Nozomi positive, regaining her form through match against Akane in QF

マレーシアオープンSSプレミア準々決勝、日本勢は3種目で準決勝進出を決めた。このうち女子シングルスで勝ち残った奥原希望選手は、前日の試合で密かに感じていた手応えを、実力を認める世界ランク上位の山口茜選手との対戦で再確認した

山口選手と奥原選手の対戦は、前週インドオープンSSに続くもの。この時は、山口選手がフルゲームの末に勝利を収めたが、今回は接戦となるも、第1ゲーム15-17、第2ゲーム16-19の劣勢から連速得点を決め、追いつき逆転した奥原選手に軍配が上がった

奥原選手は試合後、BadPaL に対し、「実は、前日の香港選手との2回戦で、以前の自分の動きやリズムをつかむことができ、地味に喜んでいた」と明かした。そして、この日もその感覚を持続したままプレーができ、手応えを確かめられた試合だったと話した

ただ、この試合で新しいことを出したいと語っていた山口選手とは違い、今はまだ、肩を故障する前の自分の状態に戻す過渡期で、「駆け引きをする以前の問題」と指摘。今できることをやって通用するかどうか、の状態であることを、あらためて説明した

準決勝に向けては、カロリナ・マリン選手、ラッチャノク・インタノン選手のどちらが勝ち上がってきても、日本代表でともに練習する山口選手以外からは、受けることのできない世界トップ選手の球を受けられる好機ととらえ、「トップランカーにどの位差をつけられたのか、何が今通用するのか試したい。わくわくしている」と抱負を語った

女子ダブルスの高橋礼華・松友美佐紀組は、昨年11月チャイナオープンSSプレミアで初めて対戦し敗れた中国ホワン・ドンピン(22)/リ・インフェイ(20)組に、第1ゲームを奪われる。しかし第2ゲームを取り返すと、ファイナルゲームも後半勢いに乗り、途中、中国ペアがインジュリータイムを取るなど揺さぶりをかけてきても動じず。18-13から19-17まで詰め寄られるが、最後はきっちり勝利をつかんだ

高橋、松友両選手は試合後、BadPaL に対し、「それまで調子が良かったサーブが乱れ、そこに集中しすぎた」。「競った場面で勝ちを意識してしまった」と、それぞれ終盤もたついた要因を説明した。ただ、中国ペアと対戦するのが久しぶりで楽しみだった、と語る2人はその後、「自分たちのやりたいと思っていたこと、やってきたことができた」(高橋)と話した

前回、チャイナオープンでの対戦時は、主審が高橋・松友組のチャレンジを認めない事態が発生し、それも影響してか、初顔合わせで黒星を喫していた。高橋選手は当時のことを振り返り、「五輪だったらあり得ない」としながら、「それでも勝ち切れなかったのは、自分たちのせいでもある」と述べ、既にこの問題を消化していることをうかがわせた

もうひとつの日本ペア、福島由紀・廣田彩花組の相手は、世界5位の中国トップペア、チェン・チンチェン(19)/ジア・イーファン(19)組。過去の対戦成績は1勝1敗だが、「勝ったのはだいぶ前(2015年)のこと。昨年のSSファイナルで優勝するなど急速に力をつけてきたペアで、向っていける相手」(廣田)として試合に臨んだという。そのことが奏功してか、第1ゲーム、後半早々に逆転しそのまま21-18で競り勝つと、第2ゲームも一進一退ながら終盤19-17とリードを保つ。しかしここから追いつかれ、日本ペアがマッチポイント、中国ペアがゲームポイントを2つずつつかむが、最後は相手の猛攻をねばりのレシーブで防ぎ切った福島・廣田組が勝利を引き寄せた

福島・廣田組は試合直後、BadPaL の取材に応じ、「ベスト4に入れてうれしい。接戦に勝てたことにほっとしている」と率直な感想を語った。第2ゲーム終盤、1点を取り合った場面で失点した際には、「シャトルを上げすぎていたので、沈めていくように話していた」という

高橋・松友組との準決勝に向けては、「(初めて勝利した)全英オープンの時とは作戦を変えてくると思う。何とか凌いで勢いで勝ちたい」と語った

男子ダブルスの園田啓悟・嘉村健士組は、初顔合わせとなった世界16位、タイのボディン・イサラ/ニピトポン・プアンプアペト組をスピードで圧倒。ミスも散見されたが、しっかりストレートで勝って、順当にベスト4入りした

試合直後、園田、嘉村両選手からは、「自分たちからミスが出た」「きょうはダメだった」と反省の弁が聞かれた。それでも、「勝ち切れたことは良かった」(園田)と評価した。準決勝の相手は新旧世界ランク1位の対戦の結果次第となるが、園田選手は、「どちらともやりたい」としながらも、あえてどちらかを選ぶとするなら、全英、インドとSS2連勝中のインドネシアペア、マルクス・フェルナルディ・ギデオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ組の名を挙げた。

また、園田・嘉村組を含む男子ダブルスの世界ランク上位5ペアが現在、わずかなポイント差の中にひしめきあっている状況を踏まえ、世界1位に手が届くチャンスがあることを認識し、今大会で優勝を狙う姿勢をあらためて明確にした

男子シングルスではこの日、優勝候補の1人、リオ五輪金メダルの中国チェン・ロン選手が手首の故障を理由に、香港ウォン・ウィンキ選手との試合を棄権した。それ以外の有力選手、マレーシアのリー・チョンウェイ、中国リン・ダン、韓国ソン・ワンホは、順当に勝ち上がった

