タイオープングランプリ(GP)ゴールド準決勝、男子ダブルスを除く4種目(シングルス4人、ダブルス3組)でベスト4入りを果たした中国は、女子シングルスと女子ダブルスの決勝4枠を独占したが、混合ダブルスではこのところ好調だった期待のペアが敗れ、決勝進出を逃した 男女混合国別対抗戦スディルマンカップで中国4連覇に大きく貢献した混合ダブルスのシュ―・チェン/マー・ジン組(世界ランク22位)は、台湾のリー・シェンム/チエン・ユーチン組(世界14位)に逆転負け(21-17,19-21,15-21)を喫した。シュ―/マー組はそれぞれ国際大会で実績を残している実力者同士のペアだが、今年に入り新たに結成されたダブルスで、中国ペアの中では依然3番手。現時点ではロンドン五輪出場資格獲得圏内に入っておらず、この大会で優勝してランキングポイントの大幅な上積みを図りたいところだったが、ベスト4どまりとなった
Month: June 2011
Brands Map in Asia-Pacific
バドミントンのブランド各社による有力選手のスポンサー契約獲得の動きがここ数年、アジア大洋州において活発化している。かつてはヨネックスが、日本以外でもその強大な影響力で市場の大きな部分を占めてきた。現在も、同社の業界トップの地位に変わりはないが、昨今は他国・地域発のメーカーがヨネックスの牙城切り崩しを狙い、台頭し始めている まず、あらためてバドミントン界でその存在をアピールしたのが台湾発のビクター(Victor)。飛躍のきっかけは2009年2月、韓国ナショナルチームのスポンサーについたこと。同年6月にはフィリピン・ナショナルチームとも用具提供を中心としたスポンサー契約を締結。ほかにも、中国、台湾、マレーシア、タイ、ベトナムのプロ選手をサポートし、この年、東南アジアを中心に市場を広げた 続いて頭角を現したのが中国のスポーツブランド、李寧(Li-Ning)。09年5月に自国で開催された男女混合国別対抗戦スディルマンカップ(杯)で中国ナショナルチームのスポンサーとしてバドミントン界に本格参入。以降、国際大会で上位を独占する中国選手とともにプレゼンスを拡大した。中国以外では香港、インド、タイの選手と個人契約を結び、シンガポールとオーストラリアのナショナルチームのスポンサーも手掛ける。李寧は、中国の次にとりわけ東南アジアでの市場拡大を目指しており、2010年からシンガポールを拠点に次世代選手の囲い込みを狙ったマーケティングを展開している インドネシア発のフライパワー(Flypower)は、北京五輪男子ダブルスの金メダリストで、現在はナショナルチームを離れプロ選手として活躍する自国のスター、マルキス・キド/ヘンドラ・セティアワン組を獲得。近隣諸国で開催される大会やクラブの支援を通じたプロモーションを行っている
【PlaceToPlay】 Play in Qingdao, China
中国山東省青島市で開催された、男女混合国別対抗戦スディルマンカップを取材に訪れた登録メディアだけを招待したミニバドミントン大会が、世界バドミントン連盟(BWF)の勧めもあって開催された。設定された会場は、「中国青島銀海羽毛球学校(Qingdao China Yinhai Badminton School)」 海に面した銀海大世界院のヨットハーバーに隣接する、青島銀海インターナショナルヨットクラブの施設内に位置するこのバドミントン場は地下に設置されている。ただ、地下とは思えないほど明るく、きれいに整備されたタラフレックスのコートが18面ある コートの脇には、バドミントンショップのほか、「健身区」と称するウエイトトレーニングやトレッドミルなどの設備が並ぶ一画があり、総合的なトレーニング施設として使用できるほど充実している 営業時間は午前7時から午後9時まで
Badminton promotion in China
先の男女混合国別対抗戦スディルマンカップ(杯)で、ほかの国・地域を寄せ付けぬ圧倒的な強さで大会4連覇を果たした中国チーム。高い確率で国際舞台での勝利が期待できるスポーツの1つとして、バドミントンは中国国内で高い人気を誇っている ただ地元のメディア関係者に聞くと、卓球の人気の方が高いとか、アジア選手で初めて4大大会(全仏オープン)を制したリ・ナ選手の活躍により、次代を担う子どもたちの間でテニス人気が高まりつつあるという声も聞かれ、強国中国といえど、バドミントンのさらなる振興に向けてはより一層の努力が必要となりそうだ 中国が行う取り組みの中で、ナショナルチームのほか、中国で開催される国際大会のスポンサー獲得は、一定の評価がなされてよいだろう。前回2009年のスディルマン杯以降、ヨネックスに代わって香港証券市場に上場する中国のスポーツ用品大手、李寧(Li-Ning)がナショナルチームのバックアップに入ったほか、バドミントン競技のスポンサーとしては珍しく、自国企業ではなく、フェデックス(物流)、シトロエン(自動車)、レッドブル(飲料)といった中国事業での宣伝効果を狙う外資系大手企業から支援を取り付けている。固定しがちな大会メーンスポンサーについても、直近のスディルマン杯(5月)では新たな地場企業、青島双星集団公司の誘致に成功した