トマス・ウーバー杯3日目、既に決勝トーナメント進出を決めていた日本の男女はこの日も勝ち、ともに一次リーグをグループ1位で突破した
ただ、女子はデンマークに苦戦を強いられた。第1シングルスの佐藤冴香選手がティネ・バウン選手に、第1ダブルスの藤井瑞希・垣岩令佳組がクリスティナ・ペダーセン/カミラ・リタ・ユール組にいずれもストレート負け。後のない状況に追い詰められたが、ここでチームの窮地を救ったのは、ウーバー杯で初めて主将を任された後藤愛選手だった
日本にとって今大会、最もプレッシャーのかかる試合となったが、持ち味の粘りを発揮。15-19とリードされた場面から逆転で第1ゲームを奪うと、第2ゲームは18-18の競り合いを抜け出し、接戦を制した。すると、続く第2ダブルスの松尾静香・内藤真実組、第3シングルスの廣瀬栄理子選手がきっちり仕事をこなし、総合力で勝る日本がデンマーク相手に逆転勝ちを収めた
◆日本女子〈3ー2〉デンマーク
(第1シングルス)佐藤冴香〈8-21,19-21〉ティネ・バウン
(第1ダブルス)藤井瑞希・垣岩令佳〈21-23,11-21〉クリスティナ・ペダーセン/カミラ・リタ・ユール
(第2シングルス)後藤愛〈22-20,21-18〉 リネ・ケアースフェルト
(第2ダブルス)松尾静香・内藤真実〈21-19,21-14〉リネ・ダムケーア・クルス/マリー・ロープケ
(第3シングルス)廣瀬栄理子〈21-10,21-7〉レネ・クラウセン
男子は個々の実力で勝る日本がロシアを圧倒。2複3単すべてストレート勝ちで、順当にグループB1位の座を確保した
◆日本男子〈5-0〉ロシア
(第1シングルス)佐々木翔〈21-14,21-15〉ウラジミール・イワノフ
(第1ダブルス)早川賢一・遠藤大由〈21-17,23-21〉ビタリジ・ダルキン/アレクサンドロ・ニコラエンコ
(第2シングルス)田児賢一〈21-14,21-6〉ウラジミール・マルコフ
(第2ダブルス)佐藤翔治・川前直樹〈21-18,21-12〉ウラジミール・イワノフ/イワン・ソゾノフ
(第3シングルス)上田拓馬〈21-9,21-13〉アナトリー・イェルツェフ

この日最大のドラマは、トマス杯(男子)のデンマーク対マレーシアで起こった。第1シングルスに登場したマレーシアのエース、世界ランク1位のリー・チョンウェイ選手が、デンマークのベテラン、ピーター・ゲード選手との試合開始からわずか数分後、2-1とリードした場面で右足首を痛めて棄権。そのまま車いすに乗せられ病院に直行したのだ
戦前の予想では、両国の対戦はデンマーク優位とみられていた。しかし、マレーシアの弱点とされていた第2シングルスのダレン・リュー選手、第3シングルスのモハンマド・ハフィズ・ハシム選手がそれぞれ世界ランク上位のヤン・ヨルゲンセン選手とハンス・クリスチャン・ビティングス選手を下す活躍を見せたため、マレーシアにとって悔やまれる結果となった。7月のロンドン五輪で悲願の金メダルを狙うリー選手は、3月の全英オープンSSプレミアで痛めた右肩の負傷から回復したばかりだった
一方、男女同一カードとなった中国対インドネシアの試合は、中国がインドネシアを寄せ付けず、男女ともに5対0と完勝した
この日で一次リーグの結果が出そろった
◆トマス杯(男子)一次リーグ最終結果
【Aグループ】 中国(2勝)、インドネシア(1勝1敗)、イギリス(2敗)
【Bグループ】 日本(2勝)、ロシア(1勝1敗)、ニュージーランド(2敗)
【Cグループ】 デンマーク(2勝)、マレーシア(1勝1敗)、南アフリカ(2敗)
【Dグループ】 韓国(2勝)、ドイツ(1勝1敗)、アメリカ(2敗)
◆ウーバー杯(女子)一次リーグ最終結果
【Aグループ】 中国(2勝)、インドネシア(1勝1敗)、南アフリカ(2敗)
【Bグループ】 タイ(1勝1敗)、台湾(1勝1敗)、オランダ(1勝1敗)
【Cグループ】 韓国(2勝)、ドイツ(1勝1敗)、オーストラリア(2敗)
【Dグループ】 日本(2勝)、デンマーク(1勝1敗)、アメリカ(2敗)