No other Japanese but Ayaka/Misaki wins Asia C’ships title again

アジア選手権決勝、女子ダブルス世界ランク1位の高橋礼華・松友美佐紀組が、日本でほかに誰も勝ったことがない大会で連覇を成し遂げ、今シーズンの初タイトルを手にした。一方、シングルスの日本勢初制覇を狙った山口茜選手は、出場5大会連続優勝と波に乗っている世界1位タイ・ツーイン選手に力及ばず、準優勝に終わった

Misaki and Ayaka did another ‘first’ for Japanese shuttlers

高橋・松友組が2年連続で迎えた決勝の相手は、世界44位ながら今大会、20位、11位、9位、5位と、中国を含む上位ペアにすべてストレート勝ちしてきた韓国3番手ユ・ヘウォン/キム・ヘリン組。第1ゲーム、前半はほぼ互角の展開で11-8。後半早々追いつかれ、再び突き放した後も粘り強く追いかけてこられたが、リードは譲らず21-19。第2ゲームは韓国ペアが最初からリードを保ったまま逃げ切る。しかしファイナルゲームに入ると、日本のエースペアは相手の攻撃をことごとく弾き返し、疲れによるコンビネーションの乱れを見逃さず攻勢に出るなど、実力と経験の差を見せ圧倒。最後まで寄せ付けずに快勝した

アジア選手権女子ダブルスの2連覇は、2004~05年の北京五輪銀メダルの韓国イ・ヒョジョン/イ・ギョンウォン組以来、12年ぶり。リオデジャネイロ五輪で日本バドミントン界史上初の金メダルを手にした後も、「誰もやったことのないこと」への挑戦を続ける高橋・松友組。昨年、福万尚子・與猶くるみ組との同国対決を制し、全種目を通じて日本勢初優勝を遂げたこの大会で、今年は2連覇という新たな金字塔を打ち立てた

昨シーズン後半から今シーズンにかけ、中国チェン・チンチェン/ジア・イーファン組、日本の米元小春・田中志穂組と福島由紀・廣田彩花組など、上位大会SSで新しいチャンピオンが誕生してきている。これに対し、勢いで勝てることはあっても、どうして勝てたのかを分からなければ勝ち続けるのは難しい、と以前、冷静に語っていた高橋・松友組。本気で世界のトップに立つことを目指し、五輪レース以前から今なお続く試行錯誤の上に築かれている現在の地位は、若手の台頭が続いたとしても、当分揺らぎそうにない

Akane (left) did great job in Wuhan but was not good enough for catching up World No.1 TzuYing (2nd from left)

女子シングルスでは、山口選手が世界1位の台湾タイ・ツーイン選手に挑んだ。前回出場したシンガポールオープンSSでは先に準々決勝で敗れ、対戦予定だった準決勝に進めず機会を逸した。しかし今回は、決勝までしっかり勝ち上がって、対峙した

第1ゲームはスタートダッシュに成功した山口選手がそのままリードを保って取るが、続く第2ゲームを一度もリードを奪えぬまま落とす。ファイナルゲームは序盤、山口選手がリードするが、インターバル前に逆転されると、後半早々、連続得点で点差を広げられる。山口選手は、コート内を走り回らされながらも、何とか追いすがろうとするが叶わず、17-20からマッチポイントを1つ凌ぐのが精一杯。最後はネット際の勝負で甘くなった球をタイ選手に決められ、約1時間続いた熱戦は幕を閉じた

山口選手にはこの試合、男女を通じて日本初のアジア選手権シングルス優勝への期待もあったが、実現は先送りされた。一方、勝ったタイ選手は台湾初のアジア選手権チャンピオンになると同時に、昨年11月から続く、出場した大会の連続優勝記録を6に伸ばした(香港オープン、SSファイナル、全英オープンSSプレミア、マレーシアオープンSSプレミア、シンガポールオープンSS、アジア選手権※全英とマレーシアの間に開催されたインドオープンSSは出場せず)

