中国・福州オープン(SUPER750)2回戦、男女ダブルスで日本のトップペアが敗れ、12月、中国・広州で開催されるワールドツアーファイナル出場へ黄色信号が灯った

男子ダブルス日本最上位の園田啓悟・嘉村健士は8日時点で、世界ランキング3位。ただ、いずれも銀メダルを手にした世界選手権とアジア選手権、トマス杯の結果を含まない「ワールドツアーランキング」(SUPER100~1000のみ対象)は8位で、各種目上位8人/ペアで争うファイナルの自力出場には、当落線上にいる
今回、2回戦で大会を終えたことで、ワールドツアーランキングのポイント上乗せは4,320点のみ。園田・嘉村を破った2つ下の10位につけるヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン(インドネシア)はこの時点で6,050点を確保し、既に園田・嘉村をわずかながら追い抜いている
さらに、ツアーランク8位(持ち点55,480)の園田・嘉村は次週の香港オープン(SUPER500)がツアー最後の大会となるのに対し、◆9位(54,790)の金子祐樹・井上拓斗が香港オープンとインド・サイドモディインターナショナル(SUPER300)(※コリアマスターズはワールドツアーファイナル出場資格対象の大会ではない)と、それぞれ2大会にエントリーしていることも、日本のエースペアにとって厳しい状況だ◆10位(53,780)のセティアワン/アーサンが香港オープンとコリアマスターズ(SUPER300)
ツアーランク5位(59,680)につける遠藤大由・渡辺勇大もこの日、同3位(67,470)の台湾リャオ・ミンチュン/スー・チンヘンにストレートで敗れ、この種目の日本勢はすべて姿を消した

女子ダブルスの福島由紀・廣田彩花は世界ランク、ワールドツアーランクともに現在1位。ただ、ファイナル出場枠は種目ごとに国・地域に最大2つに限定され、その年の世界選手権(もしくは五輪)の優勝者が特別出場枠を得るため、現世界チャンピオンの永原和可那・松本麻佑のほか、日本に残された枠は1つ。これをツアーランク1位(持ち点84,040)の福島・廣田と同2位(82,270)の高橋礼華・松友美佐紀が、僅差で争っている
2回戦で福島・廣田が敗退し、高橋・松友は勝ち残ったことで、今大会で両ペアのツアーランキングポイントは逆転する(※加筆)。また高橋・松友は次戦、香港オープンで振るわなかった場合、翌週のインド・サイドモディインターナショナル(SUPER300)にも出場の可能性を残している
なお、この日、女子ダブルスでは、第1シードの福島・廣田のほか、第3シードの中国チェン・チンチェン/ジア・イーファン、第6シードの米元小春・田中志穂が相次ぎ姿を消した。相手はそれぞれチャン・イエナ/チョン・ギョンウン、キム・ソヨン/チェ・ユジョン、キム・ヘリン/ペク・ハナと、いずれも韓国ペア。福万尚子・與猶くるみを破ったシン・スンチャン/イ・ソヒを加え、年初より日本が優勢を保ってきた種目で、韓国勢がようやく反撃ののろしを上げた
日本から6人出場し、3人が2回戦に進んだ女子シングルスでは、1番手の山口茜がアメリカのツァン・ベイウェンにストレート負けを喫し、デンマークオープン(SUPER750)に次ぐ「ベスト8割れ」となった
対照的に3番手の高橋沙也加は、昨シーズンまで一度もタイトルを獲れなかったスーパーシリーズ(SS)に相当する、「SUPER500」初優勝を遂げた7月のシンガポールオープンの決勝で破った中国3番手ガオ・ファンジエに連勝し、「SUPER750」で初めてベスト8に入った
2番手奥原希望は、2年半ぶりの対戦となった韓国のエース、ソン・ジヒョンをストレートで降し、フレンチオープン(SUPER750)で逸したベスト8入りを果たした。次戦は、高橋との同国対決に臨む
同じく3人が2回戦に臨んだ男子シングルスだが、勝ち残ったのは、デンマークのベテラン、ハンス・クリスチャン・ビッティングスを封じた桃田賢斗のみ
西本拳太は、デンマーク勢で最も勢いのあるアナース・アントンセンに押される。第2ゲーム、マッチポイント2つ(18-20)を何とか凌ぎ、いったんは試合をふりだしに戻したが、ファイナルゲームも4-12と大量リードを許す。ここから12-13まで詰め寄ったものの、再度突き放され、ベスト8には届かなかった
もうひとり、1回戦でギリギリの勝利を収めた坂井一将は、第2シードの中国シー・ユーチに力及ばず、2回戦負けに終わった
