今シーズンのスーパーシリーズ(SS)最終戦、香港オープンを終え、12月開催SSファイナルの出場権獲得者が出揃い、日本からはSSランキング1位の山口茜選手、米元小春・田中志穂組を筆頭に、シングルス2人、ダブルス5ペアが入った。この後、出場意思の確認が行われ、辞退者が出れば、次点以降の選手が繰り上がる

今回注目は、SSランク1~3位につけながら、国・地域別ごとに付与される最大出場枠2つを最後まで争った女子ダブルスの3ペアだった。まず最初に「脱落」の危機に直面したのが米元小春・田中志穂組。第11戦中国オープン2回戦で相手マッチポイント、14-20の絶対的不利な状況から大逆転で踏みとどまった。米元・田中組は、ファイナル出場を確定させた香港で BadPaL に対し、この時の様子を「14-20となり吹っ切れた部分もあるが、次の1点を取って、2人の集中力が高まった」と振り返った

続いて、最終戦の香港オープンで瀬戸際まで追い込まれたのが福島由紀・廣田彩花組。SSランク日本3番手で香港に入り、ほかの2ペアより先に、または同じタイミングで負ければ即、「SSファイナルレース」敗退が決まる状況で迎えた初戦、ストレート勝ちした米元・田中組に続く2番目にコートに立ち、ファイナルゲーム14-19と追い詰められる。しかしこの窮地を切り抜け逆転勝利。その後、試合をした高橋礼華・松友美佐紀組が敗れたことで、起死回生の出場権奪取となった

当落線上で最終戦を迎え、最後の地、香港で出場権獲得に成功したのが、男子ダブルスの小林優吾・保木卓朗組と混合ダブルスの数野健太・栗原文音組。小林・保木組はSSランク8位に入り、先に出場権を確保していた同5位、昨年準優勝の園田啓悟・嘉村健士組に次いで、この種目、日本2枠目を得た

一方、数野・栗原組は今シーズンを混合ダブルスSSランク9位で終えた。しかし上位に中国の3ペアが入っており、1つの国・地域からは各種目2ペアまでしか出場できない規定があるため、8番手に滑り込んだ
ただ、数野選手は全日本総合選手権にエントリーせず、その後に行われるSSファイナルに出場するのかどうか予断を許さない状況で、来月初めの出場意思確認の発表を待つしかない
同様に、全日本総合選手権を1回戦途中で棄権した女子シングルスの奥原希望選手は、8月の世界選手権優勝によりワイルドカード(特別出場枠)を得られるが、出場に向けてはこの先、SSファイナル開幕(12月13日)までの約2週間でどこまで実戦練習を積めるかがカギとなる(※追記:その後、日本バドミントン協会が出場辞退を発表。一方で、カロリナ・マリン選手が出場辞退したことにより、佐藤冴香選手が繰り上がりで出場権を得た)

