
マレーシアオープンSSプレミア2回戦、女子シングルスの奥原希望選手が、前世界チャンピオンであるタイのラッチャノク・インタノン選手を初めて倒し、順風満帆に進んでいた競技者としてのキャリアをいったんゼロに戻し再スタートを切らざるを得なくなった2年前の今大会と同じ、ベスト8に到達した
同世代ながら常に先を走っていたラッチャノク選手には、2011年世界ジュニア選手権の準決勝で敗れて以降、3連敗中だったが、この日は相手を完全に封じ込め、危なげなく快勝した
奥原選手は2013年1月のマレーシアオープン(当時はSS)で、17歳ながら、前年11月に世界ジュニアのタイトルを取った勢いそのままに快進撃を続けベスト8入り。しかし準々決勝でインドのサイナ・ネワル選手(当時世界2位)と対戦し、足を負傷して棄権。直後は「横方向への動きで左ひざがずれるような違和感を感じ、痛みよりもむしろ、力が入らなくなってしまった」と、笑みさえ浮かべながら語っていたが、これがそれから約1年間、満足にプレーすることができない要因となってしまった〈https://badpal.net/2013/01/19/ayakamisaki-and-tago-survive-and-one-step-closer-to-finals/〉
それでも長い治療とリハビリの期間を経て、国際大会への本格復帰を果たした昨年、下位大会のグランプリ(GP)で3勝、上位大会SSで準優勝と本来の実力を発揮。今年に入ってもGPゴールド初優勝など着実に結果を残し、2日時点で世界ランク11位と日本女子シングルス勢のトップに立っている
シングルスではもう1人、奥原選手と同世代の桃田賢斗選手がベスト8入りした。過去の対戦成績、世界ランクともに互角の香港フ・ユン選手が相手だったが、この日はつけ入るすきを与えぬ一方的な展開で完勝した
今大会のベスト8にはほかに、千葉で開催された2012年世界ジュニア選手権で桃田、奥原両選手のライバルだった中国のシュエ・ソン選手とスン・ユ選手も残っている
田児賢一選手と山口茜選手は敗れ、ベスト8に届かなかった。このうち山口選手は、2度目の対戦となった中国のエース、リ・シュエリ選手から第2ゲームを奪い、ファイナルゲームも17-15までリードする。しかしここから経験、実績ともに格上の相手に6連続得点を決められ、勝利を逃した
ダブルス陣は、男子第5シードの早川賢一・遠藤大由組が、世界ランクは下位ながら、北京五輪金メダリストのマルキス・キド選手率いるインドネシアペアに苦戦。第1ゲームを先制され、ファイナルゲームも終盤17-17までもつれるが、何とか振り切り、日本のダブルス勢で唯一、準々決勝に進んだ
混合ダブルスの園田啓悟・福万尚子組は、第4シードのインドネシア、タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル組に挑んだが、18-17まで競り合いながら第1ゲームを失うと、続く第2ゲームは地力の差を見せられ完敗した
一方、大会3日目を終え、ホスト国マレーシアから準々決勝に残ったのは、女子ダブルスのウーン・ケーウェイ/フー・ビビアン・カームン組のみとなった
日本選手2回戦の結果
【男子シングルス】
フ・ユン(香港、世界14位)〈6-21,9-21〉桃田賢斗(世界15位)
ヤン・ヨルゲンセン(デンマーク、世界2位)〈21-7,21-10〉田児賢一(世界28位)
【女子シングルス】
リ・シュエリ(中国、世界1位)〈21-16,10-21,21-17〉山口茜(世界13位)
ラッチャノク・インタノン(タイ、世界8位)〈12-21,11-21〉奥原希望(世界14位)
【男子ダブルス】
早川賢一・遠藤大由(世界5位)〈19-21,21-18,21-18〉マルキス・キド/アグリピナ・プリマ・ラーマント・プトラ(インドネシア、世界147位※予選勝ち上がり)
【混合ダブルス】
タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル(インドネシア、世界3位)〈21-18,21-11〉園田啓悟・福万尚子(※予選勝ち上がり)
準々決勝の対戦カード(※これ以降、2日更新の世界ランキングを反映)
【男子シングルス】
チェン・ロン(中国、世界1位)対桃田賢斗(世界11位)
ワン・ツェンミン(中国、世界10位)対シュエ・ソン(中国、世界32位※予選勝ち上がり)
リン・ダン(中国、世界3位)対ティエン・ホウウェイ(中国、世界15位)
ヤン・ヨルゲンセン(デンマーク、世界2位)対ウェイ・ナン(香港、世界22位)
【女子シングルス】
リ・シュエリ(中国、世界3位)対ワン・イーハン(中国、世界8位)
サイナ・ネワル(インド、世界1位)対スン・ユ(中国、世界15位)
カロリナ・マリン(スペイン、世界2位)対チュン・ガンイ(香港、世界53位※予選勝ち上がり)
ワン・シーシャン(中国、世界5位)対奥原希望(世界11位)
【男子ダブルス】
イ・ヨンデ/ユ・ヨンソン(韓国、世界1位)対リュウ・シャオロン/チュウ・ツィハン(中国、世界6位)
ツァイ・チアシン/リー・シェンム(台湾、世界3位)対ホン・ウェイ/チャイ・ビアオ(中国、世界4位)
早川賢一・遠藤大由(世界5位)対ヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン(インドネシア、世界8位)
マシアス・ボー/カールステン・モゲンセン(デンマーク、世界2位)対リッキー・カランダ・スワルディ/アンガ・プラタマ(インドネシア、世界54位)
【女子ダブルス】
ユー・シャオハン/オウ・ドンニ(中国、世界34位)対バージット・ミシェルズ/イザベル・ハートリッヒ(ドイツ、世界52位※予選勝ち上がり)
ルオ・ユー/ルオ・イン(中国、世界3位)対グレイシア・ポリー/ニトヤ・クリシンダ・マヘスワリ(インドネシア、世界7位)
セリーナ・ピーク/イーフィア・ムスケンス(オランダ、世界11位)対チャン・イエナ/チョン・ギョンウン(韓国、世界323位)
ウーン・ケーウェイ/フー・ビビアン・カームン(マレーシア、世界18位)対ティエン・チン/フアン・シア(中国)
【混合ダブルス】
ツァン・ナン/ツァオ・ユンレイ(中国、世界2位)対コ・ソンヒョン/キム・ハナ(韓国、世界9位)
タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル(インドネシア、世界5位)対クリス・アドコック/ガブリエル・アドコック(イングランド、世界7位)
シュー・チェン/マー・ジン(中国、世界4位)対マッズ・ピーラー・コルディング/カミラ・リタ・ユール(デンマーク、世界12位)
ヨアキム・フィッシャー・ニールセン/クリスティナ・ペダーセン(デンマーク、世界1位)対リュウ・チェン/バオ・イーシン(中国、世界3位)