世界ジュニア選手権・個人戦準決勝、男子ダブルスの久保田友之祐・金子真大組は、第1シードのキム・ウォンホ/カン・ミンヒョク組(韓国)にファイナルゲーム21-19で競り勝ち、この種目、日本勢では史上3ペア目のファイナリストとなった
久保田・金子組は第1ゲーム、17-20の劣勢から1点差まで追い上げるも一歩届かず、19-21で落とす。しかし第2ゲームを奪い返し、迎えたファイナルゲーム、競り合いの中、うまく主導権をつかんで11-7で前半を終える。エンドの変わった後半もリードを保ったまま18-16までいくが、いったんは崩れかけた韓国ペアに巻き返され、18-18。続けて18-19と致命的ともいえる1点を与えてしまい、韓国の応援団も盛り上がり、流れは完全に移行したかに見えた
しかし日本ペアは気持ちを切らすことなくプレーを続け、逆にリードしたことでプレッシャーを感じたか、韓国ペアにミスが出て、久保田・金子組が再逆転に成功し、21-19で勝利。決勝への切符をつかんだ
久保田・金子組は試合後、BadPaL の取材に応じ、まず、「うれしい」と勝てた喜びを笑顔とともに表現した。試合内容については、前日の準々決勝後に語っていた通り、「チャレンジャーの気持ちで向かっていけた」と評した。ファイナルゲーム18-18に追いつかれた場面を振り返ってもらうと、「正直、ドキドキしていた。相手がミスしてくれて助かった」と率直な気持ちを明かした。それでも、「最後は気持ちの勝負。2人で話すことはなかったが、これまでに何度かこういう場面で試合をしてきた経験が生きた」と胸を張った
世界ジュニア男子ダブルスにおける日本勢の決勝進出は、2012年千葉大会の金子祐樹・井上拓斗組<https://badpal.net/2012/11/02/five-japanese-advance-to-finals-of-world-junior-individual-events/>、14年アロースター大会の玉手勝輝・中田政秀組<https://badpal.net/2014/04/18/not-only-akane-but-katsukimasahide-make-the-final/>に続くもの。久保田・金子組に意気込みを尋ねると、あらためて、2人で向かっていく気持ちを確認した
日本からもう1人、準決勝に臨んだ男子シングルスの奈良岡功大選手は、7月のアジアジュニア選手権を制したリョン・ジュンハオ選手(マレーシア)に挑んだ。第1ゲームは相手の力強いプレーに押される形で一度もリードを奪えず14-21で敗れた。しかし第2ゲームに入ると逆に主導権をつかんで前半を11-6で折り返し、後半に入っても17-12とリードを保つ。ここから1点差まで詰め寄られるが、さらに突き放して20-17とゲームポイントをつかんだまでは良かった。しかしここで止まってしまい、経験値が上のリョン選手に5連続得点を献上しジエンド。2012年の桃田賢斗選手以来5年ぶりの男子シングルス決勝進出は果たせず、銅メダルに終わった
奈良岡選手は試合直後、BadPaL に対し、「相手の強さを感じたというより、精神的な部分に起因する自分のミス」と、表情に悔しさをにじませながら敗因を語った。その上で、今後、このような敗戦を繰り返さないようにする、と述べた
一方、勝ったリョン選手に奈良岡選手の印象を聞いたところ、「タフな相手」と率直に認め、「第2ゲームはミスしてくれて助かった」と苦笑いとともに答えた。また、アジアジュニアチャンピオンとして、世界ジュニアのタイトル獲得に強い気持ちを持って臨んできたか尋ねると、「今大会の目標はメダル(準決勝進出)だった」と明かした。ただ、「これで決勝に進むことができたので、チャンピオンを目指す」と、笑顔で目標を上方修正した
マレーシアからはもう1人、2015年世界ジュニア女子シングルス覇者ゴー・ジンウェイ選手に決勝進出の期待があった。しかしこの日は、アジアジュニアチャンピオンのハン・ユエ選手(中国)に元気なく敗れ、果たせなかった
準決勝の対戦カード
【男子シングルス】
クンラウット・ウィティサン(タイ、第1シード)<21-16,21-13>ガオ・ツェンツ(中国)
リョン・ジュンハオ(マレーシア、第4シード)<21-14,22-20>奈良岡功大(第6シード)
【女子シングルス】
グレゴリア・マリスカ・トゥンジュン(インドネシア、第3シード)<22-20,13-21,21-18>ツァイ・ヤンヤン(中国、第6シード)
ゴー・ジンウェイ(マレーシア、第4シード)<9-21,10-21>ハン・ユエ(中国、第5シード)
【男子ダブルス】
キム・ウォンホ/カン・ミンヒョク(韓国、第1シード)<21-19,17-21,19-21>久保田友之祐・金子真大(第4シード)
リノブ・リバルディ/エレミア・エリック・ヨチェ・ヤコブ・ランビタン(インドネシア、第11シード)<15-21,17-21>ディー・ヅ―ジエン/ワン・チャン(中国、第13シード)
【女子ダブルス】
シア・ユーティン/ツァン・シュウシアン(中国、第10シード)<17-21,21-19,11-21>ジャウザ・ファディラ・スギアルト/リブカ・スギアルト(インドネシア、第4シード)
イ・ユリム/ペク・ハナ(韓国、第2シード)<17-21,21-18,21-13>リ・ウェンメイ/リュウ・シュエンシュエン(中国)
【混合ダブルス】
リノブ・リヴァルディ/ピタ・ハニントヤス・メンタリ(インドネシア、第11シード)<18-21,21-16,21-13>リュウ・シウェン/リ・ウェンメイ(中国)
レハン・ナウファル・クスハルジャント/シティ・ファディア・シルバ・ラマダンティ(インドネシア、第3シード)<21-15,21-14>ファン・チウユエ/リュウ・シュエンシュエン(中国)
決勝の対戦カード
【男子シングルス】 クンラウット・ウィティサン(タイ、第1シード)対リョン・ジュンハオ(マレーシア、第4シード)
【女子シングルス】 グレゴリア・マリスカ・トゥンジュン(インドネシア、第3シード)対ハン・ユエ(中国、第5シード)
【男子ダブルス】 久保田友之祐・金子真大(第4シード)対ディー・ヅ―ジエン/ワン・チャン(中国、第13シード)
【女子ダブルス】 イ・ユリム/ペク・ハナ(韓国、第2シード)対ジャウザ・ファディラ・スギアルト/リブカ・スギアルト(インドネシア、第4シード)
【混合ダブルス】 レハン・ナウファル・クスハルジャント/シティ・ファディア・シルバ・ラマダンティ(インドネシア、第3シード)対リノブ・リヴァルディ/ピタ・ハニントヤス・メンタリ(インドネシア、第11シード)