Japan secures both Thomas and Uber medals

Takuma proves his mental toughness

トマス・ウーバー杯準々決勝、日本は男女とも最終種目までもつれ込むインドネシア戦を制して、前回クアラルンプール大会の銅メダルに次ぐ2大会連続のメダル獲得を決めた。接戦に決着をつけたのは、男子がトマス杯初参戦の上田拓馬、女子が初めてメンバーに選ばれたアジア予選(2月)でもチームの窮地を救った三谷美菜津という、第3シングルスの2人だった

Play for the team

先に行われたトマス杯準々決勝は日本の先鋒、第1シングルスの佐々木翔選手がインドネシアのシモン・サントソ選手に敗れる波乱のスタートとなった。しかし続く第1ダブルス、平田典靖・橋本博且組が北京五輪金メダリストのマルキス・キド/ヘンドラ・セティアワン組を相手にリズムよく攻め込みストレート勝ちし、試合を振り出しに戻す。橋本選手は試合後、「自分たちのプレーがどうこうというより、チームに1勝をもたらすことが重要だった」と強調した

Kenichi can handle must-win situation

さらに第2シングルスの田児賢一選手が、アテネ五輪金メダリストのタウフィック・ヒダヤット選手を攻守で圧倒。「チーム戦は個人戦と全然違う。フィジカルや技術面が強くなっても、1対1のタイで回ってきて皆に期待される場面で勝たなければ、トップ選手としてはダメ」とエースの自覚を口にする通り、勝ちに行く姿勢を前面に出した試合運びで、こちらもストレート勝ち。チームのメダル獲得へ王手をかけた

ところが日本以上に、メダルを逃せない伝統国インドネシア(前回銀メダル)も譲らず、昨年の男女混合国・地域別対抗戦スディルマン杯で日本のメダル獲得を阻止したモハンマド・アーサン/アルベン・ユリアント・チャンドラ組が早川賢一・遠藤大由組を粉砕し、再び試合をタイに戻し、勝敗の行方は最終の第3シングルスに委ねられた

ここでトマス杯初出場の上田拓馬選手が強心臓を見せる。第1ゲームは終始リードを保ったまま21-14でとるが、続く第2ゲーム、地力で勝るディオニシウス・ハヨム・ルンバカ選手が反撃に転じ、前半をリードして折り返す。しかし上田選手は連続得点で主導権を奪い返し、いったんは18-18で追いつかれるも、守りに入ることなく攻め切り、最後は21-19で勝利。チームにメダルをもたらした

上田選手は試合後、BadPaL の取材に対し、「2対2という状況で自分に回ってくるとは考えておらず緊張した。ただ相手は世界ランク上位で、初対戦した昨年9月のインドネシアオープングランプリ(GP)ゴールドで負けていたので、思い切ってやって、その結果、勝っても負けてもよいという気持ちで試合に臨んだ」と説明。「第2ゲーム終盤ごろから、だんだんプレッシャーが大きくなり、サービスの時、手が震えた。それでも第1ゲームを取っていたので、相手の方がプレッシャーがあると思い、最後まで攻めの姿勢を貫いた」と勝因に触れた

日本男子〈3-2〉インドネシア

(第1シングルス)佐々木翔〈20-22,14-21〉シモン・サントソ

(第1ダブルス)平田典靖・橋本博且〈21-16,21-18〉マルキス・キド/ヘンドラ・セティアワン

(第2シングルス)田児賢一〈21-12,21-17〉タウフィック・ヒダヤット

(第2ダブルス)早川賢一・遠藤大由〈17-21,13-21〉モハンマド・アーサン/アルベン・ユリアント・チャンドラ

(第3シングルス)上田拓馬〈21-14,21-19〉ディオニシウス・ハヨム・ルンバ

この結果、日本は準決勝に進出。トマス杯では3位決定戦がないため、この時点で、銅メダル以上が確定した。準決勝は優勝候補の中国とぶつかる

トマス杯準々決勝の結果

中国〈3-0〉マレーシア日本〈3-2〉インドネシア韓国〈3-0〉ドイツデンマーク〈3-0〉ロシア

準決勝の組み合わせ

◆中国対日本◆韓国対デンマーク

Sayaka realizes the task of vanguard in Team event

男子メダル獲得の一報を聞いた後に試合に臨んだ日本女子は、前日のデンマーク戦とは対照的に、第1シングルスの佐藤冴香選手と第1ダブルスの藤井瑞希・垣岩令佳組が白星を連ね、試合の流れを作った

