Keigo and Takeshi pick up their pace and ready for Quarterfinals

シンガポールオープンSS2回戦、男子ダブルスの園田啓悟・嘉村健士組が、第1ゲームを大差で失ったことで、逆に自分たちのいいプレーを取り戻し、快勝。強豪との対戦が控える準々決勝を前に、臨戦態勢を整えた

園田・嘉村組は、世界トップ20入りしてきたともに21歳のインドネシア3番手ペア、ムハンマド・リアン・アルディアント/ファジャル・アルフィアン組を、対戦が決まった前日より軽視していなかった。ところが、10-10から一気に抜け出され11-21でオープニングゲームを落としてしまう。前週のマレーシアオープン準決勝で、いいところなく敗れた影響が尾を引いているのか、と懸念されたが、むしろこの大差で吹っ切れたか、第2ゲーム以降は一貫して攻めの姿勢に転じ、続く2ゲームを連取して逆転勝ち。とりわけファイナルゲーム後半は、怒涛の攻撃で押し切った

嘉村選手は試合後、BadPaL に対し、「第1ゲームを失ったことで、久しぶりに緊張感の中、試合ができ、楽しめた」と笑顔を見せた。第1ゲームの後、コーチを交えて3人で話し合い前衛を抜くことに取り組み、園田選手は「理想的な形のプレーができた」と評価した。ただその後すぐに、「まだまだ。さらに高い質の相手との対戦時にもできるようにしなければ」と、気を引き締め直した。準々決勝では、当初より対戦が予想されていたデンマークのマシアス・ボー/カールステン・モゲンセン組とぶつかるが、「相手を研究し、自分たちのプレーをして勝ちにこだわる」(嘉村)と力を込めた

女子シングルスでは、初戦を突破した山口茜佐藤冴香両選手がともに2回戦にも勝って、ベスト8入りした。ただいずれも前日とは違う会場内の風に苦しめられた

この日の第1試合に登場した山口選手は、台湾2番手のスー・ヤチン選手と初めて対戦。「弱い相手とは思っていなかった」と話す山口選手が、第1ゲームを21-19で競り勝つ。しかし第2ゲームは一転、ショットに乱れが出て一度もリードを奪えぬまま16-21で落とす。迎えたファイナルゲーム、終盤19-15とリードしながら勝ち切れず、追いつかれてもみ合いとなる。最後は23-21で振り切ったが、周囲をハラハラさせる試合だった

山口選手は試合後、「特に強く吹くようになったわけではないが、前日の試合からイメージしていた風と違った。シャトルがぶれる感じでタイミングが合わず、修正できなかった」と、思わぬ苦戦を招いた要因を説明した。ただ、勝って反省するのと負けてするのは違うとし、この勝ちを次戦につなげる意向を示した

佐藤選手は、1回戦でディフェンディングチャンピオン、タイのラッチャノク・インタノン選手を破り、勢いに乗っている。2回戦の相手は予選繰り上がりの韓国キム・ヒョミン選手で、佐藤選手の優位は固く、概ねその通りに試合は進み勝利した。ただ時折、思うようにいかないプレーにフラストレーションを感じているような仕草が見られた

佐藤選手は試合後、BadPaL に対し 、「最も難しかったのは風」と明かし、滞空時間が長かったりで、「(シャトルに)しっかり当たっていない」と感じていたという。ただ、そうした状況を踏まえ、「(1回戦の)ラッチャノク選手の球ほど怖くないので、ギリギリを狙うのではなく内側に入れていくよう修正できた」と話した。次戦では、出場したSS4大会で連続優勝中の台湾タイ・ツーイン選手と対戦する。意気込みを聞くと、「今回は勝ち負けより、自分の力を出し切るのが目標」と答えた。なお、現時点における自分とトップ10にいる選手との違いは、「風があるような中でも、ミスしないところ」と指摘した

