Day 9 in Rio : China era of dominance in WS ended by Carolina

リオ五輪バドミントン競技9日目、2000年シドニーから4大会連続で中国が独占してきた女子シングル女王の座に、新たにスペインのカロリナ・マリン選手がついた。非アジア圏の選手がこの種目で金メダルを取るのは初めて。一方、男子シングルス準決勝注目のライバル対決は、マレーシアのリー・チョンウェイ選手が2大会連続金メダルの中国リン・ダン選手を五輪で初めて下し、決勝に進んだ

Day 9-3
India, Spain and Japan. but no China on WS podium

世界ランク1位、世界選手権2連覇のマリン選手が五輪決勝という大舞台、しかもプレッシャーのかかる大事な場面で、崩れない精神面の成長を見せた

今大会、優勝候補と目されていた世界ランク上位の台湾タイ・ツーイン、中国ワン・イーハン、奥原希望の3選手に続けてストレート勝ちし、勢いを持って決勝に進んだインドのプサルラ・ヴェンカタ・シンドゥ選手に、第1ゲームを奪われる。第2ゲームを取り返して試合の流れを引き寄せたかに見えたが、ファイナルゲームに入ると、決してあきらめないシンドゥ選手の追い上げに遭い、突き放すことができないまま最少得点差で前半を終える。過去には、感情の起伏の激しいマリン選手がこうした緊迫した展開にじれて、自滅してしまうことも少なくなかった。しかしこの日は、点を奪われた後もラリーごとに気持ちをしっかり切り替え、じわりじわりと点差を広げていって勝利。その直後、涙と笑顔が入り混じった表情で喜びの感情を爆発させた

試合後に行われた表彰式では、シンドゥ選手、そして中国リ・シュエリ選手棄権のため3位決定戦を戦うことなく銅メダルを手にした奥原選手とともに、満面の笑みで観客の声援に応えた

マリン選手は表彰式の後、世界バドミントン連盟(BWF)などに対し、五輪前の2カ月間、金メダルを取ることだけを考え苦しいトレーニングをこなした成果が出たと説明。これまで支えてくれた人たちに感謝したいと述べた。一方、シンドゥ選手は、マリン選手を称えた上で、ベストのプレーができ、五輪初出場でインドバドミントン界初の銀メダリストになったことをうれしく思うとコメントした

女子シングルスではシドニー、アテネ、北京、ロンドンの4大会、中国選手が常に表彰台の2枠を占めてきたが、リオではメダルなし。中国によるこの種目のメダル独占の時代は、ひとまず終結した

もう一つの決勝、男子ダブルスは、中国フー・ハイファン/ツァン・ナン組がファイナルゲーム、2度のマッチポイントを凌いで逆転優勝。今大会、最初の金メダルを中国にもたらした。フー・ハイファン選手はカイ・ユン元選手と組んで金メダルを手にした前回ロンドンに続き2連覇

一方、敗れたゴー・ウェイシェム/タン・ウィーキョン組は、全競技を通じてマレーシア史上初となる五輪金メダルまであと1点に迫りながら、決めることができず、千歳一隅のチャンスを逸した。ただ五輪初出場で、◆一次リーグ最終試合でフー・ハイファン/ツァン・ナン組◆準々決勝で第1シード韓国イ・ヨンデ/ユ・ヨンソン組◆準決勝で中国ホン・ウェイ/チャイ・ビアオ組――を連破し、ノーシードから決勝までたどりついたのは価値ある結果で、五輪後の活躍が期待される

この日唯一の準決勝種目、男子シングルスでは先に試合の行われたリン・ダン対リー・チョンウェイに注目が集まった。第1ゲームは、前日までとは別人のようにアグレッシブに仕掛けるリン・ダン選手が圧倒し、先制する。第2ゲームはチョンウェイ選手が反撃。途中からセーブ気味になったリン・ダン選手からゲームを奪い返し、1対1のタイに戻す。ファイナルゲームは一進一退で進むが、終盤、チョンウェイ選手が抜け出し20-17と3つのマッチポイントを握る。この後がなくなった場面で大舞台に強いリン・ダン選手が本領を発揮。3連続得点を決めて追いつき、同じくファイナルゲーム終盤に追いつき逆転したロンドン五輪決勝の再現を予感させた。しかしこの日はチョンウェイ選手が踏ん張り、次の2点を連取して22-20。北京とロンドンの決勝に次ぐ3度目の対戦で、初めて五輪での「リン・ダン越え」に成功した

試合後には、長きにわたるライバル関係を互いに称え合うかのように、シャツを交換した

リー・チョンウェイ選手は大会最終日の20日、準決勝もうひと試合で、デンマークのビクター・アクセルセン選手をストレートで破った中国チェン・ロン選手と、悲願の金メダルをかけて戦う

9日目(19日)の結果

◆男子シングルス準決勝

リー・チョンウェイ(マレーシア、第1シード)〈15-21,21-11,22-20〉リン・ダン(中国、第3シード)

チェン・ロン(中国、第2シード)〈21-14,21-15〉ビクター・アクセルセン(デンマーク、第4シード)

◆女子シングルス3位決定戦

リ・シュエリ(中国、第3シード)〈棄権〉奥原希望(第6シード)

◆女子シングルス決勝★

カロリナ・マリン(スペイン、第1シード)〈19-21,21-12,21-15〉プサルラ・ヴェンカタ・シンドゥ(インド、第9シード)

◆男子ダブルス決勝★

フー・ハイファン/ツァン・ナン(中国、第4シード)〈16-21,21-11,23-21〉ゴー・ウェイシェム/タン・ウィーキョン(マレーシア)

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10日目(20日)の対戦カード

◆男子シングルス3位決定戦

リン・ダン(中国、第3シード)対ビクター・アクセルセン(デンマーク、第4シード)

◆男子シングルス決勝★

リー・チョンウェイ(マレーシア、第1シード)対チェン・ロン(中国、第2シード)

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