
トマス・ユーバー杯2日目、日本はこの日、女子が初戦に臨み、会場の風やシャトルへの対応に苦慮する場面はあったものの、ドイツ相手に完勝。前日の男子に続いて白星スタートを切った。一番手の三谷美菜津選手が第1ゲームを失う波乱の出だしとなるが、第2、3ゲームをしっかり取って先勝すると、第1ダブルスの高橋礼華・松友美佐紀組がつなぎ、第2シングルスに起用された廣瀬栄理子選手で早々に勝利を確定させた。続く前田美順・垣岩令佳組、さらにユーバー杯デビューの山口茜選手も危なげなく勝ち、日本は5対0で初戦を終えた
今大会、初めてキャプテンを務める前田選手は BadPaL に対し、「今まで(キャプテンを務めてきた)先輩たちを見てきた。所属の違う、個性の強い選手が集まっているのでそこは尊重しながら、ただ、まとまらなければいけないところはまとめる」という姿勢で臨んでいることを説明した。
これに対し、ほかの選手からは「言葉で伝えるのはそんなに上手くないと思う。ただ合宿が終わってみんな集まったところで、おそろいのシャツを買ってきてくれたり、そういう部分でチームをまとめようとしているのがしっかり伝わってくる」(垣岩選手)。「引っ張ってくれる頼りになる姉さん的な存在。そんな前田キャプテンの下で、負けたくないという気持ちでみんながまとまれば勝てると思う」(高橋礼華選手)といった反応が返ってきた
この日、試合に出場した選手のコメントは以下の通り

三谷選手:「横風があってやりにくかった。相手のことは、実際に試合などを見たことはないが、2月のドイツオープンでタイのポーンティップ選手(世界9位)に勝っていたりしたので、油断することなくしっかり準備していた。(前回の第3シングルスから第1シングルスになったことについて)、3番目の方が、回ってきたらやるだけだったのでやりやすかった(笑)」
高橋・松友組:「練習の時から嫌な感じがあったが、タイミングが取りにくい。打球音ほど球が走っていなかったり、そうかと思うと突然、ビュンと言う感じにとんでもない球が来たりとやりにくかった。ただ徐々に慣れていけると思う。サッカーのワールドカップ代表決定などの影響もあり、今回特に、国の代表として行く重みを感じた。第1ダブルスで強い相手としか対戦せず勝たなきゃいけないというプレッシャーはあるが、チームの勝敗を決する2対2の場面で出番が回ってきてデンマークペアに勝利した昨年のスディルマン杯などの経験が生きると思う」

廣瀬選手:「会場の風やシャトルの問題は、前の試合を見ていてやりにくそうだと思っていた。ただコートに入れば相手も同じ条件で、対応できる。(今大会では第2、3シングルスに起用され、チームにとって必勝を期待される立場だが)合宿中からパク・ヘッドコーチによく声をかけてもらったりしていて準備はできている。団体戦では自分の役割を果たすという意識は以前と変わらない。ただ(そうした意識を持つ)みんなが集まれば決勝まで勝ち上がっていける」
前田・垣岩組:「初戦にしては良かった。自分たちの形が出せた」
山口選手:「(初戦に)出ると言われてびっくりした。緊張はしたが、チームが勝っているのもあって、世界ジュニア選手権の団体戦ほどではなかった。勝ててほっとしている。先輩たちが後方から応援してくれているのは心強い。もし、決勝トーナメントで再び出場の機会があったら、それはチームの勝敗を決する時なので、チームのために勝ちたい」
ユーバー杯一次リーグ【Z組】2日目の結果
【Z組】
◆日本(1勝)5ー0ドイツ(1敗)
【第1シングルス】 三谷美菜津(世界12位)〈18-21,21-11,21-14〉カリン・シュナーゼ(世界36位)
【第1ダブルス】 高橋礼華・松友美佐紀(世界4位)〈21-15,21-18〉バージット・ミシェルズ/イザベル・ハートリッヒ
【第2シングルス】 廣瀬栄理子(世界16位)〈21-10,21-10〉ファビエンヌ・デプレ(世界166位)
【第2ダブルス】 前田美順・垣岩令佳(世界5位)〈21-16,21-14〉ヨハナ・ゴリツェウスキ/カーラ・ネルテ(世界159位)
【第3シングルス】 山口茜(世界84位)〈21-9,21-17〉アリナ・ハメス(世界223位)
◆デンマーク(1勝)3ー2マレーシア(1敗)
【第1シングルス】 リネ・ケアースフェルト(世界45位)〈14-21,20-22〉ティー・ジンイ(世界50位)
【第1ダブルス】 クリスティナ・ペダーセン/カミラ・リタ・ユール(世界3位)〈21-17,21-10〉ウーン・ケーウェイ/フー・ビビアン・カームン(世界23位)
【第2シングルス】 アナ・セア・マドセン(世界52位)〈21-13,15-21,21-19〉ヤン・リリャン(世界99位)
【第2ダブルス】 リネ・ダムケーア・クルス/マリー・ロープケ(世界17位)〈19-21,21-16,21-19〉リム・インルー/リー・メンイーン(世界44位)
【第3シングルス】 サンドラ・マリア・ジェンセン(世界68位)〈15-21,21-14,19-21〉リム・インフン(世界152位)
2日目を終えた時点で、ディフェンディングチャンピオンの中国(男女とも)を筆頭に、一部の組では、決勝トーナメント進出を決めたチーム(太字)、一次リーグ敗退のチームが確定した
◆トマス杯(男子)一次リーグ途中結果(2日目終了時)
【A組】 タイ(1勝)、インドネシア(1勝)、シンガポール(1敗)、ナイジェリア(1敗)
【B組】 日本(1勝)、デンマーク(1勝)、香港(1敗)、イングランド(1敗)
【C組】 マレーシア(2勝)、韓国(2勝)、ドイツ(2敗)、インド(2敗)
【D組】 中国(2勝)、台湾(1勝1敗)、フランス(1勝1敗)、ロシア(2敗)
◆ユーバー杯(女子)一次リーグ途中結果(2日目終了時)
【W組】 中国(2勝)、台湾(1勝1敗)、イングランド(1勝1敗)、ロシア(2敗)
【X組】 韓国(2勝)、インドネシア(1勝)、シンガポール(1敗)、オーストラリア(2敗)
【Y組】 インド(2勝)、タイ(2勝)、香港(2敗)、カナダ(2敗)
【Z組】 日本(1勝)、デンマーク(1勝)、マレーシア(1敗)、ドイツ(1敗)