
インドネシアスーパーリーガ5日目、女子準決勝が行われ、昨年と同じカードとなった日本ユニシス対ルネサスの試合は日本ユニシスが3対0で勝ち、2年連続で決勝に進んだ。テレビ放映の関係でシングルス3つを先に行う試合順となり、シングルスに強みを持つ日本ユニシスが、高橋沙也加、打田しづか、奥原希望の3選手で一気に勝負を決めた
3人は試合後、それぞれ BadPaL の取材に応じた
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今大会では、何かを試合の中で変えたいと思っている――。そう強調する高橋選手は、「世界のトップに勝っていくには、自分が得意とする攻撃だけでは十分でないと以前から感じていた。しかしこれまでは、変える勇気がなかった」と明かした。昨年11月の香港オープンスーパーシリーズ(SS)で中国ワン・イーハン選手、今年1月のマレーシアオープンSSプレミアで中国ワン・シーシャン選手を相手に、いずれもファイナルゲーム終盤までもつれる良い試合をしながら、あと少しのところで勝てなかった。この差を実感する今、「ラリーを嫌がらない。守りからでも攻撃につなげられるプレーを加えたい」と指摘。強い選手のいるこの大会では、相手の良い球など学べることは多く、課題も見つけるという。一方で、「第1ゲームを取った後、第2ゲームを落とす試合が2つ続いたが、あきらめずがまんして勝てたことは成長できている」と収穫も口にした

打田選手は、「とりあえず勝ってチームに貢献することができ良かった」と試合直後の感想を笑顔で語った。今大会に入ってから調子を落とし、原因の分からないまま、ここまで苦しい試合が続いている。それでも、「常にコンディションが良いとは限らない。意識的に色々と自分を変えてみている」と、試行錯誤の最中であることを説明した。2対3で惜敗し準優勝に終わった昨年に続いて挑む決勝に向けては、「昨年は決勝でストレート負けしているので、今年は勝って優勝に貢献したい」と述べ、リベンジに静かな意欲を見せた

奥原選手は準決勝を振り返り、「相手は主にダブルスをプレーする選手で、シングルスでは負けたくない、負けられない、というプライドがあった」と話した。さらに「(優勝した)日本リーグで貢献できず、ここは第1ダブルスの高橋礼華・松友美佐紀組を休ませるためにもシングルス3つで決めたかった」と述べ、自分が勝って後ろには回さない、という強い気持ちで試合に臨んでいたことを明かした。その上で、「今大会は最初、試合勘が戻らず苦労したが、試合を重ねるごとに徐々に良くなり、思うようなプレーができるようになってきた。決勝はみんなで一丸となって優勝したい」と意気込んだ
◆日本ユニシス3-0ルネサス
【第1シングルス】 高橋沙也加〈21-9,21-14〉伊東可奈
【第2シングルス】 打田しづか〈17-21,21-13,21-14〉峰歩美
【第3シングルス】 奥原希望〈21-12,21-10〉福島由紀
【第1ダブルス】 高橋礼華・松友美佐紀〈打ち切り〉前田美順・垣岩令佳
【第2ダブルス】 栗原文音・篠谷菜留〈打ち切り〉福島由紀・廣田彩花
もう1つの準決勝では、ディフェンディングチャンピオンのジャヤラヤ・ジャカルタが、第1シングルスの三谷美菜津選手と第1ダブルスのピア・ゼバディア・ベルナデス/リズキ・アメリア・プラディプタ組で星を落とし0対2と追い込まれながら、続く3種目を奪い返し勝利。日本ユニシスの待つ決勝へ順当に駒を進めた

