Nozomi breaks one of Chinese three pillars at French Open

今シーズンのスーパーシリーズ(SS)第10戦、フレンチオープンは20日、パリで開幕し、22日までにベスト8が出そろった。日本勢は、男子シングルスの佐々木翔選手、女子シングルスの奥原希望選手、男子ダブルスの早川賢一・遠藤大由組、混合ダブルスの園田啓悟・福万尚子組が勝ち残った。このうち奥原選手は、中国3強の一角を初めて崩した

Nozomi
Nozomi defeated Yihan at the third attempt

初戦で同世代の中国スン・ユ選手を退けた奥原選手は2回戦、3月の全英オープンSSプレミア、9月の韓国オープンSSと連敗している現在中国3番手のワン・イーハン選手と3度目の顔合わせ。しかしこの日は第1ゲーム、中盤9-9から抜け出し21-13、第2ゲームも前半リードを許すが、8-8で追いつくとそこからどんどん点差を広げて21-14と快勝した

奥原選手は試合直後、BadPaL の取材に応じ、「全英と韓国で敗れはしたが、経験を積んだことで相手への恐怖心なくフィフティフィフティ(実力互角)の意識で試合に入れたこと」と勝因を語った。初勝利を挙げた感想は、「勝って当たり前、という感覚。(山口)茜ちゃんも既に勝っている」と冷静に答えた。あすの準々決勝に向けては、「初めて中国3強の一角を崩したが、次は2番手のワン・シーシャン選手が控える。1時間50分を越える熱戦の末に敗れたマレーシア(オープンSSプレミア)の借りを返す。もちろんフィフティフィフティの気持ちで」と意気込んだ

一方、前週デンマークオープンSSプレミアでカナダのミッシェル・リ選手に、ファイナルゲーム19-12と大量リードしながら屈辱の逆転負けを喫したことの今大会への影響を聞いたところ、「試合後に話をして、同様な逆転負けをしたことがある先輩が複数いることが分かり、誰にも起こり得ることと、気持ちをしっかり切り替えてフランスに入れた」と明かした

Sho vs Kento
Sho beat Kento with no happy face

男子シングルスでは、1回戦でそれぞれ韓国のソン・ワンホ選手、マレーシアのチョン・ウェイフェン選手をストレートで下した桃田賢斗選手と佐々木選手が直接対決した。第1ゲームを桃田選手、第2ゲームを佐々木選手が取り迎えたファイナルゲーム、桃田選手が15-12とリードするが、ここから佐々木選手が5連続得点を決め逆転、そのまま21-19で逃げ切った

ただ、佐々木は試合後、BadPaL に対し、「上田のけが。田児の代表辞退により、世界に向けてがんばりたいと桃田と2人でやってきた。対戦しても敵という感覚はなく、勝ってうれしい気持ちもない」と複雑な心境を吐露した。その上で、「日本の男子シングルスとしては現在、桃田が1人で負担を背負っている状況。リオデジャネイロ五輪には2人で出場して負担を軽減しないと」と桃田選手とともに戦っていく姿勢を強調した。自身の調子については、「韓国オープンSSでベスト8に入り、調子は上がってきている」と説明。次は桃田世代の成長株、デンマークのビクター・アクセルセン選手か、同世代のベテラン、マレーシアのリーチョンウェイ選手との対戦になるが、「自分は相手を選べるような立場にない。(相手が誰であっても)何とかがんばりたい」と抱負を語った

Keigo-Naoko
Keigo / Naoko upset not only 1st but 2nd rounds

ベスト8入りした日本勢の中で、もっとも周囲を驚かせているのが混合ダブルスの園田・福万組だ。1回戦で今大会のディフェンディングチャンピオン、前週デンマークオープンSSプレミアでは準優勝した第2シードのインドネシアのタントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル組を破る金星。2回戦ではSS優勝経験のあるタイのベテラン、スッケー・プラパカモン/サラリー・トウントンカム組をストレートで退けた

