
シンガポールオープンSS準決勝、混合ダブルスの池田信太郎・潮田玲子組が、佐藤翔治・松尾静香組との同国対決を制し、日本勢としてこの種目初の決勝進出を決めた

試合は、レシーブの安定感で勝る池田・潮田組が第1ゲーム中盤以降、主導権を握る。佐藤・松尾組も追いかけるが、要所要所でミスが出て、追い切れず、この種目のスペシャリスト、池田・潮田組が21-18,21-16のストレートで勝利した
池田・潮田組は試合直後、BadPaL の取材に応じ、「(佐藤)翔治のペアとはこれまで何度か練習したことはあるが、試合となると別。もう少しすっきり勝ちたかったというのも少しはあるが、翔治たちに実力があり本番に強いのは分かっていたので、競り合いの中でしっかり勝ててよかった」と述べた
決勝の相手は、昨年のジャパンオープンSSで優勝した台湾のチェン・フンリン/チェン・ウェンシン組となったが、潮田選手は「台湾ペアは世界ランク上位で、ファイナルゲームまで競り合うところまではいけるが、(過去4度対戦して)まだ勝てていない。しかし、SSのファイナルに立てる機会などめったにないことなので、ぜひ勝ちたい」と優勝に意欲を見せた。池田選手も「決勝はオリンピック本番を想定して戦う。メーンコートでの試合で緊張もあると思うが、自分たちのパフォーマンスをしっかり出して、勝って帰りたい」と強い口調で決意を語った

男子ダブルスの早川賢一・遠藤大由組は、北京五輪金メダリストのマルキス・キド/ヘンドラ・セティアワン組に挑んだ。第1ゲームは中盤、速い展開のゲームに対応し た早川・遠藤組が抜け出し、そのまま21-16で先取した。しかし第2ゲームに入ると地力に勝るキド/セティアワン組が攻勢となり、早川・遠藤組はこの ゲームを11-21で落とす。迎えたファイナルゲームでは、何とか追いすがろうとする日本ペアを尻目に、インドネシアペアが効果的な攻撃で徐々に点差を広 げ、終わってみれば一度もリードを譲らぬまま21-16で振り切った
遠藤選手は試合直後、BadPaL に対し、「思っていた通りの結果。勉強になった」と、くやしさを表情には見せず淡々と語った。一方、早川選手は「自分の思うようなプレーが第1ゲームではできていたが、第3ゲームはまったくできず何をしていいか分からない状態に。自滅したというより、させられたという感じ」とくやしさをにじませた
早川・遠藤組は前日の準々決勝の後、今後の目標として、「オリンピックレースが終わって今は何もない。4年後は長いので、まず2年後のアジア大会でのメダル獲得を目標にレベルアップを狙ってチャレンジしていく」と答えている

前日会場を沸かせた女子ダブルスの末綱聡子・前田美順組は、日本ペアに負けなしの13連勝中の中国の若手バオ・イーシン/ツォン・チエンシン組からの初勝利奪取を目指した。しかし試合は序盤から中国ペアのペースで進み、第1ゲームは一度もリードを奪えぬまま15-21、第2ゲームに入るとさらに点差は開き8-21で敗れ、日本勢としては14敗目を喫した
昨年のジャパンオープンSSでノーシードから優勝し、鮮烈な国際デビューを果たしたバオ/ツォン組は、世界ランクも当時の90位から1年足らずの間に5位まで急浮上。ロンドン五輪にこそ間に合わなかったものの、今や中国の3番手。名実ともに世界のトップとして名を連ねている
末綱・前田組は BadPaL に対し、この中国ペアの強さに関し、「球の速さというよりショットに角度があるので後ろで構えてしまう。スマッシュとカットがあるので、ドライブで返そうとしても待ちすぎるなどしてしまい、力の調整が難しい」と述べた
一方、ロンドン五輪までの残り1カ月について、末綱選手は「技術が伸びるわけではないので、持っているショットの確実性を高めていく。加えて、五輪までに『これだけやった』という自信を付けるために、日々の練習を悔いのないようこなしていく」と述べた。前田選手は「今回の遠征、インドネシアとシンガポールでの反省点の修正のほか、できたところの練習も行い、自分の長所を伸ばしていきたい」と語った
各種目準決勝の結果
【男子シングルス】
ワ ン・ツェンミン(中国、世界18位)〈21-13,21-14〉ビクター・アクセルセン(デンマーク、世界29位)、グエン・ティエンミン(ベトナム、世界11位)〈12-21,21-18,19-21〉ブーンサック・ポンサナ(タイ、世界32位)
【女子シングルス】
チェン・シャオチエ(台湾、世界13位)〈23-21,21-7〉シン・アイイン(シンガポール、世界49位)、ユリアン・シェンク(ドイツ、世界6位)〈21-11,20-22,21-12〉ソン・ジヒョン(韓国、世界8位)
【男子ダブルス】
マルキス・キド/ヘンドラ・セティアワン(インドネシア、世界8位)〈16-21,21-11,21-15〉早川賢一・遠藤大由(世界13位)、ユ・ヨンソン/コ・ソンヒョン(韓国、世界4位)〈19-21,21-19,21-14〉ボナ・セプタノ/モハンマド・アーサン(インドネシア、世界7位)
【女子ダブルス】
バオ・イーシン/ツォン・チエンシン(中国、世界5位)〈21-15,21-8〉末綱聡子・前田美順(世界9位)、チェン・ウェンシン/チエン・ユーチン(台湾、世界11位)〈21-13,19-21,21-16〉グレイシア・ポリー/メイリアナ・ジャウハリ (インドネシア、世界13位)
【混合ダブルス】
池田信太郎・潮田玲子(世界11位)〈21-18,21-16〉佐藤翔治・松尾静香(世界15位)、チェン・フンリン/チェン・ウェンシン(台湾、世界5位)〈21-16,21-13〉チャン・ペンスーン/ゴー・リュウイン(マレーシア、 世界8位)
決勝の対戦カードは以下の通り。台湾選手が3種目に勝ち残った。女子ダブルスの決勝は、昨年のジャパンオープン決勝と同じ組み合わせ
【男子シングルス】 ワ ン・ツェンミン(中国、世界18位)対ブーンサック・ポンサナ(タイ、世界32位)
【女子シングルス】ユリアン・シェンク(ドイツ、世界6位)対チェン・シャオチエ(台湾、世界13位)
【男子ダブルス】 ユ・ヨンソン/コ・ソンヒョン(韓国、世界4位)対マルキス・キド/ヘンドラ・セティアワン(インドネシア、世界8位)
【女子ダブルス】 バオ・イーシン/ツォン・チエンシン(中国、世界5位)対チェン・ウェンシン/チエン・ユーチン(台湾、世界11位)
【混合ダブルス】 チェン・フンリン/チェン・ウェンシン(台湾、世界5位)対池田信太郎・潮田玲子(世界11位)