ユースオリンピック・バドミントン競技5日目、女子シングルスの山口茜選手、混合ダブルスの常山幹太選手ともに勝ち、金メダルをかけてあす決勝を戦う

山口選手の準決勝の相手は、4月の世界ジュニア選手権団体戦準々決勝でまさかのストレート負け(15-21,11-21)を喫した台湾リー・チアシン選手。今大会は、一次リーグで世界ジュニア銅メダルの中国チン・ジンジン選手を破って1位通過。準々決勝では韓国キム・ガウン選手にストレート勝ちするなど勢いに乗っている。第1ゲームは山口選手が力の差を見せ21-11で取り、第2ゲームも前半を11-5で折り返した時点で勝負あったかと思われた。しかし13-6から6連続得点を決められ1点差に詰め寄られると、その後もじりじり追い上げられ18-21と逆転されてしまう
ファイナルゲームに入っても台湾選手を大きく突き放せず、逆に山口選手にしては珍しく、ラリー中に大きくバランスを崩して転倒するなど苦戦を強いられる。それでも最後は21-15で振り切り1時間に及んだ接戦に勝利。世界ジュニアの雪辱を果たした
山口選手は試合後、「シャトルの飛びが伸びる方のコートに入った第2ゲームの後半、相手がショートサーブに切り替えてきたのに対応できなかった」と、逆転を許した場面を振り返った。それでも、結果的には第1ゲームを圧倒しながら第2ゲーム後半に巻き返される前日の試合と同じような展開になったが、との問いには「内容が違う」ときっぱり答え、集中力を欠くという同じミスを繰り返したわけではないことを強調した

山口選手に敗れたリー選手は、この日の最終試合で常山選手と組む混合ダブルスに臨んだ。対戦したのは、女子シングルス世界ジュニアランクで山口選手に次いで2位につける中国ホー・ビンジャオ選手と長身のスリランカ男子のペア。1ゲームずつを取り合い迎えたファイナルゲーム、7-10の劣勢からインターバルをはさんで8連続得点を決め逆転に成功すると、リードを保ったまま20-16とマッチポイントを握る。ここから相手の粘りにあい1点差まで詰め寄られるが21-19で勝ち、銀メダル以上を確定させた
常山選手は試合直後、BadPaL に対し、「(追い上げられた)最後は緊張した」と笑顔で明かした。この試合では、言葉を通じた意思疎通がままならない2人の士気を高める意味でも「声を出していかないと」と思っていたという。マレーシア男子と香港女子のペアと対戦する決勝への意気込みを聞くと「勝つ」と力強く答えた
これ以外では、女子シングルスでホー・ビンジャオ選手、男子シングルスはシー・ユーチ選手とリン・グェイプ選手と、中国から3人が決勝に進んだ。この結果、男女シングルスの決勝は、世界ジュニア選手権の決勝と同じ顔合わせとなった
◆女子シングルス準決勝
山口茜(A組1位)〈21-11,18-21,21-15〉リー・チアシン(C組1位、台湾)
ブサナン・ウンバンルンパン(F組1位、タイ)〈14-21,16-21〉ホー・ビンジャオ(H組1位、中国)
◆男子シングルス準決勝
シー・ユーチ(A組1位、中国)〈21-10,24-22〉アディトヤ・ジョシ(D組1位、インド)
アンソニー・ギンティン(F組1位、インドネシア)〈21-19,19-21,17-21〉リン・グェイプ(H組1位、中国)
◆混合ダブルス準決勝
メク・ナロングリット/チン・ジンジン(B組1位、タイ/中国)〈11-21,7-21〉
チーム・ジュンウェイ/グ・ツーヤウ(C組1位、マレーシア/香港)
常山幹太/リー・チアシン(E組1位、日本/台湾)〈21-14,7-21,21-19〉サチン・プレマシャン・ディアス・アンゴダビダナラゲ/ホー・ビンジャオ(H組1位、スリランカ/中国)