こうした快挙にも園田・福万組は至って冷静。「(所属チームが異なるため)一緒に練習はそれほどやっていない。試合が練習という感じ。互いに役割を果たし最大限できることをやっていて、その成果が出ている」と淡々と語る。世界上位を相次いで倒しているが、自信について尋ねると、「組み始めた時からベスト8には行けるという気持ちがあった。今回は、相手の特徴などを話し合って、やり方を修正できた」と説明した。その一方で、もっと2人で(混合ダブルスの)練習ができればさらに上を目指せると思うか、との問いには、「それは違うと思う」と即答。それぞれ男女ダブルスの練習に集中した結果、個々のやるべきことがより明確になるとの考えを示している

ENDO-HAYAKAWA
ENDO / HAYAKAWA reached last 8

男子ダブルスでは、早川賢一・遠藤大由組が唯一、勝ち残った。2回戦の相手は、いったん解消したペアを再結成してリオデジャネイロ五輪出場を目指すマレーシアのクー・ケンケット/タン・ブンヒョン組。百戦錬磨のマレーシアペアに序盤から翻弄され第1ゲームを落とすが、昨年この大会で準優勝している早川・遠藤組は第2、第3ゲームを奪い返して、ベスト8入りを果たした

Kenta NISHIMOTO
Kenta NISHIMOTO played well against World No.2 but not good enough

一方、2回戦で敗れた日本勢のうち、予選勝ち上がりの男子シングルス西本拳太選手は、第2シードのデンマーク、ヤン・ヨルゲンセン選手にファイナルゲーム20-20まで食らいつく健闘を見せた

西本選手は試合後、コートを離れミックスゾーンに着くやいなや、短く大きな声を発し、悔しさを隠さなかった。ただその後は落ち着いた受け答えで、「攻め急いでしまった。ファイナルゲームに入り相手も疲れていたので、もう少し冷静にできていれば。2点の違いだがその差は大きい。点の取り方が違う。相手が強いと認めているが、それが最後に出てしまったと思う」と敗因を語った

今大会の総括と今後の目標を尋ねると、「(上田拓馬選手に勝って)初めてSSの本戦1回戦を突破できた。もちろん勝ちにいってはいるが、ここまでできるとは思っていなかった。SSは、グランプリ(GP)やGPゴールドとは雰囲気などすべてが違う。海外で開催されるSSを経験させてもらうようになって、練習も以前より目的を持って取り組むようになってきている。当面の目標は、SSで本戦から出場できるようにすること。26歳で迎える東京五輪に向け、今から世界ランクを上げてSSなどで上位選手と勝ったり負けたりを繰り返していかないと」と述べた

Viktor vs Chongwei
Viktor has overcome LIN Dan but not ChongWei yet

日本選手以外では、男子シングルスでデンマークのビクター・アクセルセン選手が、前週のデンマークオープンSSプレミアで破った中国リン・ダン選手に続いて、マレーシアのリー・チョンウェイ選手超えに挑んだが、ゲームカウント1対2で敗れ、通算7敗目を喫した

Stoeva sisters
Stoeva sisters upset one of Chinese pair

女子ダブルスでは、ブルガリアのガブリエラ・ストエバ/ステファニ・ストエバ組が、2011年ジャパンオープン優勝の中国バオ・イーシン/ツォン・チエンシン組を破る快挙。ストエバ姉妹は、2012年に千葉で開催された世界ジュニア選手権に出場していた「桃田世代」の選手だ

日本選手2回戦の結果

【男子シングルス】 桃田賢斗(世界4位)〈21-15,19-21,19-21〉佐々木翔(世界22位)、ヤン・ヨルゲンセン(デンマーク、世界2位)〈21-14,19-21,22-20〉西本拳太(世界95位※予選勝ち上がり)

【女子シングルス】 ワン・イーハン(中国、世界8位)〈13-21,14-21〉奥原希望(世界9位)、サイナ・ネワル(インド、世界2位)〈21-19,21-16〉三谷美菜津(世界16位)、ラッチャノク・インタノン(タイ、世界7位)〈21-15,21-13〉佐藤冴香(世界19位)、ワン・シーシャン(中国、世界6位)〈21-16,21-19〉今別府香里(世界37位)

