コート横でカメラを構え世界のトッププレーヤーの姿を追っている。連写機能付きではない機種を使用しているため1枚1枚撮り重ねていく必要があるが、被写体としてカメラに収めるのが難しい選手がいる

1つは佐藤翔治選手や男子シングルス世界ランク7位のグエン・ティエンミン選手(ベトナム)に代表される、圧倒的なスピードをほこる選手。ただ、試合が進み目が慣れていくにつれ、徐々に彼らの動きを追えるようになる。一方、先のアジア選手権であらためて難しさを認識したのは、準決勝に出場した混合ダブルス世界2位のスッケー・プラパカモン選手(タイ)と女子シングルス世界15位のチェン・シャオチエ選手(台湾)の2人だ

両選手は、世界トップの中では特別スピードが速いというわけではない。ただ、プラカモル選手の場合、例えばジャンプしてから実際にシャトルを打つまでのタイミングがこちらの予想から微妙にずれるためシャッターを切るタイミングがつかみづらい。またチェン選手は、予測不能な動きが多く、こちらがショット直前に思い描く「狙った絵」にならないことばかり
コートの外から冷静に見ていてこうなのだから、コート内で対峙する対戦相手は、両選手のショットに対する初動のタイミングを外されるなど、少なからず影響を受けていると想像できる。ともに小柄で、国際舞台で戦うアスリートとして必ずしも体格的に恵まれているとはいえない両選手が長く世界のトップとして活躍していられるのは、こんなところに秘密があるのかもしれない