なお、三谷選手の出場はこの日まで。初参戦の昨年は1勝3敗(決勝は足の故障で外れる)と不本意な結果に終わったが、今年はここまで第1シングルスとして全試合に出場し、4勝1敗とチームに大きく貢献した。三谷選手は試合後、 BadPaL の取材に応じ、「できれば全勝で終わりたかった」と苦笑い。外国のクラブチームに1人、助っ人として加わり戦うことについては、「やるのは自分だけ、と言う点ではどこでも同じ」ときっぱり。ただし、「日本選手と対戦する時、チームは勝てると思っているので、一番プレッシャーを感じた」と明かした
◆ジャヤラヤ・ジャカルタ(インドネシア)3-2ムティアラカーディナル・バンドン(インドネシア)
【第1シングルス】 三谷美菜津〈22-20,16-21,19-21〉リンダウェニ・ファネトリ(インドネシア)
【第1ダブルス】 ピア・ゼバディア・ベルナデス/リズキ・アメリア・プラディプタ(インドネシア)〈21-19,14-21,17-21〉ティアラ・ロサリア・ヌライダ/スシ・リズキ・アンディニ(インドネシア)
【第2シングルス】 ブサナン・ウンバンルンパン(タイ)〈9-1棄権〉アプリリア・ユスワンダリ(インドネシア)
【第2ダブルス】 グレイシア・ポリー/ニトヤ・クリシンダ・マヘスワリ(インドネシア)〈21-8,21-9〉ハンナ・ラマディニ/モニカ・インタン(インドネシア)
【第3シングルス】 ベラエトリックス・マヌプティ(インドネシア)〈21-16,21-19〉ヘラ・デシアナ・ラクマワティ(インドネシア)

男子はこの日が一次リーグ最終戦。日本ユニシスはシンガポールの許兄弟集団と対戦し、全種目を通じて1ゲームも落とさず、5対0と完勝した。前日、日本ユニシスに初黒星をつけた昨年の覇者ムシカチャンピ オンがジャルム・クドスに敗れ、同じグループ内で、日本ユニシス、ムシカチャンピオン、ジャルム・クドスの3チームが3勝1敗で並んだが、得失試合数の差で、ムシカチャンピオンと日本ユニシスが準決勝への切符を手にした
◆日本ユニシス(3勝1敗)5-0許兄弟集団(シンガポール、1勝3敗)
【第1シングルス】 上田拓馬〈21-13,21-15〉ウォン・デレク・ジリアン(シンガポール)
【第2シングルス】 坂井一将〈21-12,21-12〉ロビン・ゴナンサ(シンガポール)
【第3シングルス】 井上拓斗〈21-17,21-13〉ホワン・チャオ(シンガポール)
【第1ダブルス】 早川賢一・遠藤大由〈21-10,21-15〉エオ・テリー・ツァオジアン/ロ―・キーンヒーン(シンガポール)
【第2ダブルス】 井上拓斗・金子祐樹〈21-12,21-11〉ダニー・バワ・クリスナンタ/テリー・ヒー・ヨンカイ(シンガポール)
一方、ジャヤラヤ・ジャカルタの第2シングルスとして登場した田児賢一選手は、台湾の合作金庫銀行のチュ・ハンチョウ選手に21-8,18-21,12-21で敗れ、今大会初黒星。一次リーグの通算成績は3勝1敗となった。ただチームは4対1で勝ち、4戦全勝でグループAを1位通過した
5日目終了時点で男子のグループ内順位が以下の通り確定。この結果、各グループ上位2チームによる準決勝の組み合わせは、◆ジャヤラヤ・ジャカルタ(グループA1位)対日本ユニシス(グループB2位)◆ムシカチャンピオン(グループB1位)対HI-QUAウィマ・スラバヤ(グループA2位)――となった
◆男子グループA
【1位】ジャヤラヤ・ジャカルタ(インドネシア、4勝)【2位】HI-QUAウィマ・スラバヤ(インドネシア、3勝1敗)【3位】合作金庫銀行(台湾、2勝2敗)【4位】マレーシアタイガース(マレーシア、1勝3敗)【5位】SCG(タイ、4敗)
◆男子グループB
【1位】ムシカチャンピオン(インドネシア、3勝1敗)【2位】日本ユニシス(3勝1敗)【3位】ジャルム・クドス(インドネシア、3勝1敗)【4位】許兄弟集団(シンガポール、1勝3敗)【5位】グナダールマ・バンドン(インドネシア、4敗)