【男子ダブルス】 早川賢一・遠藤大由(世界5位)〈14-21,21-19,21-16〉クー・ケンケット/タン・ブンヒョン(マレーシア、世界22位※予選繰り上がり)、イ・ヨンデ/ユ・ヨンソン(韓国、世界1位)〈21-9,29-30,21-14〉平田典靖・橋本博且(世界16位)、ヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン(インドネシア、世界2位)〈21-11,21-16〉数野健太・山田和司(世界23位)

【女子ダブルス】 高橋礼華・松友美佐紀(世界1位)〈13-21,17-21〉タン・ジンフア/ホワン・ヤチオン(中国、世界316位)

【混合ダブルス】 リュウ・チェン/バオ・イーシン(中国、世界3位)〈18-21,21-15,21-10〉早川賢一・松友美佐紀(世界20位)、スッケー・プラパカモン/サラリー・トウントンカム(タイ、世界19位)〈15-21,16-21〉園田啓悟・福万尚子(世界56位)、クリス・アドコック/ガブリエル・アドコック(イングランド、世界7位)〈21-18,21-15〉数野健太・栗原文音(世界65位)

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準々決勝の対戦カード

【男子シングルス】

ワン・ツェンミン(中国、世界9位)対ラジフ・ウーセフ(イングランド、世界23位)

リー・チョンウェイ(マレーシア、世界19位)対佐々木翔(世界22位)

チョウ・ティエンチェン(台湾、世界5位)対グ・カロン(香港、世界29位)

ヤン・ヨルゲンセン(デンマーク、世界2位)対ティエン・ホウウェイ(中国、世界11位)

【女子シングルス】

サイナ・ネワル(インド、世界2位)対ラッチャノク・インタノン(タイ、世界7位)

ワン・シーシャン(中国、世界6位)対奥原希望(世界9位)

タイ・ツーイン(台湾、世界4位)対リ・シュエリ(中国、世界5位)

カロリナ・マリン(スペイン、世界1位)対マリア・フェベ・クスマストゥティ(インドネシア、世界33位)

【男子ダブルス】

イ・ヨンデ/ユ・ヨ ンソン(韓国、世界1位)対早川賢一・遠藤大由(世界5位)

フー・ハイファン/ツァン・ナン(中国、世界4位)対キム・サラン/キム・ギジョン(韓国、世界13位)

マシアス・ボー/カールステン・モゲンセン(デンマーク、世界3位)対マッズ・コンラド・ペターセン/マッズ・ピーラー・コルディング(デンマーク、世界9位)

ヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン(インドネシア、世界2位)対ワン・チリン/チェン・フンリン(台湾、世界26位)

【女子ダブルス】

キム・ハナ/オム・ヘウォン(韓国、世界131位)対タン・ジンフア/ホワン・ヤチオン(中国、世界316位)

ガブリエラ・ストエバ/ステファニ・ストエバ(ブルガリア、世界14位)対チョン・ギョンウン/シン・スンチャン(韓国、世界51位※予選勝ち上がり)

グレイシア・ポリー/ニトヤ・クリシンダ・マヘスワリ(インドネシア、世界4位)対キム・ソヨン/チェ・ユジョン(韓国、世界31位)

ルオ・ユー/ルオ・イン(中国、世界2位)〈棄権〉セリーナ・ピーク/イーフィア・ムスケンス(オランダ、世界9位)

【混合ダブルス】

ルー・カイ/ホワン・ヤチオン(中国、世界8位)対リュウ・ユーチェン/タン・ジンフア(中国※予選勝ち上がり)

シュー・チェン/マー・ジン(中国、世界4位)対プラビーン・ジョーダン/デビー・スサント(インドネシア、世界9位)

リュウ・チェン/バオ・イーシン(中国、世界3位)対クリス・アドコック/ガブリエル・アドコック(イングランド、世界7位)

コ・ソンヒョン/キム・ハナ(韓国、世界6位)対園田啓悟・福万尚子(世界56位)

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