Follow my own way, results will follow ~ Akane YAMAGUCHI

Exclusive interview @Hong Kong, 2017

ジュニアからシニアへ上がり、取り巻く環境が大きく変化する中、変わらぬ姿勢で競技に向き合ってきた山口茜選手。慌ただしく過ぎて行った昨シーズンに比べ、じっくり取り組めた今シーズン、終盤になって大きな気づきがあったと、BadPaL の独占取材に語ってくれた

20歳の山口選手にとって、1年間通じてフルに国際大会を回るのは2014年以来これで4年目。当初は少なからず戸惑いもあったであろう、日本とは異なる試合環境、それぞれの大会が持つ特有の雰囲気にも慣れ、今シーズンはすべての大会を通じ安定した成績を残した。中でも、全英オープン、ジャパンオープン、中国オープンといった大きな空間のある体育館がやり易いと話す。その一方で、最初やりにくいと感じた会場は、何度試合を重ねてみても「苦手なところはやはり苦手」と笑う

ほかに、シンガポールオープンや韓国オープンは、食事の面でいいという。山口選手にとって、特に「コメは大事」。かといって、日本のコメがなければ絶対だめというわけではなく、手に入りにくいところでは、例えばタイ米でも構わない。それよりも、むしろ今年の中国オープンのように、何でも食べられるだろうと期待していて、そうでなかった時の方がダメージは大きい、のだとか

◆自分のプレー

Akane’s tearful eyes after loss used to be seen more ofter

日本では、リオデジャネイロ五輪準々決勝敗戦後のインタビューで見せた涙が、普段、感情をあまりあらわにしない山口選手の稀有な姿として取り上げられた。ただ実際のところは、日本の報道陣が目にしないスーパーシリーズ(SS)などの国際大会において、試合に負けた後、目を真っ赤にしてミックスゾーンで取材に応じることは少なくなかった。いわく「自分のプレーができずに負けることが多かったから」。それでも最近は、そうした場面は徐々に減りつつある。勝ち負けとは別に、程度の差こそあれ試合で自分のプレーを出せる確率が上がってきている証(あかし)だ

「自分のプレー」には、別の問いかけでも言及した。初出場を果たした世界選手権・グラスゴー大会決勝で、奥原希望選手が激闘の末、日本シングルス勢として初優勝を遂げた。この試合の率直な感想を尋ねると、「すごいな。世界選手権で自分のプレーを出せれば楽しいだろうと思った」と答えた。ただ、「ああいうプレーは真似できない。自分のスタイルでやるしかない」ときっぱり。仮に今後、女子シングルスで勝つために求められるプレースタイルが変遷していったとしても、「変えられない。コントロールを高め、スピードを上げるなどして、どうにかして今のスタイルを保つ」と譲らない

山口選手にとって奥原選手は、世界ランクの上下にかかわらず、日本女子シングルス陣の中で「引っ張られる存在」という。同時に、倒すべき世界トップの1人でもあり、「以前(リオデジャネイロ五輪まで)は負け続きだったが、勝ったり負けたりするところまで持っていけた」と話し、越えるきっかけをつかみはじめたところだ

また、世界の女子シングルスを長くけん引してきた中国勢の変化について聞くと、出初めのころ対戦したワン・イーハン、ワン・シーシャンといった選手は「ショットが切れ、コントロールゲーム主体のイメージで、皆同じ様だった」という。しかし今は「攻撃的な選手が増え、レシーブできないと終わりだが、拾って仕掛けるのが醍醐味。楽しくやれる」と話す

◆変わったこと

変わらぬ自分らしさとは対照的に、2016年8月、19歳で初めての五輪を経験してから変わったのは、「負けている時、以前なら今日はダメかなとなるところで、周りの人のことを思うようになった」こと。「せっかく見てくれているのだから、あっさり負けては申し訳ない。少しでも楽しんでもらうため、もう少しがんばろうという気持ちが出てきた」と説明する。この時、山口選手の視線の先にいるのは、福井や熊本で応援してくれている普段から良く知る人たちではない。「その日、会場で目にした観客席に座っている人だったり、前夜たまたまLINEしていた友だちだったり(笑)」と、その場で浮かんでくる顔だ

At the beginning of 2017, Akane has already revealed her wish to be World no.1. The reason is…

山口選手は海外転戦時に常々、世界中の人に応援してもらいたいとの希望を口にする。2月にベトナム・ホーチミンで開催された2017年のシーズン開幕戦「アジア男女混合団体戦」で、あえて‘’今年の目標‘’を聞いた際、返ってきた答えは「一度は世界ランク1位になってみたい」。その理由は、「世界1位の選手は、どこの大会に行っても応援されている気がするから」。そういう選手になりたい、と

一方で、五輪に実際出場してみて、五輪を目標に据えて戦ってきた人たちばかりが出てくると強く認識した。五輪ありきの取材傾向が強い日本のマスメディアにも、自分もそうあるべき、と見られているのを感じると認める。しかし、そのことがすんなり自分の腹に落ちるか、聞くと、まだ首をかしげる

◆やるのは自分

2014年8月、山口選手がジュニア最後の大舞台、ユース五輪に出場した際、中国・南京の選手村内で、シニアに上がった後、中国をはじめとするライバル国との間に生じる練習環境の差をどう埋めていけばよいと考えるか、尋ねたことがある。当時17歳の口からよどみなく出てきた答えは、「元々、練習時間は短いと思うが、これからも短期集中で量より質を高めていく」「ナショナルチームで試合に出場させてもらい、国際大会での経験を積んでいけば、そんなに(海外のライバルとの)差は広がらないと思う」という明確なものだった

