
アジア大会個人戦3日目、男子シングルスの田児賢一選手が3回戦を突破してベスト8に入り、準々決勝で、五輪2大会連続金メダル、世界選手権優勝5回の王者リン・ダン選手と対峙することが決まった。両者のこれまで対戦成績は田児選手の1勝2敗
最後に顔を合わせたのは2012年3月の全英オープンスーパーシリーズ(SS)プレミア準決勝で18-21,17-21で敗れた。2年半ぶりの対戦となるが、3位を最高に世界ランク1ケタを長く維持する田児選手の成長といまの力をはかる格好の相手となりそうだ
女子ダブルスの高橋礼華・松友美佐紀組は、難攻不落といわれる中国ユー・ヤン/ワン・シャオリ組に勝って勢いに乗るマレーシアペアと準決勝で対戦し快勝。ほかの種目に先駆け行われるあすの決勝で、8月の世界選手権を制したばかりの前回大会覇者、中国ツァオ・ユンレイ/ティエン・チン組を倒したインドネシアのグレイシア・ポリー/ニトヤ・クリシンダ・マヘスワリ組と初優勝を争う
田児選手は、リン・ダン選手と初めて対戦した2011年10月フレンチオープンSSの準決勝で、21-23,15-18とリードされながら、リン・ダン選手突然の途中棄権により勝ちを拾った。しかし2度目の対戦となった同年12月スーパーシリーズファイナルでは11-21,13-21と完敗。この時、リン・ダン選手との実力差について、「上げた時のスピードと言うより、ベースのスピードが違う。技術的な問題よりもその差がまだまだ大きい」と認め、簡単に追いつけるものではなく、時間をかけて差を埋めていくしかない、と語っていた〈https://badpal.net/2011/12/21/japanese-players-strike-back-on-day-3-of-ss-finals/〉
それ以降、田児選手は力を付け、リン・ダン選手以外の当時四天王と呼ばれた世界トップ選手からこれまでに、◆対タウフィック・ヒダヤット元選手(インドネシア)2勝(11年12月、12年5月)◆対ピーター・ゲード元選手(デンマーク)1勝(12年1月)◆対リー・チョンウェイ選手(マレーシア)2勝(13年10月、14年6月)――を上げてきた。今回、リン・ダン選手からも、相手棄権による勝ちではない「初白星」を奪えるか、注目される
一方、田児世代で既に世界の頂点を取った中国チェン・ロン選手に初めて挑んだ20歳、桃田賢斗選手は第1ゲーム、序盤から先行を許すもじわじわ追い上げ18-18で迫いつくが、19-21で逃げ切られる。第2ゲームも出だしは互いに譲らぬ接戦が続くが、徐々に引き離され、終わってみれば6-21と完敗した
男子ダブルスでベスト8までそろって勝ち上がった早川賢一・遠藤大由組と園田啓悟・嘉村健士組だったが、あと1つ勝てばメダル、というこの日の大事な試合で失速。それぞれマレーシアと韓国のペアにストレート負けを喫し、4年に1度の好機を活かせずメダルを逃した
個人戦3日目の結果(※男子シングルスと混合ダブルスは日本選手のみ)
【女子ダブルス準決勝】
高橋礼華・松友美佐紀(世界3位)〈21-16,21-17〉ウーン・ケーウェイ/フー・ビビアン・カームン(マレーシア、世界19位)
ツァオ・ユンレイ/ティエン・チン(中国、世界4位)〈17-21,21-19,17-21〉グレイシア・ポリー/ニトヤ・クリシンダ・マヘスワリ(インドネシア、世界10位)
【女子シングルス準々決勝】
リ・シュエリ(中国、世界1位)〈21-9,21-19〉ベラエトリックス・マヌプティ(インドネシア、世界34位)、ソン・ジヒョン(韓国、世界4位)〈14-21,21-9,17-21〉タイ・ツーイン(台 湾、世界9位)、ラッチャノク・インタノン(タイ、世界5位)〈4-21,21-18,8-21〉ベ・ヨンジュ(韓国、世界6位)、ワン・イーハン(中国、世界3位)〈18-21,21-9,21-7〉サイナ・ネワル(イ ンド、世界7位)
【男子ダブルス準々決勝】
イ・ヨンデ/ユ・ヨンソン(韓国、世界1位)〈21-16,21-11〉ライアン・アグン・サプトラ/アンガ・プラタマ(インドネシア、世界12位)、早川賢一・遠藤大由(世界4位)〈16-21,16-21〉タン・ウィーキョン/ゴー・ウェイシェム(マレーシア、世界187位)、キム・サラン/キム・ギジョン(韓国、世界5位)〈21-15,21-15〉園田啓悟・嘉村健士(世界16位)、ヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン(インドネシア、世界2位)〈21-12,21-19〉ブス・スミース・レディ/マヌ・アトリ(インド、世界32位)
【男子シングルス3回戦】
田児賢一(世界4位)〈21-11,15-21,21-16〉スー・ジェンハオ(台湾、世界30位)、チェン・ロン(中国、世界2位)〈21-19,21-6〉桃田賢斗(世界16位)
【混合ダブルス2回戦】
ツァン・ナン/ツァオ・ユンレイ(中国、世界1位)〈21-8,21-11〉早川賢一・松友美佐紀(世界22位)
個人戦4日目の対戦カード
【女子ダブルス★決勝★】
高橋礼華・松友美佐紀(世界3位)対グレイシア・ポリー/ニトヤ・クリシンダ・マヘスワリ(インドネシア、世界10位)
【女子シングルス準決勝】
リ・シュエリ(中国、世界1位)対タイ・ツーイン(台湾、世界9位)
ワン・イーハン(中国、世界3位)対ベ・ヨンジュ(韓国、世界6位)
【男子ダブルス準決勝】
イ・ヨンデ/ユ・ヨンソン(韓国、世界1位)対タン・ウィーキョン/ゴー・ウェイシェム(マレーシア、世界187位)
ヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン(インドネシア、世界2位)対キム・サラン/キム・ギジョン(韓国、世界5位)
【男子シングルス準々決勝】
リー・チョンウェイ(マレーシア、世界1位)対グエン・ティエンミン(ベトナム、世界23位)
田児賢一(世界4位)対リン・ダン(中国、世界15位)
チョウ・ティエンチェン(台湾、世界13位)対ウェイ・ナン(香港、世界17位)
チェン・ロン(中国、世界2位)対ソン・ワンホ(韓国、世界7位)
【混合ダブルス準々決勝】
ツァン・ナン/ツァオ・ユンレイ(中国、世界1位)対チェン・フンリン/チェン・ウェンシン(台湾、世界38位)
コ・ソンヒョン/キム・ハナ(韓国、世界6位)対プラビーン・ジョーダン/デビー・スサント(インドネシア、世界19位)
タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル(インドネシア、世界4位)対シン・ベクチョル/チャン・イエナ(韓国、世界68位)
シュー・チェン/マー・ジン(中国、世界3位)対ダニー・バワ・クリスナンタ/ユーヤン・バネッサ・ネオ(シンガポール、世界10位)