Day 7 of Sudirman : Women lead Team Japan into final

Nozomi in SF2
Nozomi upset World No.7 SUNG JiHyun and earned the first point to Japan

スディルマン杯7日目、日本は準決勝でチームランキング2位の韓国に逆転勝ちし、中国、韓国、インドネシア、デンマークに続く、大会史上5番目のファイナリスト国となった。この日、日本チームを初の決勝へと導いたのは、女子選手だった

準決勝の早朝、日本チームが提出したオーダーには、前回、今回とスディルマン杯でどうしても結果を出せない男子ダブルス早川賢一・遠藤大由組の名はなかった。さらに午後になって、ここまで3戦全勝の男子シングルス桃田賢斗選手が外れた。舛田圭太コーチの説明では、オーダー交換の後、朝の練習に臨んだが、その際、ねんざをした右足をかばいながらプレーを続けていたため左足に炎症の出ていた桃田選手を代える決断をしたという

LYD
LEE YongDae denied HIARATA/HASHIMOTO’s challenge

準決勝という大舞台で、しかも相手は強豪の韓国。男子の主力選手を欠く布陣で既に敗戦色濃厚に見えた。これを変えたのが、第1種目の男子ダブルスで、今大会初出場の平田典靖・橋本博且組が世界ランク1位イ・ヨンデ/ユ・ヨンソン組にストレートで敗れた後に登場した女子シングルスの奥原希望選手だ

世界ランク7位の韓国のエース、ソン・ジヒョン選手と対戦し、第1ゲームは、シャトルコントロールに苦しみアウトを連発し11-21といいところなく落とすが、第2ゲームに入ると長いラリーに持ち込み相手を疲れさせ、一度もリードを許さず奪い返す。ファイナルゲームは前半終了間際に追い上げられ10-11と逆転を許すが、後半に入っても足を止めずに動き回って試合の流れを引き戻すと、一気に突き放して21-14と快勝した

Nozomi in SF3
Slowly but surely Nozomi gained attention from spectators in Dongguan

この試合で興味深かったのは、最初の種目である男子ダブルスからほぼ韓国への応援一色だった会場の雰囲気が、第2ゲーム以降明らかに変化したこと。小さな体でコート内を駆け巡り、体を思いきりそらせたラウンドのショットなどを決めるたびにどよめきが起き、次第に奥原選手に声援を送る人が会場のあちこちから出てきた。会場内の電光掲示板で紹介される「つぶやき」にも、奥原選手を(中国で人気の)卓球の福原愛選手とオーバーラップさせた応援などが増えていった

奥原選手は試合後、BadPaL の取材に対し、まず「自信はあった」ときっぱり言い切った。上位大会で世界ランク1ケタの選手と頻繁に当たるようになってから自ら課題に掲げているペース配分ができたか問うと、「そこまで余裕はなかった。第1ゲームも取りたかったが、最近ああいう展開になってしまうことが多い」と反省も込めて答えた。それでも、「緊張やプレッシャーにつぶされずに力を出せたのでまずます」と自己評価した。試合中の会場の変化については、日本を含め世界で自分のトップ選手としての認知が低いのは自覚している、とした上で、「認められてきているのも事実。結果を出せば自然とついてくるので、自分らしく挑戦を続けるのみ」と強調した

Experience in QF made World No.1 more determined @archives
Experience in QF made Misaki/Ayaka determined and stronger

次の男子シングルスで上田拓馬選手が格上のソン・ワンホ選手に敗れ、1対2と後のない状況で登場した女子ダブルスの高橋礼華・松友美佐紀組。前日の準々決勝で、勝ちはしたものの内容的には散々だったこともあり、「自分たちのところまで回ってこい」と、出番を心待ちにしていた。相手は、韓国が世界で通用する攻撃的ペアとしてパートナーを組み替えて結成したチャン・イエナ/チョン・ギョンウン組。世界ランクは下位ながら、今大会でもマレーシアとインドのトップペアを連破してきている強豪だが、この日は日本ペアの気持ちの入り方が違い、まったく寄せ付けなかった。とりわけ第2ゲームは文字通り圧勝した

準決勝の始まる前、BadPaL が中島慶コーチに前日の高橋・松友組の戦いぶりへの感想を聞いたところ、「ロンドン五輪の藤井瑞希・垣岩令佳組と同じ状況を経験した」と指摘した。2012年8月、藤井・垣岩組は、勝てば日本バドミントン界初のメダル確定となるロンドン五輪準々決勝で格下のカナダペアと対戦。ところが「勝って当然」、「勝たなければ」のプレッシャーからか、いったん我を失い、1ゲーム落としてしまう〈https://badpal.net/2012/08/03/day-6-in-london-first-olympic-medal-for-japan-secured-by-fujiikakiiwa/〉。中島コーチは、「会場が完全なアウェーの状態となる中、緊張とプレッシャーで実力は6割程度しか出せていなかったが、技術や戦略ではない気持ちの部分を自分たちで克服できたことは今後のために大きい」と高く評価した

