Day 3 of Sudirman : Japan to face Thailand after overcoming Denmark

Team Japan
New Team Japan,under captain Noriyasu HIRATA

スディルマン杯3日目、日本が強豪デンマークとのギリギリの接戦を制して、一次リーグのグループ1【D組】1位通過を果たし、悲願のメダル獲得に一歩近づいた。この日、全日程が終了した午後11時近く、各チームの関係者とメディアを集めて組み合わせ抽選会が行われ、日本は23日の準々決勝で、タイとメダルをかけて対戦することが決まった

日本対デンマークの試合は、結果だけを見ると日本チームが戦前に描いていた青写真通りとなったが、内容は予想を上回った。ダブルスに強みを持つデンマークを日本が倒すには、男子シングルスと女子シングルスで確実に勝って、ダブルス3種目の中でもっとも実力の拮抗している女子ダブルスを取ること、が想定されていた

Hirokatu HASHIMOTO / Miyuki MAEDA
Hirokatu/Miyuki lost to World No.4 but contributed to Team’s victory indirect way

最初の種目、混合ダブルスで世界ランク4位、ロンドン五輪銅メダルのヨアキム・フィッシャー・ニールセン/クリスティナ・ペダーセン組に対するのは、今年からペアを組み始めた橋本博且・前田美順組。それぞれ男子、女子ダブルスでは実績のある2人だが、日本での所属チームが異なるためペアとしての練習は十分でなく、年初より参戦してきた4つの国際大会で実戦経験を積み重ねただけ。実力、実績ともにデンマークペアの絶対的優位は明らかだった

しかしいざふたを開けてみると、橋本・前田組はまったくひけをとらないプレーで第1ゲームを先取する。第2ゲームは失うが、ファイナルゲームもプレッシャーの見てとれるデンマークペアを終盤18-17までリード。ここから振り切られて惜しくも敗れはしたものの、五輪メダリストを最後まで追い詰めた。後に触れるが、実はこの試合が日本の勝利に大きく貢献することになる

橋本・前田組は試合直後、BadPaL の取材に応じ、「これが個人戦だったら、試合内容には納得できたかもしれないが、団体戦では負けたらだめ」(橋本選手)。「あの点差なら勝たないと。くやしい」(前田選手)とコメントした。その上で、準々決勝でも起用されれば、「チームのポイントに貢献したい。勝ち目標で行く」(前田)。「勝ちたい」(橋本)と意気込みを語った

Kenichi TAGO
TAGO saves a winning point for Team through tough match against JORGENSEN

2種目目の男子シングルスでは、田児賢一選手が日本のエースとして勝ち点の確保を期待されてコートに立った。第1ゲームは、デンマークの絶対的エース、ピーター・ゲード選手の引退により、田児選手同様、自国の期待を背負い登場したヤン・ヨルゲンセン選手の気迫に押されるかのように、いいところなく落とす

第2ゲームも嫌な流れのまま進むが、中盤以降徐々にリズムをつかみこのゲームを取り返す。ファイナルゲームは競り合いから田児選手が抜け出し、終盤19-16とリードする。しかし、チームのために負けられないヨルゲンセン選手が追いつき、ここから死闘に突入。互いに3つずつマッチポイントを凌ぎ合うどちらに転んでもおかしくない接戦を最後に制したのは、田児選手だった

田児選手は試合後、BadPaL に対し、「今大会最初の試合で堅くなり、体がうまく動かず、気持ちの余裕もなかった。シャトルが違うこともあるが、向かい風の時にシャトルを上手くコントロールできなかった」と試合序盤の苦戦の要因を説明した。ファイナルゲーム終盤、相手にマッチポイントを握り返された場面については、「動揺していたが、プレーを引かないように心がけていた」と認め、「ああいう形でも勝てて、チームに貢献できたことがよかった」と述べた

一方、海外メディアから、今大会でも試験導入されている、6月導入予定のカメラの再生映像を使ったラインジャッジの確認システムについて聞かれ、「双方の選手にとってお互い様。ただ、よりフェアになると思う」と意見を述べた上で、ファイナルゲームで(田児選手に不利な判定となった)微妙なラインジャッジがあったが、との指摘には、「既にシステムが導入されていたなら、もちろん手を上げて(チャレンジして)いたよ」と笑顔で答えた

Hiroyuki ENDO-Kenichi HAYAKAWA
Hiroyuki/Kenichi lost to World No.1

3種目目は男子ダブルス。名実ともに日本のトップペアに成長した早川賢一・遠藤大由組が、現世界ランク1位のマシアス・ボー/カールステン・モゲンセン組に挑んだ。前日の日本の初戦、シンガポールとの試合では一番手で登場して勝ち、チームに勢いをつけたが、過去2度の対戦でともにストレート負けしている世界のトップを打ち破るのはやはり容易でなく、第1ゲームを12-21で落とす。第2ゲームは何とか取り返したものの、ファイナルゲームは中盤大きく点差を広げられると、追い上げ叶わず16-21で敗れた

早川・遠藤組は BadPaL に対し、3度目の対戦で初めて1ゲーム奪った試合だが、「手ごたえはなく、前回より差が開いた感じ。相手ではなく、自分たちの問題。まだ世界ランク上位の選手のことを上に見ている自分がいる。勝つんだという貪欲な部分が欠けていると思う」(早川選手)。「(チームにとって)大事な試合で勝てないのは精神的な弱さ。合宿のところから妥協している部分がある。もちろん準備はしてきているが、まだやれるという部分を追い切れていない。もっと気を引き締めていかないと、試合に出られない人に申し訳ない」(遠藤選手)と反省の言葉を口にした。その上で、もし次の試合に出ることになったら、「まだ(トマス杯を含め)団体戦で役に立っていないので、そろそれチームに貢献したい」と気を引き締めた