女子ダブルスは日本の1、2番手、高橋礼華・松友美佐紀組と福万尚子・與猶くるみ組が順当に勝ち上がった

福万・與猶組は、前日最終試合に組まれた1回戦に続いて、この日もストレート勝ち。とりわけ第2ゲームは終盤もつれ、19-20と先にゲームポイントを握られながら、しっかり勝ち切る安定感を見せた

福万選手は試合後、BadPaL の取材に対し、「調子の良し悪しは勝ち負けではなく、自分がやろうとしていたことがやれたかどうかで(測っていて)、この試合はまあまあ満足」(福万)と述べた。一方、與猶選手はまだ十分ではなく、次戦以降、さらに挑戦していく考えを示した。福万・與猶組は現在、プレースタイルを変更中で、「レパートリーを増やす」取り組みを続けていて、世界のバドミントンも変化していく中、その歩みに「終わりはない」と述べている

高橋・松友組の2回戦は、前週のマレーシアオープン1回戦で初めて対戦しストレート勝ちした、インドのアシュウィニ・ポンナッパ/ネラクリヒ・シキ・レディ組との再戦。インド系住民の応援を受け勢いを増した相手に第2ゲームを奪われるが、ファイナルゲームは、力の差を見せ快勝。2週連続でインドペアの挑戦を退けた

一方、2回戦で姿を消した日本勢は、ダブルス3ペア。男子ダブルスの小林優吾・保木卓朗組は、この日、世界ランク1位に返り咲いたインドネシアのギデオン・マルクス・フェルナルディ/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ組に挑んだが、前週マレーシアオープン1回戦に続いて跳ね返され、SSベスト8入りを阻まれた

小林・保木組に BadPaL が、2週連続で対戦した世界1位の強さを感じる部分を聞くと、小林選手は「サーブ周りの2~3球でやられて、気が付いたら大量得点されていた感じ」と答えた。また保木選手は、「自分たちとの差は単純なミスの数」と指摘。「レシーブも固く、自分たちがどれだけ攻撃しても返される。それを弾き飛ばすような攻撃力をつけなければ」と述べた。その上で、「緊張感の中で試合できた。次は勝つつもりで、これからがんばっていく」と、今回の2度の敗戦を経験として活かす考えを示した

女子ダブルスの米元小春・田中志穂組は、全英オープンで勝利している中国1番手チェン・チンチェン/ジア・イーファン組に第1ゲーム、23-21で競り勝つが、第2ゲームは息を吹き返した中国の19歳2人に圧倒される。ファイナルゲームも中国ペアが主導権を握るが、9-15から日本ペアが盛り返し1点差に迫る。しかし追いつくことは叶わず、再び突き放され、17-21で力尽きた

米元・田中組は試合直後、BadPaL の取材に応じ、「勝負所で1点が取れなかった。1点の重みを感じた」(田中)。「1点を取りに行く場面で、つなぎの球が甘くなった」(米元)と、敗因を語った。日本3番手の米元・田中組はこのSSアジア3連戦、インドオープン優勝の後、マレーシアオープンとシンガポールオープンはともに2回戦で中国ペアに敗れ、ベスト16どまりとなった

混合ダブルスの小林優吾・松友美佐紀組はSS2大会目の出場で、予選2試合に続いて本戦1回戦を突破したが、予選繰り上がりの台湾ワン・チリン/リー・チアシン組に敗れ、今大会を終えた

日本選手2回戦の結果

【女子シングルス】 山口茜(世界4位)〈21-19,16-21,23-21〉スー・ヤチン(台湾、世界26位)、佐藤冴香(世界19位)〈21-16,21-10〉キム・ヒョミン(韓国、世界37位※予選繰り上がり)

【男子ダブルス】 園田啓悟・嘉村健士(世界5位)〈11-21,21-16,21-10〉ムハンマド・リアン・アルディアント/ファジャル・アルフィアン(インドネシア、世界20位)、マルクス・フェルナルディ・ギデオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ(インドネシア、世界2位)〈21-12,21-15〉小林優吾・保木卓朗(世界18位)

