
台湾オープングランプリ(GP)ゴールド最終日、韓国とインドネシアの選手ばかりが名を連ねる中、唯一、両国以外の選手として決勝のコートに立った地元台湾の女子シングルス、チェン・シャオチエ選手に注目が集まった

昨年と同じ組み合わせとなった決勝戦は、1時間を超える壮絶な試合に。チェン選手は格上の韓国ベ・スンヒ選手(世界ランク16位)から第1ゲームを21-11で先取するも、第2ゲームはベ選手が意地を見せて26-24で取り返し、第3ゲームに突入した。チェン選手は、第2ゲーム途中から負傷した足をひきづり、苦悶の表情を見せ始める。それでも観衆の大声援をバックに最終ゲームを戦い抜き、21-17で勝利をもぎ取った。ウィニングポイントを奪った後はコートに倒れ込みしばらく動けず、関係者の肩を借りなければ立ち上がれない状態。気力を振り絞って戦った同選手に、会場全体から惜しみない歓声と拍手が贈られた

試合後、同選手は、会場入りしていたヨネックスの米山勉社長から特別に、優勝賞金とは別に金一封を受け取った
チェン選手はBadPaLに対し、足の痛みは1ゲーム目は大したことはなかったが、徐々に足の付け根から太股の裏、さらには膝へと広がり、痛みが増していったと説明した。それでも、試合途中で棄権しようとは一切考えなかったという。マッチポイントを握り、最後の得点を入れて倒れこんだ場面については、ようやく終わったというのが実感で、勝ったとは思わなかったそうだ。また試合中の観衆の大歓声はちゃんと聞こえていて、プレッシャーに感じることはなく、非常に感動したと述べた
今後の目標を尋ねたところ、オリンピックをはじめとする大きな大会への出場経験もあり、特にないと答えた。ただ、出場する試合を楽しみたいという

なおチェン選手は、いずれもフルゲームながら2年連続で決勝戦で勝利したベ選手の印象について、余り変わっていないと感想を述べている
現在24歳のチェン選手は、父親が小学生のコーチをしていることも影響して、幼稚園からバドミントンをはじめ、ティーンエイジャーのころには世界で頭角を現した。2004年、18歳でアテネ五輪に出場しベスト8進出。翌2005年、19歳の時には米国で開催された世界選手権でベスト4に入った実績を有する
一方、混合ダブルス決勝では、第1シードのヘンドラ・アプリダ・グナワン/ビタ・マリッサ組(インドネシア)が、前週のマカオGP決勝で敗れたトントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル組(インドネシア)に(22-20,14-21,22-20)で競り勝ち、リベンジを果たした
5種目の優勝者を国・地域別で見ると、韓国2勝、インドネシア2勝、台湾1勝となった
【男子シングルス】 シモン・サントソ選手(インドネシア、世界8位)
【男子ダブルス】 チョン・ジェソン/イ・ヨンデ組(韓国、世界6位)
【女子シングルス】 チェン・シャオチエ選手(台湾、世界51位)
【女子ダブルス】 イ・ヒョジュン/キム・ミンジュン組(韓国、世界45位)
【混合ダブルス】 ヘンドラ・アプリダ・グナワン/ビタ・マリッサ組(インドネシア、世界4位)