ベトナムオープンＧＰ準々決勝、日本勢で準決勝に勝ち進んだのは、男子シングルスの上田拓馬選手のみとなった。女子シングルスの今別府香里選手と女子ダブルスの馬上愛実・下﨑彩組はマッチポイントを握りながら、最後の１点に手が届かずベスト４入りを逃した
上田選手は、長身のインド選手が繰り出す角度とスピードのあるスマッシュに手を焼く場面も見られたが、全体を通してみると試合を支配。順当に勝ち上がった。準決勝では、第２シードのディオニシウス・ハヨム・ルンバカ選手に挑む。上田選手は５月の男子国地域別対抗戦トマス杯の準々決勝で第３シングルスとしてルンバカ選手と対戦。プレッシャーのかかる中、精神面の強さを見せて勝ち、日本に銅メダルをもたらした
男子シングルスでもう１人、準々決勝に臨んだ桃田賢斗選手は、第１シード、地元ベトナムのグエン・ティエンミン選手に挑んだ。随所に非凡さを見せ、ラリーでは互角に渡り合い第２ゲーム、15-11とリードするなど、世界ランク14位のグエン選手を追い込むが、決め手に欠き、ショットの精度を最後まで維持することはできず、ディフェンディングチャンピオンを攻略するまでには至らなかった
女子シングルスでは、昨年準優勝の今別府選手が、第１ゲームを先取。第２ゲームもリードし、３つのマッチポイントを握る。しかし前日、奥原希望選手を破ったタイの若手、ブサナン・ウンバンルンパン選手に連続得点を与え、よもやの逆転を許してしまう。ファイナルゲームは10-14とリードされ、一気に持って行かれそうな流れになる。ここから今別府選手は、シャトルを拾いまくる粘りのプレーを展開。長いラリーに相手がミスするようになり、試合は接戦に。今別府選手は19-19まで食らいついたが、最後は19-21で力尽きた
女子ダブルスの馬上・下﨑組は、松尾静香・内藤真実組を破った前日の勢いをかってベスト４進出を狙ったが、台湾のベテラン、世界９位のチェン・ユーチン選手がウー・ティジュン選手と組むペアに圧倒され、第１ゲームを落とす。第２ゲームも台湾ペアのペースで進むが、後半追い上げ14-14で追いつくと、このゲームを23-21で取り返し試合をふりだしに戻す。ファイナルゲームも地力に勝る台湾ペアが11-6とリードして折り返すが、やはりインターバル後、13-13で追いつき、１点を取り合う攻防となる。台湾ペアが先に20-18とマッチポイントを握るが、日本ペアもねばって追いつき、逆に21-20とマッチポイントを奪い返す。しかし、直後に日本ペアが放ったショットがネットのテープに当たって自陣に落ちると、続く２点を台湾ペアが取り、馬上・下﨑組の準決勝進出の夢は断たれた
馬上選手は試合後、あと一歩のところで勝ちを逃した要因として、「運がなかった。昨日で使い果たしてしまった（笑）」とさばさばした表情で語った。今大会での結果を踏まえ、「このレベルでやれるという自信を得た、とまではいかないが、この日のことを忘れないようにしていきたい」と今後につなげていく姿勢を示した。なお、下﨑選手がシンガポールに活動の拠点を移すため、馬上・下﨑組にとってこれが最後の試合となった
このほか、女子シングルスの廣瀬栄理子選手は第１ゲームを先取しながら、ボールコントロールに苦しみ、第２、第３ゲームを落として逆転負け。女子ダブルスの脇田侑・江藤理恵組は第２ゲーム、マッチポイントを握られた後に20-20まで追いつく粘りを見せるもストレート負けで、ともに準々決勝で姿を消した
各種目準々決勝の結果
【男子シングルス】 グエン・ティエンミン（ベトナム、世界14位）〈21-14,21-18〉桃田賢斗（世界135位）、アラムシャ・ユヌス（インドネシア、世界27位）〈11-21,14-21〉ソニー・ドゥイ・クンチョロ（インドネシア、世界28位）、上田拓馬（世界35位）〈21-8,21-17〉アーバインド・バート（インド、世界64位）、ディオニシウス・ハヨム・ルンバカ（インドネシア、世界20位）〈21-15,21-18〉チョウ・ティエンチェン（台湾、世界42位）
【女子シングルス】 ポーンティップ・ブラナプラサーツク（タイ、世界17位）〈19-21,21-15,21-14〉アプリラ・ユスワンダリ（インドネシア、世界41位）、今別府香里（世界43位）〈21-17,20-22,19-21〉ブサナン・ウンバンムルンパン（タイ、世界76位）、サプシリー・タエラッタナチャイ（タイ、世界34位）〈21-18,21-19〉ベラエトリックス・マヌプティ（インドネシア、世界40位）、廣瀬栄理子（世界22位）〈21-14,10-21,14-21〉リンダウェニ・ファネトリ（インドネシア、世界74位）