女子シングルスは、現世界チャンピオンのカロリナ・マリン選手(スペイン)が、元世界チャンピオンのラッチャノク・インタノン選手(タイ)をフルゲームの末に下し、準決勝で奥原選手と対戦する。もう一方の山では、ベスト8に残っていた中国勢2人、スン・ユ選手とチェン・ユーフェイ選手が、それぞれ韓国ソン・ジヒョン選手、台湾タイ・ツーイン選手に敗れ、姿を消した

一方、混合ダブルスのベスト4には、中国3ペアと、リオ五輪金メダリスト、インドネシアのタントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル組が残った

準々決勝の結果

【男子シングルス】

リー・チョンウェイ(マレーシア、世界1位)〈21-11,21-14〉チョン・ヒョクチン(韓国、世界49位※予選勝ち上がり)

チェン・ロン(中国、世界4位)〈棄権〉ウォン・ウィンキ(香港、世界12位)

ソン・ワンホ(韓国、世界5位)〈21-18,21-14〉アジャイ・ジャヤラム(インド、世界20位)

リン・ダン(中国、世界6位)〈21-15,14-21,21-9〉ジョナタン・クリスティ(インドネシア、世界22位)

【女子シングルス】

タイ・ツーイン(台湾、世界1位)〈21-17,20-22,24-22〉チェン・ユーフェイ(中国、世界12位)

ソン・ジヒョン(韓国、世界5位)〈21-11,21-15〉スン・ユ(中国、世界6位)

山口茜(世界4位)〈18-21,20-22〉奥原希望(世界10位)

カロリナ・マリン(スペイン、世界3位)〈21-8,18-21,21-12〉ラッチャノク・インタノン(タイ、世界7位)

【男子ダブルス】

フー・ハイファン/ツェン・シウェイ(中国、世界ランクなし)〈21-18,21-18〉タンチュンマン/オールチンチュン(香港、世界30位※予選勝ち上がり)

ホン・ウェイ/チャイ・ビアオ(中国、世界3位)〈21-19,20-22,21-16〉デチャポン/キッティヌポン(タイ、世界29位)

リュウ・ユーチェン/リ・ジュンフェイ(中国、世界1位)〈21-7,17-21,17-21〉マルクス・フェルナルディ・ギデオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ(インドネシア、世界2位)

園田啓悟・嘉村健士(世界5位)〈21-16,21-19〉ボディン・イサラ/ニピトポン・プアンプアペト(タイ、世界16位)

【女子ダブルス】

高橋礼華・松友美佐紀(世界1位)〈18-21,21-14,21-17〉ホワン・ドンピン/リ・インフェイ(中国、世界15位)

チェン・チンチェン/ジア・イーファン(中国、世界5位)〈18-21,23-25〉福島由紀・廣田彩花(世界18位)

タン・ジンフア/ホワン・ヤチオン〈21-17,21-14〉バオ・イーシン/ユー・シャオハン(中国、世界35位※予選勝ち上がり)

クリスティナ・ペダーセン/カミラ・リタ・ユール(デンマーク、世界2位)〈21-12,15-21,14-21〉チャン・イエナ/イ・ソヒ(韓国、世界4位)

【混合ダブルス】

ツェン・シウェイ/チェン・チンチェン(中国。世界1位)〈21-16,21-9〉リー・チュンヘイ/チャウ・ホイワー(香港、世界13位)

ヨアキム・フィッシャー・ニールセン/クリスティナ・ペダーセン(デンマーク、世界5位)〈21-23,19-21〉ツァン・ナン/リ・インフェイ(中国、世界10位)

ルー・カイ/ホワン・ヤチオン(中国、世界4位)〈21-16,21-17〉デチャポン・プアバラヌクロー/サプシリー・タエラナッチャイ(タイ、世界11位)

タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル(インドネシア、世界3位)〈16-21,23-21,22-20〉チェ・ソルギュ/チェ・ユジョン(韓国、世界18位)

 

準決勝の対戦カード

【男子シングルス】

リー・チョンウェイ(マレーシア、世界1位)対ウォン・ウィンキ(香港、世界12位)

ソン・ワンホ(韓国、世界5位)対リン・ダン(中国、世界6位)

【女子シングルス】

タイ・ツーイン(台湾、世界1位)対ソン・ジヒョン(韓国、世界5位)

カロリナ・マリン(スペイン、世界3位)対奥原希望(世界10位)

【男子ダブルス】

ホン・ウェイ/チャイ・ビアオ(中国、世界3位)対フー・ハイファン/ツェン・シウェイ(中国、世界ランクなし)

マルクス・フェルナルディ・ギデオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ(インドネシア、世界2位)対園田啓悟・嘉村健士(世界5位)

【女子ダブルス】

高橋礼華・松友美佐紀(世界1位)対福島由紀・廣田彩花(世界18位)

チャン・イエナ/イ・ソヒ(韓国、世界4位)対タン・ジンフア/ホワン・ヤチオン(中国、世界26位)

【混合ダブルス】

ツェン・シウェイ/チェン・チンチェン(中国。世界1位)対ツァン・ナン/リ・インフェイ(中国、世界10位)

タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル(インドネシア、世界3位)対ルー・カイ/ホワン・ヤチオン(中国、世界4位)

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