
アジアジュニア選手権個人戦決勝、中国が昨年に続いて5種目完全制覇を決め、今年の大会を締めくくった。一方、日本は女子ダブルスの川島美南・上杉夏美組がベスト4に入り、6年連続でメダルは確保した。ただ、2012年の桃田賢斗から大堀彩、山口茜と3年続いた金メダルへの距離は、徐々に広かりつつある
日本選手過去6年のメダル実績
◆2011年:銅2個(桃田賢斗、鳥居彩乃・櫻本絢子)
◆2012年:金1個(桃田賢斗)、銀1個(奥原希望)、銅1個(山口茜)
◆2013年:金1個(大堀彩)
◆2014年:金1個(山口茜)、銀1個(常山幹太)、銅3個(常山幹太・下農走、渡辺勇大・三橋健也、川島里羅・尾崎沙織)
◆2015年:銅3個(渡辺勇大、荒木萌恵、志田千陽・松山奈未)
◆2016年:銅1個(川島美南・上杉夏美)

今年のアジアジュニアは男子シングルス、女子シングルス、混合ダブルスでそれぞれ台湾、インドネシア、韓国の選手が決勝に進出。中国による2年連続の5種目完全制覇阻止に挑んだが、すべて跳ね返された。このうち最も勝利に近づいたのは混合ダブルスの韓国キム・ウォンホ/イ・ユリム組。1996年アトランタ五輪混合ダブルス金メダルのキル・ヨンア元選手を母に持つキム選手の活躍もありファイナルゲーム19-20まで詰め寄るも、タイトル奪取には至らなかった

注目の男子シングルスは、男女混合団体戦で日本期待の渡邉航貴選手を17-21,21-16,21-19で振り切ったスン・フェイシアン選手が、個人戦では6試合すべてストレート勝ち。リン・ダン(2000年)、チェン・ロン(07年)、ティエン・ホウウェイ(09年)ら、現在も世界のトップで活躍する中国の先輩たちがジュニア時代に制してきたタイトルを手にした。なお、スン選手が今大会、団体・個人戦を通じて落としたゲームは、渡邉選手との第1ゲームのみ

女子シングルスは、中国チェン・ユーフェイ選手が今大会、団体戦も含め一度もゲームを落とさぬ安定した強さを示し優勝。昨年ホー・ビンジャオ選手が日本から取り戻したこの種目のタイトルを守った
中国は同国対決となった男女のダブルスも含め、個人戦5つのタイトルを手にしたが、今回優勝した選手は、女子ダブルスのシュー・ヤ選手を除き、昨年に続く出場。前回敗れた経験を活かし、前回を上回る結果を収めてみせた
日本が今後、アジアジュニア、さらにその後に控える世界ジュニアで持続的に成果をあげていくには、エントリーメンバーを出場資格上限の年齢である18歳で固めるのではなく、翌年以降も狙える17歳以下の選手を常に一定数含めていく必要がある
決勝の結果
【男子シングルス】 スン・フェイシアン(中国、第8シード)〈21-13,21-15〉リー・チアハオ(台湾、第7シード)
【女子シングルス】 チェン・ユーフェイ(中国、第3シード)〈25-23,21-14〉グレゴニア・マリスカ(インドネシア、第4シード)
【男子ダブルス】 タン・チアン/ホー・ジティン(中国、第1シード)〈12-21,17-21〉ツォウ・ハオドン/ハン・チェンカイ(中国、第3シード)
【女子ダブルス】 シュー・ヤ/ドゥ・ユエ(中国、第3シード)〈21-15,21-16〉ツォウ・チャオミン/ニ・ボウウェン(中国)
【混合ダブルス】 ホー・ジティン/ドゥ・ユエ(中国、第1シード)〈21-12,19-21,21-19〉キム・ウォンホ/イ・ユリム(韓国)
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各種目のメダリスト

【男子シングルス】
金メダル: スン・フェイシアン(中国、第8シード※昨年ベスト16)
銀メダル: リー・チアハオ(台湾、第7シード)
銅メダル: ラクシャ・セン(インド、第15シード)、リュウ・ハイチャオ(中国)

【女子シングルス】
金メダル: チェン・ユーフェイ(中国、第3シード※昨年ベスト16)
銀メダル: グレゴニア・マリスカ(インドネシア、第4シード)
銅メダル: キム・ガウン(韓国、第6シード)、ガオ・ファンジエ(中国、第7シード)
【男子ダブルス】
金メダル: ツォウ・ハオドン/ハン・チェンカイ(中国、第3シード※昨年銀メダル)
銀メダル: タン・チアン/ホー・ジティン(中国、第1シード)
銅メダル: ソー・ウーイイック/ウーイ・ジヘン(マレーシア、第6シード)、レン・シャンユー/ファン・チウユエ(中国、第8シード)
【女子ダブルス】
金メダル: シュー・ヤ/ドゥ・ユエ(中国、第3シード※ドゥ選手は2連覇)
銀メダル: ツォウ・チャオミン/ニ・ボウウェン(中国)
銅メダル: アリサ・サプニティ/ルータイチャノク・ライスアン(タイ、第5シード)、川島美南・上杉夏美(日本)
【混合ダブルス】
金メダル: ホー・ジティン/ドゥ・ユエ(中国、第1シード※昨年銅メダル)
銀メダル: キム・ウォンホ/イ・ユリム(韓国)
銅メダル: リノフ・リバルディ/アプリアニ・ラファユ(インドネシア、第3シード)、ツォウ・ハオドン/ホゥ・ユーシアン(中国)