
SSファイナル準決勝、女子ダブルスの末綱聡子・前田美順組が中国のユー・ヤン/ワン・シャオリ組と対戦した。末綱・前田組にとって、昨年9月のジャパンオープン準決勝で5-21,10-21と完敗した相手で、トップのみが集まる今大会でいまだ1敗もしていない強豪だ
試合は、ユー/ワン組が先行し末綱・前田組が追いかける展開となった。ただ、ジャパンオープン時のように一方的に振り切られることはなく、徐々に点差を縮め、第1ゲームは16-16で追いつき、第2ゲームは14-15と1点差にまで迫った。しかし両ゲームともそこから突き放される形でストレート負け(16-21,16-21)した

末綱・前田組は試合後、BadPaLに対し、もう一歩追い詰めきれなかった要因として、「攻撃の体制にもっていくためショート(リターン)を織り交ぜたことで、逆に相手が得意とする形に持ち込まれた」と振り返った。ただ、リスクはあったものの、挑戦することの意義を強調。次の対戦に向けた課題も見えてきたと述べた。また前回の対戦では、相手のサーブが良いため、サービスリターンは上げることを前提に入っていったが、今回はプッシュで攻めるなど、サービス周りの改善を収穫に挙げ、次につながる試合だったことを強調した
ユー/ワン組も、末綱・前田組のプレーが前回より格段に良くなっていたとコメントしている

女子ダブルスのもう1つの試合は、地元台湾のチェン・ウェンシン/チエン・ユーチン組が、中国チェン・シュー/ツァオ・ユンレイ組とぶつかった。台湾ペアは会場の声援を受け終盤まで競って接戦に持ち込んだが、20-22,19-21で惜敗した
チェン・ウェンシン選手は試合後の記者会見で、さばさばした表情ながら、地元観衆の期待に答えられず申し訳ないと述べた。チェン/チエン組は、昨年8月の台北オープン・グランプリ(GP)ゴールドでも、優勝候補の筆頭に上がりながら準決勝で敗れていた

男子シングルスでは、ディフェンディングチャンピオンのリー・チョンウェイ選手(マレーシア)が、ブーンサック・ポンサナ選手(タイ)をストレート(21-17,21-18)で降し、決勝進出を果たした
リー選手にとっては3度目のSSファイナル決勝となる。ただ、地元マレーシアで開催された過去2回は中国選手をはじめランク上位選手の出場辞退が相次いだこともあり、「トップ8がそろった今回はこれまでと違う意味がある」と述べ、3連覇に意欲を示した。リー選手は過去2回のSSファイナルでそれぞれ、デンマークのピーター・ゲード選手(2008年)と韓国のパク・ソンファン選手(09年)を破り優勝している
リー選手はBadPaLに対し、昨年9月のジャパンオープン前から抱えている背中のケガの状態は、「改善しているが完治したわけではない」と説明した。一方、今大会ではこれまでと異なるシャトル(ビクター)への対応に苦慮する場面も見えたが、この点については、決勝戦では問題ないと述べた。同選手の決勝の相手は、08年と同じピーター・ゲード選手

女子シングルスでは、元世界ランク1位、中国のワン・イーハン選手が韓国のベ・ヨンジュ選手にフルゲームの末に敗れた。ワン選手はBadPaLの問いに応じ、今年の目標について、参戦する試合のスケジュールがまだ決まっていないので分からないとした上で、「出場するすべての試合でベストを尽くす」と述べるにとどめた
中国国内の女子シングルスの競争は激化している。現時点では、先のアジア競技大会代表に選出されたワン・シン、ワン・シーシャン、ジアン・ヤンジャオの3選手が抜け出している感があり、今回、準決勝で敗退したワン・イーハン選手を取り巻く環境は厳しい
決勝の組み合わせ
【男子シングルス】 リー・チョンウェイ(マレーシア)対 ピーター・ゲード(デンマーク)
【女子シングルス】 ワン・シーシャン(中国)対 ベ・ヨンジュ(韓国)
【男子ダブルス】 マシアス・ボー/カールステン・モゲンセン組(デンマーク)対チョン・ジェソン/イ・ヨンデ組(韓国)
【女子ダブルス】 チェン・シュー/ツァオ・ユンレイ組(中国)対ユー・ヤン/ワン・シャオリ組(中国)
【混合ダブルス】 ツァン・ナン/ツァオ・ユンレイ組(中国)対 スッケー・プラパカモン/サラリー・トゥントーンカム組(タイ)
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