
ホーチミン市の主要な観光名所、サイゴン大教会(Nha tho Duc Ba Sai Gon)と統一会堂の間に位置する4月30日公園。これを取り囲むように配置されている石ダタミの歩道上には、白いペンキで合わせて10面余りのバドミントンコートのラインが引かれている。多くの人が行き交う日中には誰も気に留めないかもしれないが、朝早い時間にここを訪れると、違った光景が見られる
午前6時前、ラケットを差したバックパックを背負い、多くの人がスクーターなどでこの公園に乗り付けてくる。コート脇に立つ自然木(片側の木には、ネットをかけるためのフックが取り付けてある)を利用して持参したネットを張り、早朝バドミントンに興じるためだ
興じるといっても、いわゆる羽つきではなく、ここではバックハンドサービスから始まる本格的なゲームが多く展開される。皆、風で流されるシャトルの軌道をうまく把握してプレーており、強烈なスマッシュを打ちこむ人の姿も珍しくない

ただ、人や車の往来が増えてくる午前7時近くになると、担当係官がやってきて開放時間の終了を告げる。利用者は名残惜しげにネットを取り外すと、各々帰路につく。すると、それまで活気のあったバドミントンコート周辺は、何事もなかったかのように通常の歩道に戻る
1975年4月30日、ベトナム戦争終結に向け、南ベトナム解放のため北軍らが突入した大統領官邸(現在の統一会堂)。その眼前に広がるこの公園にある屋外コートは、毎日早朝に開放され、誰でも利用できる。料金の徴収はなく、利用は基本的に早い者勝ちになっている。ちなみに、ここでプレーする人に若者が少ないのは、朝早く起きられないため、とも言われる