Sayaka TAKAHASHI
Sayaka earned a point in Sudirman Cup for the first time

デンマークに2対1と王手をかけられ、後のない状況で出番が回ってきた女子シングルスの高橋沙也加選手にとって、これがナショナルチームメンバーとしての団体戦デビュー。この点について、高橋選手は試合後、BadPal に「所属チームの代表として出場する国内の団体戦と違い、国際大会の団体戦は日本代表として戦う。前日の試合で皆、緊張しているのを目にした。試合に入れば楽しめるが、それまでの準備で大変さを感じている」と語った

試合は、「大事な場面で回ってきて緊張した。最初の試合でコートにも慣れていなかった」と認めた通り、デンマークの若手、リネ・ケアースフェルト選手を相手に不安定な立ち上がりで、実力差以上の競り合いとなる。「長身でいい球が来ていた」と対戦相手の良さを認めながら、「(相手は)世界ランクが下位で向かってきたので、こちらも同じように向かっていく気持ちで臨み、点数はどうあれ勝つことに専念した」と説明した。その言葉通り、第1、2ゲームともに競り合いにはなるものの、絶対的な優位は崩れず、ストレート勝ちで姉の礼華選手が出場する最終種目、女子ダブルスにたすきを渡した

高橋選手は試合後、既に進出が決まっていた次の準々決勝について、「出場しても出場しなくても、初めてのベスト4入りを目指すチームに貢献したい」と強調した

Ayaka TAKAHASHI-Misaki MATSUTOMO
Ayaka/Misaki brought smiles to Team mates’ faces after defeating Danish rival

チームからすべてを託された高橋礼華・松友美佐紀組は、「過去1勝2敗と負け越しているクリスティナ・ペダーセン/カミラ・リタ・ユール組に勝ちたいという気持ちで試合に入った」という。勝敗を決する2対2の状況で出番が回ってくることは「想定していた」(高橋選手)が、「できれば3対1で回ってきてほしいとの期待も抱いていた(笑)」(松友選手)ことも認めた

第1ゲームは破壊力に勝るデンマークペアが先行する形で進む。しかし高橋・松友組も離されずについていき、13-13で並ぶとその後はもつれる展開に。先に19-20とゲームポイントを握られるが、ここから3連続得点で逆転、先制に成功する。第2ゲームに入ると、日本ペアのうまい球回しからの攻撃が効果的に決まりだし、中盤以降じりじりと点差を広げて、デンマークペアの追い上げを許さず21-16で勝利をつかんだ

高橋・松友組は BadPaL の取材に対し、勝因として、前夜のビデオ分析のおかげで相手の動きが良く見えていたことに加え、「(1種目目の)混合ダブルスにも出場していたペダーセン選手が疲れていた」ことを挙げた。この点については、日本のヘッドコーチ、パク・ジュボン氏も試合後の記者会見で、敗れはしたものの格上の相手を苦しめた混合ダブルスの橋本・前田組の功績を讃え、チームの勝利に大きく貢献したと明言している

日本対デンマークの結果詳細

【混合ダブルス】 橋本博且・前田美順(世界87位)〈21-17,15-21,18-21〉ヨアキム・フィッシャー・ニールセン/クリスティナ・ペダーセン(世界4位)

【男子シングルス】 田児賢一(世界5位)〈13-21,21-19,27-25〉ヤン・ヨルゲンセン(世界7位)

【男子ダブルス】 早川賢一・遠藤大由(世界4位)〈12-21,21-16,16-21〉マシアス・ボー/カールステン・モゲンセン(世界1位)

【女子シングルス】 高橋沙也加(世界23位)〈21-18,21-15〉リネ・ケアースフェルト(世界80位)

【女子ダブルス】 高橋礼華・松友美佐紀(世界2位)〈22-20,21-16〉クリスティナ・ペダーセン/カミラ・リタ・ユール(世界3位)

JPN v THA
Japan will meet China only in the final

この日遅くに決まった準々決勝の対戦カード(トーナメント上段から順に)は以下の通り

中国【A組1位】対インドネシア【A組2位】

台湾【C組1位】対デンマーク【D組2位】

韓国【B組1位】対ドイツ【C組2位】

日本【D組1位】対タイ【B組2位】

大会3日日の結果

◆グループ1(チームランク1~12位):

【A組】 中国(2勝)5-0インドネシア(1勝1敗)、インド(2敗※一次リーグ敗退)

【B組】 韓国(2勝)5-0タイ(1勝1敗)、香港(2敗※一次リーグ敗退)

【C組】 ドイツ(1勝1敗)3-2マレーシア(2敗※一次リーグ敗退)、台湾(2勝)

【D組】 デンマーク(1勝1敗)2-3日本(2勝)、シンガポール(2敗※一次リーグ敗退)

◆グループ2(チームランク13~20位):

【A組】 スウェーデン(1勝1敗)2-3ロシア(1勝1敗)、スコットランド(2勝)4-1アメリカ(2敗)

【B組】 オランダ(1勝)、フランス(1勝)、カナダ(1敗)、オーストリア(1敗)

◆グループ3(チームランク21~31位):

【A組】 ウクライナ(2勝)4-1スリランカ(1勝2敗)、ニュージーランド(2勝1敗)3-2トルコ(2敗)、フィリピン(1勝1敗、試合なし)

【B組】 ベトナム(3勝)4-1オーストラリア(1勝1敗)、スイス(2勝)5-0リトアニア(3敗)、カザフスタン(2敗、試合なし)

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