世界選手権2日目、女子シングルスで、腰痛発症による調整の遅れが懸念されていた第1シードの山口茜が「初戦」で敗れた。男子シングルスでは優勝5回の中国リン・ダンが敗退し、自身12度目の世界戦を「過去最速」で終えた
日本のシングルス陣、男子は桃田賢斗と西本拳太が2回戦に勝ち、翌21日に試合をする常山幹太を加えた出場3選手全員そろって3回戦に進むのは濃厚だ

しかし女子は、中国2、3番手に屈した大堀彩、高橋沙也加に続いて、1回戦シードのため、この日、初戦となる2回戦に臨んだ山口が、大会前に腰を痛めた影響で調整が遅れ、動きに精彩を欠き、シンガポールの20歳ヨー・ジアミンにストレート負け。勝ち残りは奥原希望ただひとりとなった
山口は7月、インドネシアオープン(SUPER1000)、ジャパンオープン(SUPER750)と、上位大会で2週連続優勝を果たした。翌週のタイオープン(SUPER500)は出場を取りやめ休養にあてたが、その際、腰痛を発症。症状は改善したものの、日本国内で行われた世界選手権直前合宿では十分な練習ができなかったという
これに対しヨー・ジアミンは、前々週の印ハイデラバードオープン(SUPER100)を制し、ワールドツアー2勝目を挙げた自信と勢いを持ってスイス・バーゼルに乗り込み、「自分から簡単なミスをしないこと」を心掛けて、3度目の挑戦で初めて山口を倒した。コーチ席には、アテネ五輪金メダリストのタウフィック・ヒダヤットの元指導者であり、前任地のインドでスリカンス・キダンビら男子シングルス陣のレベルを引き上げたことでも知られるインドネシアのムルヨ・ハンドヨがついている
日本とは対照的に、中国の男子シングルス陣は、2番手リン・ダンがインドのプラノイ・ハシーナ・スニルクマールにフルゲームの末に敗れた(11-21,21-13,7-21)ほか、3番手のルー・グアンズもマレーシアのリー・ヅージアに逆転負け(21-12,14-21,15-21)を喫し、残るは、この日試合のなかったチェン・ロンのみ
一方、中国女子シングルス陣は、ホー・ビンジャオが大堀彩、ハン・ユエが高橋沙也加にそれぞれ勝ち、試合のなかったチェン・ユーフェイとツァイ・ヤンヤンを含め、4人全員がトーナメントに残っている

今大会第11シードのリン・ダンは、第1シードの桃田と対戦するところまで届かなかった。試合後、前日夕方の試合の翌日、午前に試合が組まれたことで、回復のための時間が十分でなく、エネルギーが足りなかった、と敗因を語った
リン・ダンの世界選手権出場は、2003年から今年で通算12度目(14年のみ出場せず)。これまでに優勝5回(2006、07、09、11、13年)、準優勝2回(05、17年)と、全種目を通じて他を寄せ付けない記録を残している
ただここ数年は、決勝でビクター・アクセルセンにストレート負けし優勝を逃した17年グラスゴー大会の後、18年南京大会、19年バーゼル大会と下降線をたどっている。とりわけ今回の2回戦負け(ベスト32)は、リン・ダンにとって過去最低(※)の結果となった(※これまでの最低結果は、03年と18年の3回戦負け)
来年の東京五輪をはさんで次回、21年のウエルバ大会(スペイン・アンダルシア州)に出場してくるかどうかは不透明で、世界選手権は今年が最後となる可能性は大きい
日本選手2日目の結果
【男子ダブルス★1回戦】
金子祐樹・井上拓斗<21-18,21-11>(インド)サンヤム・シュクラ/アルン・ジョージ
【混合ダブルス★1回戦】
金子祐樹・松友美佐紀<21-14,21-6>(ヨルダン)バハエディーン・アーマド・アルシャニク/ドモウ・アムロ
---ここから2回戦---
【男子シングルス★2回戦】
桃田賢斗(第1シード)<21-10,21-7>(スペイン)ルイス・エンリケ・ペニャルベル
西本拳太(第8シード)<25-23,13-21,21-16>(台湾)ワン・ツーウェイ
【女子シングルス★2回戦】
(第1シード)<14-21,18-21>ヨー・ジアミン(シンガポール)山口茜
奥原希望(第3シード)<21-12,21-14>(ロシア)エフゲ二ヤ・コセツカヤ
ハン・ユエ(中国、第13シード)<23-21,21-10>高橋沙也加
ホー・ビンジャオ(中国、第6シード)<21-15,18-21,21-12>大堀彩
【混合ダブルス★2回戦】
渡辺勇大・東野有紗(第3シード)<21-13,19-21,21-16>(インドネシア)リノブ・リバルディ/ピサ・ハニントヤス・メンタリ
(マレーシア、第12シード)<21-19,25-27,16-21>保木卓朗・永原和可那ゴー・スーンフアト/シェボン・ジェミー・ライ
日本選手3日目の対戦カード
【男子シングルス★2回戦】
常山幹太(第13シード)対リノ・ムニョス(メキシコ)
【男子ダブルス★2回戦】
園田啓悟・嘉村健士(第3シード)対ウラジミール・イワノフ/イワン・ソゾノフ(ロシア)
遠藤大由・渡辺勇大(第5シード)対マーク・ラムスフス/マルビン・シーデル(ドイツ)
小林優吾・保木卓朗(第12シード)対フィリップ・チュウ/ライヤン・チュウ(USA)
アーロン・チア/ソー・ウーイイク(マレーシア、第9シード)対金子祐樹・井上拓斗
【女子ダブルス★2回戦】
永原和可那・松本麻佑(第1シード)対セリーナ・ピーク/シェリル・セイネン(オランダ)
福島由紀・廣田彩花(第2シード)対エカテリナ・ボロトワ/アリーナ・ダベルトワ(ロシア)
高橋礼華・松友美佐紀(第3シード)対グローニャ・サマービル/セトヤナ・マパサ(オーストラリア)
米元小春・田中志穂(第8シード)対プアビシャ.S.ラム/ジャッカムプディ・メガナ(インド)
【混合ダブルス★2回戦】
タン・チュンマン/ツェ・インシュー(香港、第9シード)対金子祐樹・松友美佐紀