シンガポールオープンSS決勝の再戦となった混合ダブルスは、前回敗れたタイのデチャポン・プアバラヌクロー/サプシリー・タエラナッチャイ組が試合開始早々仕掛けてリードを広げるが、8-14の劣勢をひっくり返した中国ルー・カイ/ホワン・ヤチオン組が第1ゲームを先取。続く第2ゲームも後半抜け出してストレート勝ち。リベンジを狙ったタイペアを返り討ちにすると同時、全英オープン、インドオープン、シンガポールオープンに次ぐ今シーズン4勝目を挙げた

中国選手同士の対戦となった男子2種目の決勝は、シングルスでチェン・ロン選手、ダブルスでリュウ・ユーチェン/リ・ジュンフェイ組が勝ち、ともに初優勝を果たした。中国は、7連覇に挑む来月の男女混合国・地域別対抗戦スディルマン杯に向け、3種目で自信を、残る女子2種目は課題を抱え、今大会を終えた

決勝の結果

【男子シングルス】 リン・ダン(中国、世界8位)〈23-21,11-21,10-21〉チェン・ロン(中国、世界9位)

【女子シングルス】 タイ・ツーイン(台湾、世界1位)〈18-21,21-11,21-18〉山口茜(世界5位)

【男子ダブルス】 リュウ・ユーチェン/リ・ジュンフェイ(中国、世界2位)〈21-14,21-12〉ワン・イーリュ/ホワン・カイシアン(中国、世界15位)

【女子ダブルス】 高橋礼華・松友美佐紀(世界1位)〈21-19,16-21,21-10〉ユ・ヘウォン/キム・ヘリン(韓国、世界44位)

【混合ダブルス】 ルー・カイ/ホワン・ヤチオン(中国、世界2位)〈21-18,21-11〉デチャポン・プアバラヌクロー/サプシリー・タエラナッチャイ(タイ、世界11位)

一方、アジア選手権と同じ日程で、デンマーク・コルディングを会場に行われたヨーロッパ選手権では、スディルマン杯で中国の連覇を阻む可能性を有するデンマークが、男子ダブルス(マシアス・ボー/カールステン・モゲンセン組)と女子ダブルス(クリスティナ・ペダーセン/カミラ・リタ・ユール組※4連覇)の2種目を制した。ただ、男子シングルスのビクター・アクセルセン選手が準決勝で、混合ダブルスのヨアキム・フィッシャー・ニールセン/クリスティナ・ペダーセン組が決勝でそれぞれ敗退。不安も残した

女子シングルスは五輪/世界王者、スペインのカロリナ・マリン選手がスコットランドのカースティ・ギルモア選手を問題にせず、3連覇を果たした

男子シングルスは、ディフェンディングチャンピオンの第1シード、アクセルセン選手を破った同じデンマークの20歳アナース・アントンセン選手の挑戦を、第2シードのイングランドの30歳ラジフ・ウーセフ選手が退け、初優勝した。イングランドは混合ダブルスでも、第2シードのクリス・アドコック/ガブリエル・アドコック組が初めてタイトルを手にした

ヨーロッパ選手権決勝の結果

【男子シングルス】 ラジフ・ウーセフ(イングランド、世界21位)〈21-19,21-19〉アナース・アントンセン(デンマーク、世界25位)

【女子シングルス】 カロリナ・マリン(スペイン、世界2位)〈21-14,21-12〉カースティ・ギルモア(スコットランド、世界44位)

【男子ダブルス】 マシアス・ボー/カールステン・モゲンセン(デンマーク、世界3位)〈21-16,22-20〉マッズ・コンラド・ペターセン/マッズ・ピーラー・コルディング(デンマーク、世界7位)

【女子ダブルス】 クリスティナ・ペダーセン/カミラ・リタ・ユール(デンマーク、世界2位)〈21-11,15-21,21-11〉ガブリエラ・ストエバ/ステファニ・ストエバ(ブルガリア、世界13位)

【混合ダブルス】 ヨアキム・フィッシャー・ニールセン/クリスティナ・ペダーセン(デンマーク、世界5位)〈17-21,21-18,19-21〉クリス・アドコック/ガブリエル・アドコック(イングランド、世界7位)

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