
インドネシアオープンSSプレミア2回戦、この日勝ってベスト8入りを果たした日本五輪代表は奥原希望選手と高橋礼華・松友美佐紀組の女子のみ。一方、五輪出場を逃した園田啓悟・嘉村健士組が、今大会で復活を遂げたデンマークのマシアス・ボー/カールステン・モゲンセン組に競り勝ち、男子では唯一気を吐いた
女子シングルスの奥原選手は、初顔合わせとなった欧州2番手、スコットランド五輪代表のカースティ・ギルモア選手を問題にせず、ストレート勝ち。試合後、BadPaL の取材に応じ、先のユーバー杯で足を滑らせた影響から、「(ひざのけがの再発を危ぐし)まだ恐る恐るプレーしている状態。本来のスピードが出せない」と認めたが、五輪本番でも十分想定される「万全でない状況」にあっても取りこぼしせずきていると、自ら評価した
一方で、五輪まで2カ月余りとなり、けがのリスク回避などのため今大会、無理をせず調整にあてる選手もいる中、3月の全英オープン優勝以降、結果が出ていないと指摘し、五輪に向け自信を得たいと強調。インドネシアオープンと次週のオーストラリアンオープンSSでは、(調整でなく)あくまで結果を求めていく姿勢を明確にした
女子ダブルスの高橋・松友組は、第1シードのためこの日の2回戦が初戦となったが、インドネシアの17歳と18歳のペアを難なく退け、準々決勝に進んだ
このほかの日本五輪代表は、女子シングルスの山口茜選手と混合ダブルスの数野健太・栗原文音組が、それぞれ、世界ランク1位と2位の強豪相手に競り合うも、力及ばず敗れた。男子ダブルスの早川賢一・遠藤大由組は、中国が期待する若手ツェン・シウェイ選手を長身のルー・カイ選手と組ませた新しいペアの勢いの前に、屈した
男子ダブルス日本2番手の園田・嘉村組は、リオ出場の可能性が消えた五輪レース終盤、「ランキングポイントを気にせず、目の前の1試合1試合に勝ちたい」という基本に立ち返り、それ以降、持ち味である思い切りの良いプレーを取り戻して好調を維持している。この日は、2月の右脳動脈瘤破裂から驚異的な回復を果たし、前日、復活の初勝利を挙げたデンマークのカールステン・モゲンセン選手のペアに競り勝ち、日本男子唯一の勝ち残りとなった
一方、この日は、中国と開催国インドネシアの主力が世界ランク下位の相手に敗れ、次々に姿を消した。リオ五輪でのメダル獲得も期待される選手ながら、今大会を早々に終えた両国の各種目上位シード勢は次の通り
◆男子シングルス : リン・ダン(中国、第3シード)◆女子シングルス : リ・シュエリ(中国、第3シード)◆男子ダブルス : ヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン(インドネシア、第2シード)、フー・ハイファン/ツァン・ナン(中国、第3シード)◆女子ダブルス : グレイシア・ポリー/ニトヤ・クリシンダ・マヘスワリ(インドネシア、第2シード)、ツァオ・ユンレイ/ティエン・チン(中国、第4シード)◆混合ダブルス : タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル(インドネシア、第2シード)――
日本選手2回戦の結果
【女子シングルス】 奥原希望(世界5位)〈21-15,21-8〉カースティ・ギルモア(スコットランド、世界17位)、カロリナ・マリン(スペイン、世界1位)〈24-22,21-14〉山口茜(世界11位)
【男子ダブルス】 早川賢一・遠藤大由(世界7位)〈9-21,13-21〉ルー・カイ/ツェン・シウェイ(中国、世界ランクなし)、マシアス・ボー/カールステン・モゲンセン(デンマーク、世界8位)〈18-21,25-27〉園田啓悟・嘉村健士(世界15位)
【女子ダブルス】 高橋礼華・松友美佐紀(世界1位)〈21-12,21-14〉ジャウザ・ファディラ・スギアルト/アプリアニ・ラハユ(インドネシア、世界60位)
【混合ダブルス】 コ・ソンヒョン/キム・ハナ(韓国、世界2位)〈27-25,21-19〉数野健太・栗原文音(世界18位)、シュー・チェン/マー・ジン(中国、世界6位)〈21-13,21-12〉園田啓悟・福万尚子(世界24位)
準々決勝の対戦カード
【男子シングルス】
ティエン・ホウウェイ(中国、世界6位)対フ・ユン(香港、世界14位)
ヤン・ヨルゲンセン(デンマーク、世界5位)対ジョナタン・クリスティ(インドネシア、世界19位)
ラジフ・ウーセフ(イングランド、世界15位)対イーサン・マウラナ・ムストファ(インドネシア、世界29位)
リー・チョンウェイ(マレーシア、世界2位)対ワン・ツェンミン(中国、世界18位)
【女子シングルス】
カロリナ・マリン(スペイン、世界1位)対サイナ・ネワル(インド、世界8位)
ワン・イーハン(中国、世界3位)対ソン・ジヒョン(韓国、世界7位)
奥原希望(世界5位)対タイ・ツーイン(台湾、世界9位)
ワン・シーシャン(中国、世界6位)対スン・ユ(中国、世界13位)
【男子ダブルス】
イ・ヨンデ/ユ・ヨンソン(韓国、世界1位)対コ・ソンヒョン/シン・ベクチョル(韓国、世界5位)
アナース・スカールプ・ラスムセン/キム・アストルプ・ソレンセン(デンマーク、世界22位)対ルー・カイ/ツェン・シウェイ(中国、世界ランクなし)
ホン・ウェイ/チャイ・ビアオ(中国、世界6位)対ゴー・ウェイシェム/タン・ウィーキョン(マレーシア、世界14位)
マッズ・コンラド・ペターセン/マッズ・ピーラー・コルディング(デンマーク、世界9位)対園田啓悟・嘉村健士(世界15位)
【女子ダブルス】
高橋礼華・松友美佐紀(世界1位)対タン・ジンフア/ホワン・ヤチオン(中国、世界25位)
セリーナ・ピーク/イーフィア・ムスケンス(オランダ、世界11位)対リズキ・アメリア・プラディプタ/ティアラ・ロサリア・ヌライダ(インドネシア、世界86位)
ユー・ヤン/タン・ユエンティン(中国、世界3位)対チャン・イエナ/イ・ソヒ(韓国、世界8位)
ウーン・ケーウェイ/フー・ビビアン・カームン(マレーシア、世界20位)対マハデウィ・イスティラニ・ニ・ケトゥット/アンギア・シッタ・アワンダ(インドネシア、世界23位)
【混合ダブルス】
ツァン・ナン/ツァオ・ユンレイ(中国、世界1位)対アルフィアン・エコ・プラセトヤ/ア二サ・サウフィカ(インドネシア、世界53位)
コ・ソンヒョン/キム・ハナ(韓国、世界2位)対リュウ・チェン/バオ・イーシン(中国、世界5位)
ヨアキム・フィッシャー・ニールセン/クリスティナ・ペダーセン(デンマーク、世界4位)対シュー・チェン/マー・ジン(中国、世界6位)
ルー・カイ/ホワン・ヤチオン(中国、世界11位)対キム・アストルプ・ソレンセン/リネ・ケアースフェルト(デンマーク、世界ランクなし※予選勝ち上がり)