混合ダブルスでは、数野健太・栗原文音組が出場最終枠、8ペア目のポジションを守った。ほかの7ペアは、昨年のSSファイナルから香港オープンまでの1年で優勝実績のあるSSタイトルホルダーばかりで、苦戦は必至。ただ、リオ五輪でも下馬評を覆す活躍を見せ、一次リーグを突破し、この種目、日本勢では過去最高のベスト8に入った2人。南米リオに続いて中東ドバイでも周囲を驚かせることができるか
SSファイナルは、各種目上位8人/ペアのみに出場機会が与えられるインビテーショナル大会。出場枠は、各国・地域ごとに各種目2つまで。昨年より、その年の世界選手権または五輪の優勝者(※)でSSランク20位内にいる選手/ペアには、特別出場枠(ワイルドカード)が付与される
世界バドミントン連盟(BWF)はこの後、対象となる国・地域の競技団体に資格取得選手の出場意思を確認。負傷などによる辞退者が出れば、次点以降の選手を繰り上げる
◆第12戦(最終戦)終了時点の年間SSランキング(※はリオ五輪の金メダリスト)
【男子シングルス】
1) ヤン・ヨルゲンセン (Denmark-1) 65440 pts
2) ソン・ワンホ (Korea) 60390 pts
3) ティエン・ホウウェイ (China-1) 57410 pts
4) ウン・カロン (HongKong-1) 51960 pts
5) ビクター・アクセルセン (Denmark-2) 46820 pts
6) マーク・ツイブラー (Germany) 44770 pts
7) ハンス・クリスチャン・ビッティングス (Denmark-3) 44380 pts
8) リー・チョンウェイ (Malaysia) 43510 pts
五輪金=ワイルドカード※15) チェン・ロン (China-2) 33100 pts
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▼次点=9) フ・ユン (HongKong-2) 42570 pts
【女子シングルス】
1) タイ・ツーイン (Taiwan) 78900 pts
2) 山口茜 (Japan) 69110 pts
3) スン・ユ (China-1) 56150 pts
4) ソン・ジヒョン (Korea) 54960 pts
5) ラッチャノク・インタノン (Thailand) 54450 pts
6) ホー・ビンジャオ (China-2) 52030 pts
※7) カロリナ・マリン (Spain) 46660 pts
8) プサルラ・ヴェンカタ・シンドゥ (India-1) 46290 pts
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▼次点=9) サイナ・ネワル (India-2) 43120 pts
【男子ダブルス】
1) 園田啓悟・嘉村健士 (Japan) 62790 pts
2) ゴー・ウェイシェム/タン・ウィーキョン (Malaysia) 62630 pts
3) ホン・ウェイ/チャイ・ビアオ (China-1) 57920 pts
4) ギデオン・マルクス・フェルナルディ/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ (Indonesia-1) 57610 pts
5) リッキー・カランダ・スワルディ/アンガ・プラタマ (Indonesia-2) 52320 pts
6) リュウ・ユーチェン/リ・ジュンフイ (China-2) 47710 pts
7) マッズ・コンラド・ペターセン/マッズ・ピーラー・コルディング(Denmark-1) 45110 pts
8) マシアス・ボー/カールステン・モゲンセン (Denmark-2) 43410 pts
五輪金=ワイルドカード※15) フー・ハイファン/ツァン・ナン (China-3) 30660 pts
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9) アナース・スカールプ・ラスムセン/キム・アストルプ・ソレンセン (Denmark-3) 42290 pts
10) ヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン (Indonesia-3) 34790 pts
▼次点=11) ワン・チリン/チェン・フンリン (Taiwan) 32360 pts
【女子ダブルス】
※1) 高橋礼華・松友美佐紀 (Japan-1) 83010 pts
2) クリスティナ・ペダーセン/カミラ・リタ・ユール (Denmark) 65270 pts
3) チョン・ギョンウン/シン・スンチャン (Korea-1) 62980 pts
4) チャン・イエナ/イ・ソヒ (Korea-2) 58550 pts
5) 福万尚子・與猶くるみ (Japan-2) 55240 pts
6) グレイシア・ポリー/ニトヤ・クリシンダ・マヘスワリ (Indonesia) 49180 pts
7) ルオ・ユー/ルオ・イン (China-1) 45530 pts
8) 松尾静香・内藤真実 (Japan-3) 43890 pts
9) チェン・チンチェン/ジア・イーファン (China-2) 41390 pts
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▼次点=10) ウーン・ケーウェイ/フー・ビビアン・カームン (Malaysia) 37340 pts
【混合ダブルス】
1) コ・ソンヒョン/キム・ハナ (Korea) 76110 pts
2) ルー・カイ/ホワン・ヤチオン (China-1) 64600 pts
3) ヨアキム・フィッシャー・ニールセン/クリスティナ・ペダーセン (Denmark) 56860 pts
4) ツェン・シウェイ/チェン・チンチェン (China-2) 55660 pts
※5) タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル (Indonesia-1) 54530 pts
6) プラビーン・ジョーダン/デビー・スサント (Indonesia-2) 54380 pts
7) クリス・アドコック/ガブリエル・アドコック (England) 49330 pts
8) 数野健太・栗原文音 (Japan) 46420 pts
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▼次点=9) リー・チュンヘイ/チャウ・ホイワー (HongKong) 41660 pts