【男子ダブルス】 キム・サラン／キム・ギジョン（韓国、世界17位）〈21-11,21-12〉タン・ビンシェン／チョウ・パクチュウ（マレーシア、世界277位）、ヨハネス・レンディ・スギアルト／アフィアト・ユリス・ウィラワン（インドネシア、世界49位）〈21-9,21-17〉マルキス・キド／アルベン・ユリア ント・チャンドラ（インドネシア）、リッキー・カランダ・ スワルディ／ムハンマド・ウリヌハ（インドネシア、世界32位）〈21-17,11-21,21-13〉ギデオン・マルクス・フェルナルディ／アグリピンナ・プリマ・ラーマント・プトラ（イン ドネシア、世界34位）、マニーポン・ジョンジット／ボディン・イサラ（タイ、世界16位）〈23-21,15-21,21-10〉フーン・ティエンハウ／タン・ウィーキョン（マレーシア、世界42位）
【女子ダブルス】 馬上愛実・下﨑彩（世界94位）〈14-21,23-21,21-23〉チェン・ユーチン／ウー・ティジュン（台湾）、ウーン・ケーウェイ／フー・ビビアン・カームン（マレーシア、世界22位）〈21-18,19-21,12-21〉ピア・ゼバディア・ベルナデス／リズキ・アメリア・プラディプタ（インドネシア、世界52位）、グ・フイリン／グ・フイアン（マレーシア、世界35位）〈21-18,22-20〉脇田侑・江藤理恵（世界56位）、ラム・ナリッサパト／パッチャナト・クラジャンジット（タイ、世界163位）〈16-21,16-21〉ポーンティップ・ブラナプラサーツク／ブサナン・ウンバンルンパン（タイ）
【混合ダブルス】 タン・アイククアン／ライ・ペイジン（マレーシア、世界42位）〈22-20,21-8〉イ・サンジュン／キム・ソヨン（韓国）、フラン・クルニアワン／シェンディ・プスパ・イ ラワティ（インドネシア、世界28位）〈20-22,24-22,21-13〉リキー・ウィディアント／プスピタ・リチ・ディリ（インドネシア、世界43位）、オン・ジアングオ／リム・インルー（マレーシア、世界53位）〈21-18,8-21,22-20〉モハド・ファイルジズアン・モハド・タザリ／ケシャ・ヌルビタ・ハナディア（マレーシア／インドネシア）、シィティポン ラポー／ピーラヤ・ムンキタモーン（タイ、世界78位）〈21-23,11-21〉マルキス・キド／ピア・ゼバディア・ベルナデス（インドネシア、世界97位）
準決勝の対戦カードは以下の通り。インドネシア選手が全ての種目で勝ち残っている
【男子シングルス】
グエン・ティエンミン（ベトナム、世界14位）対ソニー・ドゥイ・クンチョロ（インドネシア、世界28位）
ディオニシウス・ハヨム・ルンバカ（インドネシア、世界20位）対上田拓馬（世界35位）
【女子シングルス】
ポーンティップ・ブラナプラサーツク（タイ、世界17位）対ブサナン・ウンバンルンパン（タイ、世界76位）
サプシリー・タエラッタナチャイ（タイ、世界34位）対リンダウェニ・ファネトリ（インドネシア、世界74位）
【男子ダブルス】
キム・サラン／キム・ギジョン（韓国、世界17位）対ヨハネス・レンディ・スギアルト／アフィアト・ユリス・ウィラワン（インドネシア、世界49位）
マニーポン・ジョンジット／ボディン・イサラ（タイ、世界16位）対リッキー・カランダ・ スワルディ／ムハンマド・ウリヌハ（インドネシア、世界32位）
【女子ダブルス】
ピア・ゼバディア・ベルナデス／リズキ・アメリア・プラディプタ（インドネシア、世界 52位）対チェン・ユーチン／ウー・ティジュン（台湾）
グ・フイリン／グ・フイアン（マレーシア、世界35位）対ポーンティップ・ブラナプラサーツク／ブサナン・ウンバンルンパン（タイ）
【混合ダブルス】
フラン・クルニアワン／シェンディ・プスパ・イ ラワティ（インドネシア、世界28位）対タン・アイククアン／ライ・ペイジン（マレーシア、世界42位）
オン・ジアングオ／リム・インルー（マレーシア、世界53位）対マルキス・キド／ピア・ゼバディア・ベルナデス（インドネシア、世界97位）
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