佐藤選手はマリア・フェベ・クスマストゥティ選手を終始攻め立て。一度もリードを譲ることなく、先鋒の役割を果たした。佐藤選手は BadPaL に対し、前日の試合の後、「がんばらないと」という気持ちをチームで共有できたことが大きかったと話した。第1シングルスで試合に臨む点については、前回大会では第3シングルスだったが、その時第1シングルスだった廣瀬栄理子選手を見ていて、「チーム戦ではトップが流れを作る」と感じ、そんな選手になりたいと思っていたという。その上で、2月のアジア予選からここまで第1シングルスとして戦ってきて、「『勝たなければ』という気持ちが芽生え始めていると思う」とエースの自覚をのぞかせた

Still young but reliable 1st doubles

一方、藤井・垣岩組は第1ダブルスを任されることについて、「特別な気負いはない」と述べた。末綱聡子・前田美順組が抜けた今回のチームでも、主将の後藤愛選手をはじめとする先輩が引っ張ってくれていて、やりやすい環境にあると強調。その上で、第1ダブルスに使ってもらっていることで各国・地域のトップペアと試合ができるこの機会を、オリンピックに向けて生かしたいと述べた。なお、外国メディアに今大会の目標を聞かれ、藤井選手は「中国とやりたい」と即答した

早々にメダルに王手をかけた日本だったが、逆に前日のデンマーク戦勝利に貢献した廣瀬栄理子選手と松尾静香・内藤真実組が思わぬ敗北。試合を振り出しに戻されてしまう。ここで登場するのが、2月のウーバー杯アジア予選準決勝と決勝で、日本逆転勝利のキーパーソンとなった20歳の三谷美菜津選手だ

Minatsu did it again

三谷選手は、メダルのかかった試合でチームの勝敗を決する大事な場面で出番が回ってきてしまい「緊張した」と明かしたが、アジア予選の経験が助けになったという

1ゲームずつを取り合い、両国の応援が徐々にヒートアップしていく中、迎えたファイナルゲーム、三谷選手は中盤、8-13までリードを広げられてしまう。ただこの時、「きつかったが相手もきついのが分かったので、ひたすら打ち込んでいこうと思った」という。ギリギリの接戦をものにできた要因の一つとして、「14-14に追いついた後、長いラリーの末の1点を手にできたことが大きかった」と振り返った。アジア予選に続いて再びチームの窮地を救う活躍を見せた三谷選手だが、「(この機会を)実は狙っていた」と笑って話すと同時に、約12時間後にスタートする準決勝にも、出場へ強い意欲を見せた

◆日本女子〈3-2〉インドネシア

(第1シングルス)佐藤冴香〈21-14,21-10〉マリア・フェベ・クスマストゥティ

(第1ダブルス)藤井瑞希・垣岩令佳〈21-18,15-21,21-19〉グレイシア・ポリー/メイリアナ・ジャウハリ

(第2シングルス)廣瀬栄理子〈13-21,22-20,14-21〉アドリアンティ・フィルダサリ

(第2ダブルス)松尾静香・内藤真実〈11-21,17-21〉アネケ・フェイニャ・アグスティン/ニトヤ・クリシンダ・マヘスワリ

(第3シングルス)三谷美菜津〈19-21,21-13,21-17〉リンダウェニ・ファネトリ

ウーバー杯準々決勝の結果

中国〈3-0〉ドイツタイ〈3-1〉デンマーク韓国〈3-2〉台湾日本〈3-2〉インドネシア

準決勝の組み合わせ

◆中国対タイ◆日本対韓国

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