
マレーシアオープンSSプレミア準決勝、福島由紀・廣田彩花組が、全英オープンに続いて、世界ランク1位の高橋礼華・松友美佐紀組を破り、初めてSS決勝に進んだ
福島・廣田組は、「(全英で)1回勝ったが、その前に何度も負けている」と述べ、自信満々で試合に臨んだわけではないことを示唆。さらに今回は、高橋・松友組が向かってくるとの認識を持っていた
第1ゲームは前半、福島・廣田組がリード。後半12-10から逆転されるが、その後は1点を取り合う展開で進み、17-17から連続得点を決めて先制する。第2ゲームも前半は主導権を握るが後半逆転され流れは高橋・松友組に移り、ファイナルゲーム突入かと思われた。しかし、16-18から粘りのレシーブで局面を打開、攻撃に転じて得点する形が決まりはじめ、21-19で世界ランク1位を振り切った
福島、廣田両選手は試合後、BadPaL の取材に応じ、「率直にうれしい。今回負けていたら、前回の勝ちがまぐれと思われてしまう。ただ、気負いはなかった」とコメントした。この試合で特に機能したのはディフェンスかオフェンスか尋ねると、「レシーブで攻める、レシーブから攻撃に転じる形ができている」と答え、トレーニングの成果を強調した
初のSS決勝に挑む気持ちを聞くと、「(SS)プレミアの決勝とは考えず、いつものように次の試合として臨む」と冷静に述べた上で、「今回は試合を楽しめている」(福島)と付け加えた。福島・廣田組の決勝の相手は、中国タン・ジンフア/ホワン・ヤチオン組
女子シングルスの奥原希望選手は、優勝した昨年の全英オープン以来、1年ぶりにリオ五輪金メダルのスペイン、カロリナ・マリン選手に挑んだ。試合序盤からリードされ、追いかける展開に。マリン選手がゲームポイント(17-20)を握ったところから4連続得点でゲームポイントを握り返すが、逆転を許してしまい、オープニングゲームを落とす。第2ゲームも同様の流れで14-20と追い詰められる。しかしここでもあきらめず猛烈に追い上げ1点差まで詰めるが、あと一歩及ばず、敗れた
ただ、今は計画的に肩を故障する前の自分に戻すプロセスを踏んでいる、と説明する奥原選手から悲壮感は感じられず、むしろ、リオ五輪金メダリストのマリン選手相手にも十分やれるという手ごたえをつかめたという。ここから取り組んでいくのは、落とした筋力の強化と微妙な感覚の修正。次週のシンガポールオープンSSではいきなり、リオ五輪準決勝で敗れたインドのプサルラ・ヴェンカタ・シンドゥ選手と対戦するが、「厳しい戦いになるが、また世界トップの球を受けられる。楽しみ」と笑顔で答えた
女子シングルス準決勝もうひと試合では、奥原選手が、トップの中で今、頭ひとつ抜けていると話す世界1位の台湾タイ・ツーイン選手が、韓国ソン・ジヒョン選手を破り、決勝に進んだ
男子ダブルスでは、園田啓悟・嘉村健士組が、SS2大会連続優勝中のインドネシア、マルクス・フェルナルディ・ギデオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ組に挑んだが、第1、第2ゲームともに後半引き離されて敗退。決勝には進めなかった
園田・嘉村組は試合後、BadPaL に対し、サーブ周りがうまいと認める相手に、「思うようなプレーをさせてもらえなかった」と語った。嘉村選手は、「良い時は、後衛主体の園田が積極的にガツガツいっている時。それを基に自分が前衛で色々できる。しかしこの日は引いてしまって、自分たちの攻撃の形ができなかった」と敗因を分析。その上で、「このような負け方をした後は、次の試合が大事」と指摘。シンガポールオープンの初戦にしっかり気持ちを切り替えて臨むことを強調した
男子シングルスでは、マレーシアのリー・チョンウェイ選手と中国リン・ダン選手が勝ち、決勝で激突する。11年前、同じ会場で行われたマレーシアオープンの決勝で、記憶に残る大逆転劇を演じたチョンウェイ選手、再びクチンのファンを沸かせることができるか
準決勝の結果
【男子シングルス】
リー・チョンウェイ(マレーシア、世界1位)〈21-12,21-9〉ウォン・ウィンキ(香港、世界12位)
ソン・ワンホ(韓国、世界5位)〈25-27,21-19,16-21〉リン・ダン(中国、世界6位)
【女子シングルス】
タイ・ツーイン(台湾、世界1位)〈20-22,21–13,21-12〉ソン・ジヒョン(韓国、世界5位)
カロリナ・マリン(スペイン、世界3位)〈23-21,21-19〉奥原希望(世界10位)
【男子ダブルス】
ホン・ウェイ/チャイ・ビアオ(中国、世界3位)〈21-17,14-21,19-21〉フー・ハイファン/ツェン・シウェイ(中国、世界ランクなし)
マルクス・フェルナルディ・ギデオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ(世界2位)〈21-16,21-13〉園田啓悟・嘉村健士(世界5位)
【女子ダブルス】
高橋礼華・松友美佐紀(世界1位)〈18-21,19-21〉福島由紀・廣田彩花(世界18位)
チャン・イエナ/イ・ソヒ(韓国、世界4位)〈20-22,21-18,16-21〉タン・ジンフア/ホワン・ヤチオン(中国、世界26位)
【混合ダブルス】
ツェン・シウェイ/チェン・チンチェン(中国。世界1位)〈21-19,21-14〉ツァン・ナン/リ・インフェイ(中国、世界10位)
タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル(インドネシア、世界3位)〈8-21,16-21〉ルー・カイ/ホワン・ヤチオン(中国、世界4位)
決勝の対戦カード
【男子シングルス】 リー・チョンウェイ(マレーシア、世界1位)対リン・ダン(中国、世界6位)
【女子シングルス】 タイ・ツーイン(台湾、世界1位)対カロリナ・マリン(スペイン、世界3位)
【男子ダブルス】 マルクス・フェルナルディ・ギデオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ(世界2位)対フー・ハイファン/ツェン・シウェイ(中国、世界ランクなし)
【女子ダブルス】 福島由紀・廣田彩花(世界18位)対タン・ジンフア/ホワン・ヤチオン(中国、世界26位)
【混合ダブルス】 ツェン・シウェイ/チェン・チンチェン(中国。世界1位)対ルー・カイ/ホワン・ヤチオン(中国、世界4位)