Ayane-Kenta
PARK’s choice : Ayane / Kenta did great job in SF

日本は2対2のタイに持ち込んだが、最終種目である混合ダブルスに世界ランク8位を抱える韓国の優位に変わりはない。ところがチームの勝敗を決するこの試合、スーパーシリーズ(SS)優勝経験もある格上の韓国ペアにプレッシャーがのしかかった。とりわけコ・ソンヒョン選手は今大会初日、一次リーグ初戦でマレーシアと対戦し、2対2で出番が回ってきて敗れた時と同じように、普段通りのプレーを出せなかった。準々決勝ではトップバッターとして試合に臨んだが敗れ、チームに貢献できず悔しい思いをした数野健太・栗原文音組だが、この大事な場面で日本のヘッドコーチ、パク・ジュボン氏の大抜擢に応える大きな仕事をした

INA MD
SETIAWAN /AHSAN of Indonesia stole one and the only point from China

準決勝もう1つの試合は、中国が3対1でインドネシアを下し、決勝に進んだ。中国のヘッドコーチ、リ・ヨンボ氏が試合後、「男子ダブルスは勝てると思っていなかった」と語ったように、1種目目はヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン組が、ベテランのカイ・ユン/フー・ハイファン組を粉砕し、今大会初めて中国から1ポイントを奪う。2種目目の女子シングルスでは、男子ダブルス勝利の勢いをかってベラエトリクス・マヌプティ選手が世界1位リ・シュエリ選手に挑んだが、試合開始から間もなく、左ひざを痛めて試合を続けることができなくなり棄権。3種目目の男子シングルスは、インドネシアが将来を期待する17歳ジョナタン・クリスティ選手が世界1位チェン・ロン選手と初めて対戦するが、跳ね返された

ただダブルス3種目に強みを持つインドネシアにとって、ここまでは想定内。次の女子ダブルスで中国の牙城を切り崩せるかどうかが、この試合最大のポイントだった。中国が送り込んできたのは、ベテランのユー・ヤン選手と若いタン・ユエンティン選手が組むペア。対するインドネシアは、実力世界ナンバーワンの呼び声高い中国ユー・ヤン/ワン・シャオリ組を破った実績のあるエースペア、グレイシア・ポリー/ニトヤ・クリシンダ・マヘスワリ組で、第1ゲームを21-17で奪う

YU Yang
TANG YuanTing and YU Yang showed big smiles at post-match interview

しかし中国ペアが徐々にリズムをつかみ、第2ゲームを取り返すと、ファイナルゲームも前半こそ競り合いとなるが、後半は世界ランク7位のインドネシアペアにつけ入るすきを与えず快勝。混合ダブルスを残して、チームの勝利を確定させるとともに、通算10回目の優勝に王手をかけた。ユー・ヤン選手は試合後の記者会見で、「ワン・シャオリがベストの状態ではなくタン・ユエンティンと組んだが、第2ゲーム以降、コンビネーションもよくなり勝利につながった。感謝したい」とスディルマン杯初出場の若いパートナーをねぎらった

中国のヘッドコーチ、リ・ヨンボ氏は試合後、決勝について、「日本と韓国、どちらが勝ち上がってきてもバランスのとれたチームで、(シングルスに弱点を抱える)インドネシアより難しい戦いになる。準備を怠れない」と警戒感を示した

大会7日日の結果

準決勝:

日本(B組1位)3-2韓国(D組2位)

【男子ダブルス】 平田典靖・橋本博且(世界13位)〈18-21,16-21〉イ・ヨンデ/ユ・ヨンソン(世界1位)

【女子シングルス】 奥原希望(世界10位)〈11-21,21-17,21-14〉ソン・ジヒョン(世界7位)

【男子シングルス】 上田拓馬(世界25位)〈9-21,20-22〉ソン・ワンホ(世界5位)

【女子ダブルス】 高橋礼華・松友美佐紀(世界1位)〈21-17,21-8〉チャン・イエナ/チョン・ギョンウン(世界74位)

【混合ダブルス】 数野健太・栗原文音〈21-14,21-15〉コ・ソンヒョン/キム・ハナ(世界8位)

中国(A組1位)3-1インドネシア(C組1位)

【男子ダブルス】 カイ・ユン/フー・ハイファン(世界1404位)〈16-21,17-21〉ヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン(世界3位)

【女子シングルス】 リ・シュエリ(世界1位)〈3-5棄権〉ベラエトリクス・マヌプティ(世界51位)

【男子シングルス】 チェン・ロン(世界1位)〈21-10,21-15〉ジョナタン・クリスティ(世界63位)

【女子ダブルス】 ユー・ヤン/タン・ユエンティン〈17-21,21-17,21-15〉グレイシア・ポリー/ニトヤ・クリシンダ・マヘスワリ(世界7位)

【混合ダブルス】 ツァン・ナン/ツァオ・ユンレイ(世界1位)〈打ち切り〉タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル(世界3位)

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