Knowing what to do is the key to success in the process from Junior to Senior

あれから3年4カ月、ユース五輪でともに表彰台に並んだライバル2人、中国のホー・ビンジャオ選手(=ユース五輪金メダル、現在世界9位)、タイのブサナン・ウンバンルンパン選手(=銅メダル、同17位)より、山口選手(=銀メダル、同2位)は上位にいる

そんな山口選手も、ナショナルチームに入り代表合宿に参加しはじめた当初は「不安的中」。トレーニングメニューをこなせていなかったと認める。とりわけ、コート外で行うランニングやウェートトレーニングは、コーチ陣に叱咤される以前の問題で、「何とか頑張れ」と声かけされるレベルだったと苦笑い。高校の友だちなどに日常的に愚痴を聞いてもらっていたと明かす。この点については、今年の世界ジュニア選手権で日本勢初の男子ダブルス優勝を遂げた久保田友之祐・金子真大組が、現在、同様の状況にあると話している

ただ、コート内の練習は別。世界ランク上位にいる今も「質と工夫」を重視する姿勢は変わらず、同等のトップ選手と直接打ち合わずとも、自ら工夫すればいいと言い切る。また、試したいショットや課題があっても、「特別にメニューを組んでもらったりしてはやらない。普段やる練習の中で、こっそり意識してやる(笑)」という。どうしても追加で時間が欲しい時は、通常の練習が終わった後、誰かをつかまえて打ってもらうが、「相手には何をしたいか特別知らせない。気が付いていない時が多いと思う」。背景にあるのは「(練習で状況設定しても)試合で同じ状況はない」との考え。加えて、「コート内では自分で考えてやる」という意識が強い

◆勝つこと

アスリートである以上、勝つためにプレーするのは至極当然。ただそのアプローチはさまざまであっていい。山口選手の今シーズン国際大会(個人戦)の全成績は、計16大会に出場し、◆優勝:3回◆準優勝:4回◆ベスト4:3回◆ベスト8:5回◆ベスト16;1回――

山口選手はシーズンを振り返り、「2016年は卒業、入社、五輪でバタバタと過ぎたのに対し、17年はしっかり取り組み、安定した結果を残せた」と自己評価する。その一方で、「ほかの大会より(勝ちたい)気持ちを強くいった世界選手権(8月、ベスト16)とジャパンオープン(9月、ベスト8)で思うような結果を残せず、あらためて、楽しむ気持ち、自分らしさが大事なことが分かった」と強調した。そのことを踏まえ、今シーズン最も自分らしいプレーができた試合に挙げたのは、結果は敗戦となったものの、ジャパンオープンから気持ちを切り替えて臨んだデンマークオープン(10月)の決勝、ラッチャノク・インタノン戦だった。「自分らしく楽しくやっていれば、結果はついてくる」――。シーズン終盤に得た、自らにとっての大きな気づき、これがその後の中国オープン(11月)、SSファイナル(12月)での優勝につながっている

特定の大会で「勝つ(=優勝)」ことに、ナショナルチームや所属チームのコーチ陣などからプレッシャーをかけられたことは、これまでないという。ただ、故郷の福井より現在活動の拠点を置く熊本の方が結果にこだわる「地域差」を少し感じている。ちなみに、最も影響力のあるサポーターで時にプレッシャーともなり得る両親は、もともと結果にあまり頓着せず、「メダルなし」に終わったリオ五輪でも、独自に現地の人たちとの交流を存分に楽しんでいた(茜談)のだそう

◆これから

最近、試合の前日など、脂っこいものを食べるのを控えたり、お風呂につかる時間を短くしたり(=体が緩む感じがするため)、誰に指示されたわけではないが、自らの経験値に基づく「事前準備」にも取り組み始めている

今シーズンを終えて感じる課題は、「良い時は良いが、悪い時は悪い」。悪い時は、体と気持ちの双方に起因し自分のプレーができない時。今後は、良い時の時間を長くしていきたい。そのため、「大会ごとにフラットな状態で入り、いつでも自分らしさを出せるよう、来年1年かけて少しずつしっかり磨いていく」と言う

Expecting not only fun but enormous pressure to be a part of members for Uber Cup 2018

来シーズン、世界バドミントン連盟(BWF)の大会スケジュールがよりタイトになる。山口選手はこの点に関し、「たくさん試合はしたいが、出すぎてもいけない。出る大会、出ない大会の選択はすべき」との考えを述べる。また、日本女子チームとして37年ぶりの優勝も期待される5月の女子国・地域別対抗戦ユーバー杯について、「優勝できるメンバーが揃っていると思う」と指摘しながら、楽しみな気持ちと同時に、のしかかってくるであろうプレッシャーもしっかりと認識。その上で、「チームに貢献し、チームみんなで勝ちたい」意向をあらためて示している

山口選手は今シーズン、年間12大会あるSSのランキング1位は達成したが、世界選手権をはじめとするその他の大会結果も加味した世界ランキングは台湾のタイ・ツーイン選手に次ぐ2位に終わった。それでも今回、香港で実施した独占取材を終えた直後、辛抱強く待ち構えていた欧米系のファンなどに写真撮影を求められる姿からも、「どこに行っても応援してもらえる選手」に近づいたのは間違いない

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