女子シングルスにはもう1人、2017年のシーズン通じて、SSで一度もベスト8を外さない安定した好成績を収め、第11戦中国オープンで優勝を遂げた時点でSSランク1位でのファイナル出場を確定させた山口茜選手がいる
17歳の時、出場辞退者が出たことで繰り上げ出場を果たし、タイ・ツーイン(台湾)、ラッチャノク・インタノン(タイ)、ワン・イーハン(中国)と格上ばかりとの一次リーグを全勝で突破しベスト4入りした2014年、次点で出場権を逃した15年をはさみ、SSランク2位で再度出場した16年(結果は一次リーグ敗退)に続き、今回出場を逃した高橋・松友組と並び日本勢最多タイとなる3度目のドバイで、年間チャンピオンのタイトル獲得に挑戦する
◆第12戦終了時点のSSランキング(確定値)。※はワイルドカード(特別出場枠)での出場対象となり得る世界選手権優勝者
【男子シングルス】
1) ソン・ワンホ (Korea) 62980 pts
2) キダンビ・スリカンス (India) 59500 pts
3) シー・ユーチ (China-1) 54380 pts
4) リー・チョンウェイ (Malaysia) 54260 pts
5) チョウ・ティエンチェン (Taiwan) 54110 pts
6) ウン・カロン (HongKong-1) 51400 pts
7) チェン・ロン (China-2) 49280 pts
※8) ビクター・アクセルセン (Denmark-1) 49050 pts
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▼次点=9) ウォン・ウィンキ (HongKong-2) 45880 pts
【女子シングルス】
1) 山口茜 (Japan-1) 83710 pts
2) タイ・ツーイン (Taiwan) 79420 pts
3) ソン・ジヒョン (Korea) 68900 pts
4) プサルラ・ヴェンカタ・シンドゥ (India) 68040 pts
5) ラッチャノク・インタノン (Thailand) 67720 pts
【出場辞退】6) カロリナ・マリン (Spain) 62640 pts
7) ホー・ビンジャオ (China-1) 52890 pts
【出場辞退】※9) 奥原希望 (Japan-2) 48020 pts
【繰り上げ】▼次点=8) チェン・ユーフェィ (China-2) 48530 pts
【繰り上げ】▼次々点=10) 佐藤冴香 (Japan-3) 47530 pts
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【男子ダブルス】
1) マルクス・フェルナルディ・ギデオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ (Indonesia) 86830 pts
2) マシアス・ボー/カールステン・モゲンセン (Denmark-1) 68880 pts
3) リュウ・ユーチェン/リ・ジュンフェイ (China-1) 66610 pts
※4) ツァン・ナン/リュウ・チェン (China-2) 64070 pts
5) 園田啓悟・嘉村健士 (Japan-1) 63630 pts
6) マッズ・コンラド・ペターセン/マッズ・ピーラー・コルディング(Denmark-2) 53510 pts
7) リー・ジェフエイ/リー・ヤン (Taiwan) 52310 pts
8) 小林優吾・保木卓朗 (Japan-2) 46150 pts
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▼次点=9) ヘンドラ・セティアワン/タン・ブンヒョン (Indonesia/Malaysia) 44640 pts
【女子ダブルス】
1) 米元小春・田中志穂 (Japan-1) 71680 pts
2) 福島由紀・廣田彩花 (Japan-2) 67190 pts
3) 高橋礼華・松友美佐紀 (Japan-3) 64930 pts
※4) チェン・チンチェン/ジア・イーファン (China-1) 64330 pts
5) クリスティナ・ペダーセン/カミラ・リタ・ユール (Denmark) 56740 pts
6) チャン・イエナ/イ・ソヒ (Korea-1) 54570 pts
7) 福万尚子・與猶くるみ (Japan-4) 47910 pts
8) チョン・ギョンウン/シン・スンチャン (Korea-2) 37220 pts
9) ホワン・ヤチオン/ユー・シャオハン (China-2) 37010 pts
10) スー・ヤチン/ウ・ティジュン (Taiwan) 36300 pts
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▼次点=11) グレイシア・ポリー/アプリヤニ・ラハユ (Indonesia) 35280 pts
【混合ダブルス】
1) ツェン・シウェイ/チェン・チンチェン (China-1) 58820 pts
【出場辞退】2) ルー・カイ/ホワン・ヤチオン (China-2) 57470 pts
【繰り上がり】3) ワン・イーリュ/ホワン・ドンピン (China-3) 52230 pts
※4) タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル (Indonesia-1) 52140 pts
5) タン・チュンマン/ツェ・インシュー (HongKong) 47620 pts
6) プラビーン・ジョーダン/デビー・スサント (Indonesia-2) 46580 pts
7) クリス・アドコック/ガブリエル・アドコック (England) 44550 pts
8) タン・キアンメン/ライ・ペイジン (Malaysia) 41450 pts
9) 数野健太・栗原文音 (Japan) 35620 pts
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▼次点=10) ワン・チリン/リー・チアシン (Taiwan) 32360 pts