【女子ダブルス】 高橋礼華・松友美佐紀(世界1位)〈21-11,19-21,21-12〉アシュウィニ・ポンナッパ/ネラクリヒ・シキ・レディ(インド、世界47位)、福万尚子・與猶くるみ(世界7位)〈21-12,22-20〉ウン・ツーヤウ/ユン・ガティン(香港、世界50位※予選勝ち上がり)、チェン・チンチェン/ジア・イーファン(中国、世界5位)〈21-23,21-11,21-17〉米元小春・田中志穂(世界8位)

【混合ダブルス】 ワン・チリン/リー・チアシン(台湾、世界46位※予選繰り上がり)〈21-16,21-15〉小林優吾・松友美佐紀(世界269位※予選勝ち上がり)

準々決勝の対戦カード(※これ以降、13日更新の世界ランクを反映)

【男子シングルス】

タノンサク・センソンブーンサック(タイ、世界11位)対B.サイ・プラニース(インド、世界30位)

ジョナタン・クリスティ(インドネシア、世界24位)対イ・ドンクン(韓国、世界35位)

ウォン・ウィンキ(香港、世界12位)対アンソニー・シンスカ・ギンティン(インドネシア、世界26位)

シー・ユーチ(中国、世界8位)対キダンビ・スリカンス(インド、世界29位)

【女子シングルス】

タイ・ツーイン(台湾、世界1位)対佐藤冴香(世界17位)

山口茜(世界4位)対ツァン・ベイウェン(米国、世界13位)

カロリナ・マリン(スペイン、世界2位)対プサルラ・ヴェンカタ・シンドゥ(インド、世界5位)

ソン・ジヒョン(韓国、世界3位)対スン・ユ(中国、世界6位)

【男子ダブルス】

マルクス・フェルナルディ・ギデオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ(インドネシア、世界1位)対リー・ジェフエイ/リー・ヤン(台湾、世界10位)

園田啓悟・嘉村健士(世界3位)対マシアス・ボー/カールステン・モゲンセン(デンマーク、世界6位)

リュウ・ユーチェン/リ・ジュンフェイ(中国、世界2位)対リッキー・カランダ・スワルディ/アンガ・プラタマ(インドネシア、世界8位)

ゴー・ウェイシェム/タン・ウィーキョン(マレーシア、世界4位)対ハルディアント/ベリー・アングリアワン(インドネシア、世界65位)

【女子ダブルス】

高橋礼華・松友美佐紀(世界1位)対パタイマス・ムエンウォン/チャラッドチャラム・チャヤニット(タイ、世界41位)

チョン・ギョンウン/シン・スンチャン(韓国、世界4位)対チェン・チンチェン/ジア・イーファン(中国、世界5位)

チャン・イエナ/イ・ソヒ(韓国、世界3位)対サプシリー・タエラッタナチャイ/プティッタ・スパジラクン(タイ、世界9位)

クリスティナ・ペダーセン/カミラ・リタ・ユール(デンマーク、世界2位)対福万尚子・與猶くるみ(世界7位)

【混合ダブルス】

キム・ギジョン/シン・スンチャン(韓国、世界27位)対ワン・チリン/リー・チアシン(台湾、世界39位※予選繰り上がり)

ルー・カイ/ホワン・ヤチオン(中国、世界2位)対B.スミース・レディ/アシュウィニ・ポンナッパ(インド、世界86位※予選繰り上がり)

ヨアキム・フィッシャー・ニールセン/クリスティナ・ペダーセン(デンマーク、世界5位)対タン・キアンメン/ライ・ペイジン(マレーシア、世界10位)

プラビーン・ジョーダン/デビー・スサント(インドネシア、世界9位)対デチャポン・プアバラヌクロー/サプシリー・タエラナッチャイ(タイ、世界11位)

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