混合ダブルスでも「3」ペアがベスト8入りに挑んだが、残ったのは保木卓朗・永原和可那との同国対決を制した第8シードの渡辺勇大・東野有紗。小林勇吾・米元小春は、中国4番手のホー・ジティン/ドゥ・ユエ相手に30分持たず、圧倒された
日本選手2回戦の結果
【男子シングルス】
桃田賢斗(第1シード)<21-13,21-15>(デンマーク)ハンス・クリスチャン・ビッティングス
<14-21,22-20,16-21>アナース・アントンセン(デンマーク)西本拳太
シー・ユーチ(中国、第2シード)<21-10,21-17>坂井一将
【女子シングルス】
(第2シード)<18-21,18-21>ツァン・ベイウェン(アメリカ)山口茜
奥原希望(第7シード)<21-10,21-18>(韓国)ソン・ジヒョン
高橋沙也加<21-15,19-21,21-18>(中国)ガオ・ファンジエ
【男子ダブルス】
(第4シード)<21-13,17-21,9-21>ヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン(インドネシア)園田啓悟・嘉村健士
<19-21,17-21>リャオ・ミンチュン/スー・チンヘン(台湾)遠藤大由・渡辺勇大
【女子ダブルス】
(第1シード)<13-21,11-21>チャン・イエナ/チョン・ギョンウン(韓国)福島由紀・廣田彩花
高橋礼華・松友美佐紀(第2シード)<24-22,21-15>(中国)フェン・シュエイン/ドン・ウェンジン
永原和可那・松本麻佑(第5シード)<21-19,21-15>(タイ)サプシリー・テラッタナチャイ/プティッタ・スパジラクン
(第6シード)<15-21,13-21>キム・ヘリン/ペク・ハナ(韓国)米元小春・田中志穂
シン・スンチャン/イ・ソヒ(韓国、第7シード)<21-16,21-12>福万尚子・與猶くるみ
【混合ダブルス】
渡辺勇大・東野有紗(第8シード)<21-14,21-17>(※リザーブ繰り上がり)保木卓朗・永原和可那
ホー・ジティン/ドゥ・ユエ(中国)<21-10,21-7>小林優吾・米元小春
準々決勝の対戦カード
【男子シングルス】
桃田賢斗(第1シード)対ソン・ワンホ(韓国、第7シード)
チェン・ロン(中国、第6シード)対アナース・アントンセン(デンマーク)
チョウ・ティエンチェン(台湾、第4シード)対キダンビ・スリカンス(インド、第5シード)
シー・ユーチ(中国、第2シード)対アンソニー・シニスカ・ギンティン(インドネシア、第8シード)
【女子シングルス】
奥原希望(第7シード)対高橋沙也加
プサルラ・ヴェンカタ・シンドゥ(インド、第3シード)対ホー・ビンジャオ(中国、第8シード)
チェン・ユーフェイ(中国、第4シード)対ラッチャノク・インタノン(タイ、第6シード)
カロリナ・マリン(スペイン、第5シード)対ツァン・ベイウェン(アメリカ)
【男子ダブルス】
マルクス・フェルナルディ・ギデオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ(インドネシア、第1シード)対アナース・スカールプ・ラスムセン/キム・アストルプ・ソレンセン(デンマーク、第6シード)
ツァン・ナン/リュウ・チェン(中国、第3シード)対リャオ・ミンチュン/スー・チンヘン(台湾)
ヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン(インドネシア)対シラグ・シェッティ/サトウィクサイラジ・ランキレディ(インド)
リュウ・ユーチェン/リ・ジュンフェイ(中国、第2シード)対タン・チアン/ホー・ジティン(中国)
【女子ダブルス】
永原和可那・松本麻佑(第5シード)対チャン・イエナ/チョン・ギョンウン(韓国)
キム・ソヨン/チェ・ユジョン(韓国)対キム・ヘリン/ペク・ハナ(韓国)
グレイシア・ポリー/アプリヤニ・ラハユ(インドネシア、第4シード)対シン・スンチャン/イ・ソヒ(韓国、第7シード)
高橋礼華・松友美佐紀(第2シード)対ツェン・ユー/リ・ウェンメイ(中国)
【混合ダブルス】
ツェン・シウェイ/ホワン・ヤチオン(中国、第1シード)対デチャポン・プアバラヌクロー/サプシリー・テラッタナチャイ(タイ)
タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル(インドネシア、第3シード)対ホー・ジティン/ドゥ・ユエ(中国)
渡辺勇大・東野有紗(第8シード)対キム・ウォンホ/ペク・ハナ(韓国)
ワン・イーリュ/ホワン・ドンピン(中国、第2シード)対プラビーン・ジョーダン/メラティ・ダエバ・オクタビアンティ(インドネシア)