ドイツオープン(SUPER300)決勝、女子シングルスで山口茜がラッチャノク・インタノン(タイ)との接戦に勝ち、3連覇達成。同時に今大会、同国対決となった男子2種目に続く3つ目のタイトルを日本にもたらした

第1ゲームをラッチャノク、第2ゲームを山口が取り合い迎えたファイナルゲーム、中盤以降は文字通り点の取り合いとなり、どちらに転んでもおかしくない展開で23-23まで進む。しかし最後は、ほかには真似できないダイビングレシーブ2連発で山口が1点をもぎ取り、70分に及んだ接戦に終止符を打った
主戦場とする上位大会ではないものの、シーズン序盤、自分らしいプレーを見せ、その結果として勝ちを収めることができたのは、山口にとって大きい。昨年後半、気持ちを切り替え調子を取り戻しつつある、と自ら語っていた元世界チャンピオン、ラッチャノクを止めたのも、今後の対戦に向け好材料となる
5日開幕の全英オープン(SUPER1000)、山口は第4シードで初戦の相手はべアトリス・コラレス(スペイン)。一方、ラッチャノクは第7シードに入りチェン・シャオシン(中国)を迎え撃つ。なお、山口とラッチャノクの対戦の可能性は、決勝のみ

日本人同士の決勝となった男子2種目、シングルスはエースの桃田賢斗が強さを見せ西本拳太を圧倒。1月マレーシアマスターズ(SUPER500)での敗戦の借りを返し、1955年にスタートしたドイツオープン史上初の男子シングルス日本人チャンピオンとして、その名を刻んだ

ダブルスは日本2番手の遠藤大由・渡辺勇大が、国際大会では初めて1番手の園田啓悟・嘉村健士を破り、昨年9月の韓国オープン(SUPER500)に次ぐ、ペアとして2つ目の国際タイトルを手にした
日本はこれで3種目制覇。ドイツオープンで日本選手が同時に3つのタイトルを手にするのは、2014年(高橋沙也加、園田・嘉村、高橋・松友)、18年(山口、金子祐樹・井上拓斗、福島由紀・廣田彩花)に続き、3度目
もうひと種目、女子ダブルスでは、高橋礼華・松友美佐紀が2014年以来のタイトル奪取を狙ったが、中国2番手のリ・インフェイ/ドゥ・ユエに阻まれ、果たせなかった
世界ランク10位、ともに21歳の中国ペアは今大会、◆準々決勝で第4シードのグレイシア・ポリー/アプリヤニ・ラハユ(インドネシア)◆準決勝で第1シードの福島由紀・廣田彩花◆決勝で第2シードの高橋・松友――と、上位陣を連破。価値ある優勝を遂げ、ジュニア時代から後塵を拝してきた同国のライバル、チェン・チンチェン/ジア・イーファンを凌ぐ潜在力を見せた
日本勢が唯一残れなかった混合ダブルス決勝は、上り調子にある世界10位、韓国のソ・スンジェ/チェ・ユジョンが勝ち、スペインマスターズに次いで、「SUPER300」2週連続優勝を飾った
決勝の結果
【男子シングルス】桃田賢斗(第1シード)<21-10,21-16>(第3シード)西本拳太
【女子シングルス】山口茜(第2シード)<16-21,21-14,25-23>(タイ、第3シード)ラッチャノク・インタノン
【男子ダブルス】(第1シード)<21-15,11-21,12-21>遠藤大由・渡辺勇大(第2シード)園田啓悟・嘉村健士
【女子ダブルス】(第2シード)<20-22,15-21>リ・インフェイ/ドゥ・ユエ(中国、第8シード)高橋礼華・松友美佐紀
【混合ダブルス】(インドネシア、第6シード)<17-21,11-21>ソ・スンジェ/チェ・ユジョン(韓国、第8シード)ハフィズ・ファイザル/グロリア・エマヌエル・ウィジャジャ